337 大掃除
恒例イベント
「うんしょ、うんしょ」
一生懸命窓ガラスを磨く千鶴ちゃん。まあ、そこまで汚れてはいないけど、形式的にやった方が良さそうだったので現在年末の大掃除をしているのだ。
「しっかし本当にお前がいると便利だよな。大掃除とはいえそこまで必要ないしな」
「まあ、普段からなるべくこまめにやってますから」
「ん、助かってるよ。サンキューな」
なんかこの程度のことで褒められるのは気恥しいが嬉しくもある。
「うん、ちーちゃんも頑張ってくれてるし私も前に進まないとな」
「なんです急に?」
「なあ、和也の部屋あれからこまめに掃除してくれてたんだよな?」
「ええ、まあ。流石に捨てていいかわからないので掃除だけしかしてませんが」
「和也の部屋のやつな。ほとんど全部捨てようかと思うんだ」
思わぬ台詞に驚いていると先生は苦笑気味に言った。
「ちーちゃんももうすぐ保育園の年長さんになるしな。部屋は余っててもそのうち自室が必要になるだろうからな」
「部屋なら俺の部屋使ってくれて構いませんよ?」
「いずれはそうなるだろうな。和也の部屋は・・・まあ、物置か書斎にでもするのが良さそうだな」
形見というほどのものは無さそうだけど、先生なりに思うところはあるはずだ。それでもこんな決断をしてくれたことが嬉しくなって思わず手を握ってから微笑んで言った。
「ありがとうございます。遥香さん」
「まあ、それにちーちゃんの教育に良くないものも多いからな。流石に処分しないと」
「それには同感です」
アブノーマルな本を千鶴ちゃんに見せるのは教育上良くないしね。
「おにいちゃん、おわったよー」
そんな話をしていると窓の掃除を終えたのかこちらにやってくる千鶴ちゃん。教えた通りに綺麗に出来てくるので俺は千鶴ちゃんの頭を撫でて言った。
「うん、完璧だよ。すごく良く出来てるね」
「えへへ・・・うん、おにいちゃーーーぱぱのおかげだよ」
・・・こうやって言い直すのがなんとも可愛いと思ってしまう俺は病気なのだろうか?でもね、使い分けが難しいのかお兄ちゃんの比率が高めなのも何気にポイント高かったりする。
「それじゃあ、掃除も終わったしお茶にしようか」
「ああ、私はコーヒーな」
「分かってます。千鶴ちゃんはあんずジュースでいいの?」
「うん。あんずじゅーすだいすき♪」
「わかった。すぐに用意するね」
最近はあんずジュースがブームの千鶴ちゃんといつも通りの先生のために飲み物を準備する。しっかし、大掃除が終わるといよいよ今年も終わりという感じがしてしみじみするよね。




