316 スキー場
ゆきゆき
「じゃあ、行こうか」
旅館に到着して部屋に荷物を置いてから、旅館の近くにあるスキー場へと3人で赴く。ちゃんとスキーウェアを着て対策はしてきてあるが・・・まあ、俺も先生も滑るつもりはないので大丈夫だろう。
スキー場に到着するが、やはりというか時期の関係もあって人はほとんどいなかった。キッズコーナーに至っては貸し切りと言っていいだろう。
「つんつん」
可愛らしく雪をつついてから、「つめたい♪」と嬉しそうにはしゃぐ千鶴ちゃん。本当に可愛い行動にほっこりしていると、隣で同じようにほっこりしてた先生が言った。
「本当に人いないな」
「ですね。ラッキーでした」
「お義父さんには今度またきちんとお礼言わないとな」
「ですね」
「正月はどうするんだ?向こうには顔出すのか?」
「いえ・・・それが、来なくていいって言われてまして」
年末年始は忙しいから、少し遅れてこちらに顔を出しに来ると言ってたのを思い出す。海斗とは巽家の本家・・・まあ、お祖父ちゃんの家で会う約束をしているので大丈夫だろう。
「そっか。まあ、お義父さんらしいな」
「落ち着きなくてすみません」
「いいさ。私の両親に比べたら可愛いもんだ」
「いえ、お義父さんとお義母さんの方がある意味まともだと思いますよ」
一般的に見たらうちの父親はなかなかクセが強いからね。まあ、俺と海斗のために必死で働いてくれてるし、ここまで育ててくれたことに感謝はしてるけど・・・それでも、他のご家庭に話すと渋い顔はされそうだという認識はある。
「それはないな。ああ見えて頑固親父とくせ者母だからな」
「お義母さんに関しては異論ないです」
お義父さんはそこまで頑固というイメージはないかな?どちらかといえば自分というものをしっかり持ってるイメージが強い。まあ、それを塗りつぶすほどのお義母さんの圧倒的な印象なのだが・・・それはそれかな。
「おにいちゃん、まま。はやくー」
「おう。今行くよ」
そう返事をして歩き出す先生。それもそれに続いて歩き出すが・・・それにしても、やっぱり山の上って標高のせいもあって寒く感じるなぁ。今千鶴ちゃん手袋外して雪に触れてたし後で赤くならないように気をつけないといけないと思いつつも、まあ、楽しそうにはしゃぐ千鶴ちゃんの姿を見てどこか安心している自分もいた。
スキー場なんて退屈にさせないか少し不安でもあったけど・・・この調子なら楽しんでくれそうで何よりだ。もう少し大きくなったら3人でスキーも楽しいかもしれない。まあ、その時には新しく家族増えてそうではあるけど・・・気のせいかな。




