335 午後の散歩
散歩
「本当に晴れたなぁ」
お昼ご飯を食べてから3人で厚着をして散歩に出掛けたが・・・空は先程までの雪が嘘のように晴れ渡っていた。これなら午後のうちにある程度雪が溶けそうでホッとしてると、前を歩いていた千鶴ちゃんが滑ったのか転びそうになるのを間一髪で防ぐ。
「大丈夫?」
「うん。おにいちゃんありがとう」
「凍ってるところも多いからね。気をつけないとね」
本当は抱っこしてあげた方がいいかもしれないけど・・・千鶴ちゃんが雪や時々雪かきしてあって氷がはってるところを踏むのを楽しんでるようで水をささないでおく。
「にしても、本当にちーちゃん楽しそうだな」
「ですね」
「散歩だけでこんなに喜んで貰えるなんて我が娘ながら本当に健気だ」
「まあ、遥香さんとはあんまり一緒に歩く機会ないですからね」
休みの日もどこか出掛ける時は車だし、今みたいに徒歩で移動することは早々ないしね。
「折角だし腕でも組むか?」
「俺は嬉しいですけど、そんなこと言うと・・・」
「おにいちゃん、おにいちゃん。ちーはだっこ」
聞きつけたように千鶴ちゃんがそんなことを言ってくるので苦笑してから千鶴ちゃんを片手で抱っこする。
「んじゃ、腕は貰いな」
むにゅっと柔らかい感触が腕に伝わってくる。本当にこうなると本能との戦いだよね。負けたらアカンやつ。まあ、それ以前に滑って2人を巻きこないように気をつけないといけないけど・・・まあ、バランス感覚には自信があるから大丈夫だ。
それに重量あった方が歩きやすいしね。まあ、2人とも全く重くないのだけど・・・いや、比喩じゃなくてマジで。子供の千鶴ちゃんはまだしも先生もプロポーションがいいからなのか、めっちゃ軽く感じる。
「ちーちゃん羨ましいな。今度そこ代わって貰うか」
「うん、ちーもおにいちゃんのうでにつかまりたい」
多分千鶴ちゃんの場合腕にぶら下がるか俺が腰を痛めそうな体勢で歩くことになりそうだが・・・まあ、そんな機会はなさそうだし大丈夫だろう。先生を片手で千鶴ちゃんみたいに持ち上げるのは・・・結構腕に負担がかかりそうだけど、多分数分ならいけるはず。
まあ、いくら軽くても流石に成人した大人を片手で持つのはキツいしね。
「あ、おにいちゃん。ゆきだるまさんだよ!」
「お、本当だ」
「えらく変なところにあるな」
塀の上の抱っこした千鶴ちゃんがギリギリ届く高さに作られたミニの雪だるま。可愛いけど何故にそこにあるのだろうかと笑いあって3人で散歩を楽しむのだった。




