334 ジグソーパズル
パズル
「うーん、こうかな?」
考えながら頑張って俺が贈ったジグソーパズルに取り組む千鶴ちゃん。もう少し楽なやつからあげるべきだったかなぁとは思ったけど、前に簡単なやつを数分で仕上げた実績あったから、難易度を上げてみたが・・・楽しんでるようで何よりだ。
「しっかし、仕事ないと本当にやること思いつかないな」
コーヒーを飲みながら一緒に千鶴ちゃんが頑張る姿を見守っているとそんなことを言う先生。
「まあ、遥香さんお仕事大切にされてますからね」
「お前とイチャつくか、ちーちゃんと遊ぶくらいしか思いつかないが・・・何か趣味くらいは見つけるべきかもなぁ」
なんとなくこちらにもダメージがくるが・・・うん、俺も確かに家事と千鶴ちゃんと先生の面倒を取り上げたら何も残らないわ。アニメも最近は観れてないしねぇ。
「ソシャゲとかなら手軽に出来ますよ」
「ソシャゲはしない。特に課金は絶対にな」
「何かあったんですか?」
「というか、形が残らないものに金をかけたくないんだよ」
「まあ、その思考はわからなくないですが」
ゲーセンとかはギリギリ許容範囲内なんだけど、ソシャゲってサービス終了したら本当に何も残らないからあんまり好きじゃないんだよね。
「昼から酒ってわけにも・・・」
「今夜我慢出来るならいいですよ」
「そりゃ無理だ」
「じゃあ、今は我慢しましょうね」
お正月に付き合いとかで昼間飲むのならある程度容認はするけど、程々にして貰うのは忘れない。まあ、お酒が好きなのはいいけど飲みすぎは良くないしね。
「ま、たまにはこんな風にゆっくりするのも悪くないか」
「まあ、見てて楽しいですしね」
パズルに真剣に取り組む千鶴ちゃんというのは見てて微笑ましくはある。
「手伝わなくていいのか?」
「本人が自力で頑張りたいようなので、手を貸して欲しいと言われるまでは黙って見守りますよ」
「本当にお前の方がよっぽど親らしいよな」
「そんなことないですよ。遥香さんだってちゃんと母親ですよ」
「外で金を稼ぐしか出来ないのにか?」
「それがあるから、千鶴ちゃんも安心して家にいられるんですよ」
こうして俺が面倒見ててもお金を稼げる人がいないと本当に意味ないしね。俺は家であれこれやってるのが性に合うんだけど、先生みたいなやりたいことやってお金を稼ぐ方が何倍も素敵なことだとは思うしね。
千鶴ちゃんがジグソーパズルに夢中になる姿を見ながらする話ではないけど・・・まあ、今の返答に満更でもない表情を浮かべる先生を見れば、別にいいかなとも思うのだった。




