324 罰ゲーム遥香編
Ver.遥香
「健斗・・・もっと強くても大丈夫だ」
「こうですか?」
ギュッと抱きしめる力を強くする。千鶴ちゃんが寝てから卓球で負けた罰ゲームの分として先生のことを正面から抱きしめていた。まあ抱きしめるだけならいつも通りだが・・・なんとか務めて冷静に俺は言った。
「本当に・・・大好きだよ遥香」
「〜〜〜!」
「そんな反応されるとやった甲斐があります」
まあ、これは前の約束と被ってはいるが・・・先生的にはそれが1番やって欲しいことだったそうなのだ。呼び捨てで抱きしめて愛を囁くなんて柄じゃないけど、目の前で真っ赤になって可愛らしい反応をする先生を見ると悪くないと思えた。
逃げないようにしっかりと抱きしめる力を強く・・・でも痛くないようにしながら俺は赤くなる先生の目をみて言った。
「遥香さーーー遥香は本当に可愛いね」
「・・・わ、私は別に可愛くはないだろ?」
「可愛いよ。いやーーー可愛くて綺麗が妥当かな?」
いやー、多分俺も顔真っ赤だろう。呼び捨てのタメ口とかかなり恥ずかしい。何より慣れなさすぎて違和感があるが・・・でも、先生は嬉しそうなので良しなのかな?
「なあ、健斗・・・聞いてもいいか?」
「なんですか?あ、じゃない・・・なんだい?」
やべぇ、やっぱり慣れないとボロが出る。やっぱりもう少し砕けた話し方練習しないとな。息を吸うように先生を口説けるレベル・・・まではいかなくても、これくらいなんてことないレベルまではしたいな。
「私は重くないか?」
「全く、全然」
「本当か?」
「ああ。もちろん」
「本当に本当か?」
なんだかいつになく弱気な先生・・・俺が今回はマウント取ってるからなのかな?でも、この人は強がっているところがあるからこんな姿を俺に見せてくれるのは本当に嬉しい。だから俺は微笑んで言った。
「遥香は全然重くないよ。むしろもっと俺を求めていいんだよ」
「・・・本当にか?」
「うん。もちろん」
優しく撫でながらも俺はなるべく優しいトーンで言った。
「もっと俺を頼ってよ。もっと俺に甘えてよ。俺は遥香のこと大好きなんだからね」
「健斗・・・ありがとう」
この会話の間だけでもタメ口というのはやっぱりかなり疲れるものだ。慣れないといけないが・・・でも、呼び捨ては結構楽しかったかもしれない。いつもは俺が助けられてばかりだから、たまには俺がこの人を助けたいのだ。本当に大好きだから。絶対に守りたいから。
千鶴ちゃんの前ではこんな風には出来ないけど・・・たまになら頑張ってみようと決めるのだった。




