328 誕生日とクリスマス
遥香さんおめでとう♪
「まま、おたんじょうびおめでとう!めりーくりすます!」
「遥香さん。お誕生日おめでとうございます。あとメリークリスマス」
パンとクラッカーを鳴らして千鶴ちゃんと拍手をする。12月24日、本日はクリスマスイブと先生の誕生日という大きなイベントの当日なのだ。
「ありがとう、健斗、ちーちゃん・・・しかし、この歳になって祝われるのはなんとも言えないな」
そう言いつつも嬉しそうな先生に俺はとりあえずプレゼントを渡すことにした。千鶴ちゃんのプレゼントをメインにしたいしね。
「じゃあ、まずは俺から・・・どうぞ」
「ああ、サンキュー。開けてもいいか?」
「もちろんです」
そうして包装を開けてから・・・先生は少しだけ驚いたように言った。
「これはまた・・・財布とは驚いたな。可愛いが予想外だった」
「一応ペアのやつで俺とお揃いなんですが・・・ダメでしたか?」
「そんな訳ないだろ。嬉しいよ」
「なら良かったです」
あえて誕生日プレゼントに財布を選んだのは、家計を預かっているという証明という意味合いもあって財布にしたのだが・・・喜んで貰えたようで何よりだ。
「まま。ちーはこれ」
「お、ちーちゃんは手紙か」
そうして手紙を渡されて嬉しそうに読む先生。千鶴ちゃんの努力の成果がこうして報われて微笑ましく思っていると千鶴ちゃんは俺にも手紙を差し出して言った。
「これはおにいちゃんのぶん」
「俺にも?」
「うん・・・あのね、ちーのきもちなの」
恥ずかしそうにそんなことを言われたのでラブレターでも貰ったように思えたが・・・まあ、中身を見てそんな発想はすぐに吹き飛んだ。
『おにいちゃんへ。いつもちーといっしょにいてくれてありがとう。ちーはおにいちゃんがだいすきだよ。できれば・・・ちーのぱぱになってほしいっておもうくらいだいすき。ままもおにいちゃんのことだいすきだから、ちーのほんとうのかぞくになってほしいな。いつもありがとう。ちーより』
俺は思わず千鶴ちゃんを抱きしめていた。驚く千鶴ちゃんに俺は心から嬉しくなりながら言った。
「もちろんだよ・・・俺も千鶴ちゃんとママが大好きだ。だから・・・俺を2人の本当の家族にしてくれると嬉しい」
「おにいちゃん・・・うん!」
「ありがとうなちーちゃん」
先生も手紙を読み終わったのか少し涙ぐんで千鶴ちゃんを抱きしめる。多分先生の手紙にも似たようなことが書かれていたのだろう。本当にこの子ばかり気を使わせてしまって申し訳ないが・・・それでも、俺は今目の前で笑う千鶴ちゃんを心から愛しく思うのだった。
本当に・・・誕生日じゃないのにこんなに幸せでいいのか不安になるが、先生も千鶴ちゃんも笑ってるしよしとしよう。




