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背中に娘
「すぅ・・・すぅ・・・」
遊び疲れたのか俺の背中で眠る千鶴ちゃん。まあ、雪に大はしゃぎだったし仕方ないと思っていると、先生が寝ている千鶴ちゃんを見て言った。
「よく寝てるな」
「まあ、楽しんでくれてたみたいですしね」
「来年また来てもいいかもな」
「ですね」
「なあ、健斗。たまには代わるか?ちーちゃんおぶるの」
そう聞かれたので俺は苦笑気味に答えた。
「やらせてください。これが俺の楽しみなんですから」
「むー、だが私も久しぶりにちーちゃんをおんぶしたいな。それに少しちーちゃんが羨ましいしな」
まあ、そうなるだろうね。
「なあ、健斗。私におんぶ要求されたらどうする?」
「そうですね・・・どちらかといえばお姫様抱っこが好きなんですが・・・それじゃダメですか?」
「なら許す。にしても本当にお前力あるよな」
「まあ、この時のために鍛えてますから」
可愛い嫁や娘とのスキンシップの幅を広げるためにコツコツ頑張ってきたからね。まさかこんなに早くそれをお披露目することになるとは思わなかったが。
「ちーちゃんも本当に安心して寝てるな」
「嬉しい限りです。それにこうして背負ってるとやっぱり成長が感じられて嬉しいですよ」
前におんぶした時よりも少しだけ背が伸びたのか重くなったような気がする。こういう子供の成長をダイレクトに感じられるのが親の特権だよね。
「そういえば健斗。最後のテスト結構いいところまで行ってたよな?」
「ええ。まあ、10位以内には入れませんでしたが」
「それでも、前に比べれば頑張った方さ。何かご褒美をあげたいが・・・何がいい?」
そう聞かれて少し考えてしまう。俺にしては確かに頑張った結果だけど、ご褒美を貰えるほどかは疑問だし・・・でも、先生がこういうこと言う時は多分俺に求めて欲しい時なのだろうと思う。
前よりも深く先生のことを知ってるからそう感じるのだが・・・うん、そうだな。せっかくだし贅沢を言おうと思ってから俺は言った。
「ではお言葉に甘えて・・・今夜千鶴ちゃんが寝た後に抱きしめさせてください」
「・・・それだけか?」
「いえ。せっかくなので、その時だけ敬語捨てて遥香さんを呼び捨てにして甘やかさせてください」
ちょっと欲張りすぎたかな?と思うが先生はポカンとしてからクスリと笑って言った。
「それじゃあ、どっちのご褒美かわからないな」
「ダメですか?」
「いいに決まってるだろ。普段からそうしてくれてもいいくらいだ」
「それは心の準備が出来てからでお願いします」
やっぱりまだ呼び捨てタメ語は慣れないしね。そんな風に旅館までの道を笑いながら歩くのだった。




