327 イルミネーション
夜の駅前
「これは・・・凄いですね」
クリスマス目前の本日は夕飯の後に3人で少しお出掛けをしていた。散歩と言えばいいのだろうか?着込んで千鶴ちゃんはいつ寝てもいいように俺が抱っこしてきた。
そうして3人で向かったのは駅前のイルミネーションが綺麗な通りだ。色鮮やかなイルミネーションが光っており、見蕩れてしまっていると、千鶴ちゃんがくいくいと服を引っ張って言った。
「おにいちゃん、きれいだね」
「うん、そうだね。ママに感謝しないと」
イルミネーションを見たいと言い出したのは先生なので2人でお礼を言うと先生は微笑んで言った。
「ま、仕事帰りに気になっててな。せっかくだし3人で見たかったのさ。ちーちゃんはそのうち好きな男でも出来たら来れないだろうしな」
「すきなおとこのこ?」
「ああ」
「うーん・・・おにいちゃんかな」
嬉しい言葉に思わずほろりと涙が出そうになる。子供の『私将来パパと結婚するー!』という言葉と同じ意味でもその比較対象に自分がいるのは嬉しいものだ。
まあ、とはいえ寂しくはあるけど・・・そのうち千鶴ちゃんも好きな異性とこうしてイルミネーションを見るのだろうと思うと親として寂しくはあるが・・・それでも、千鶴ちゃんが幸せになれるなら良しとしよう。
「ままもおにいちゃんのことすきなんだよね?」
「・・・ああ。もちろんだ」
さり気なく俺の手を握ってそういう先生。まあ、千鶴ちゃんのが親としての好きなら、先生は異性としての好きなので嬉しいものだ。
「ちーちゃんに男出来たら2人で来ることになるかもな」
「想像するだけでダメージきますね・・・」
「ま、可愛い娘だしな。とりあえずその前に他の家族出来て結局2人で来れるかわからないがな」
それはそれで賑やかそうだが・・・一々想像してしまっていけない。あと3ヶ月程度だと考えるとそろそろ想像だけでは済まされないけど・・・まあ、楽しみと言えば楽しみなのだろう。
しばらくそうしてイルミネーションを見ながら歩いていると、いつの間にか俺に抱っこされながら寝てしまった千鶴ちゃん。落とさないように、痛くないように腕に程よく力を込めていると隣で手を繋ぐ先生が微笑んで言った。
「ま、私としても可愛い娘に男が出来るのは寂しいが・・・その寂しさはお前で埋めさせて貰うとしよう」
「・・・お手柔らかにお願いします」
「無理かもな。どうせならここでキスでもするか」
確かに周りにカップル多いし間違ってはいないのだろうが・・・それでも、千鶴ちゃんを抱っこしたままするのは教育上良くない気がするのでやんわりとキスすることで決着をつけるのだった。




