342 お年玉
お年玉
「ほい、ちーちゃんお年玉」
「おとしだま?」
キョトンとしながらポチ袋を受け取る千鶴ちゃん。こうして直接貰うのは初めてなので首を傾げているのだろ。中身を開けてみてから千円札を出してから千鶴ちゃんは俺に聞いてきた。
「おにいちゃん、これおかね?」
「うん、そうだよ。いくらかわかるかな?」
「えっとね・・・ぜろがみっつだからせんえんかな?」
「うん、正解。よく分かったね」
計算やお金については軽くしか教えてないけど・・・ちゃんと覚えて本当に偉いと思う。
「じゃあ、俺からもあげるね」
「ぷにきゅあだぁ♪」
俺が用意したのは千鶴ちゃんが大好きなアニメのポチ袋。ポチ袋に喜ぶ千鶴ちゃんを微笑ましく思っていると千鶴ちゃんは袋から500円玉を2枚取り出して言った。
「えっと・・・ぜろがふたつで、ごとごでじゅうだから・・・せんえんでいいのかな?」
「正解。本当に千鶴ちゃんは物覚えが早くて偉いね」
「えへへ・・・」
「まあ、このお金はちーちゃんが好きに使っていい分だ。何か買いたいものあれば使ってくれ」
「かいたいもの・・・」
うーんと悩む千鶴ちゃん。まあ、普段から物欲が偉く少ないからこそいきなり言われても悩むのだろう。それにその金額で実際に何が買えるのかもわからないから悩むのは当然と言える。
本当は形だけ渡して後で回収しても良いのだが・・・せっかくだし早めにお金の使い方を知っておくことも必要だろうから先生と話してこういう形にした。ちなみに金額は話し合いの末に先生がお札、俺が500円玉で千円分用意することにしたのだ。
「とりあえずお金は大切なものだからこれに入れておこうね」
「わぁ・・・かわいい♪」
猫の形をしたお財布を千鶴ちゃんに手渡す。もしもの時のためにチェーンで腰から付けられるようにしてあるから忘れたり失くす可能性はかなり低くなっただろうが・・・それでも、やっぱりなくなる時は本当に一瞬なので千鶴ちゃんによく言い含めておく必要があるだろう。
まあ、普段から忘れ物も少ないし教えたことはしっかり理解しているのでそこまで心配はしてないけど、念の為だ。
「ぱぱ、ままありがとう」
「おう。まあ、来年は健斗みたいにキャラ物のポチ袋にするか」
「可愛いの多いので楽しいですよ」
ポチ袋も昔に比べて本当に種類が増えたから用意する側も楽しかったりする。もう少し大きくなったらゲーム感覚で渡すものありかもなぁと思う。母さんがそういう遊びが好きで1度だけやって貰った時は何気に嬉しかったしね。




