312 すやすや
おねむ
「よいしょっと」
車で寝てしまった千鶴ちゃんを毛布に包んで部屋まで連れてくる。まあ、お風呂入ってご飯食べたら眠くなるし仕方ないよね。それにしても気持ちよく寝ていると思わず頬を撫でるとその手を握る千鶴ちゃん。
「うぅん・・・おにいちゃん・・・」
寝言でまで俺の名前を呟いてくれる千鶴ちゃんが本当に可愛くて思わず微笑んでいると反対の手を先生が握って言った。
「ちーちゃんばっかり狡いからな。こっちは私のだ」
「ええ、構いませんよ。でもこれじゃあしばらく動けませんね」
「どうせならこのまま寝るか?」
「それもいいですが・・・せめて戸締りの確認はさせてください」
まあ、大丈夫だとは思うけど一応確認したいのだ。特にうちには可愛い妻と娘がいるから尚更必要だと思うのだ。
「心配性だな」
「性格なので。お風呂では千鶴ちゃんのことありがとうございました」
「久しぶりの1人の風呂はどうだった?」
「実は友人が来てまして、1人ではなかったんですが・・・でも、やっぱり2人がいないから寂しくはありましたね」
ここ最近はずっと一緒に入っていたのでどうしてもそう感じてしまうのだ。
「友人って中条か?」
「いえ、斉藤です」
「あいつか。珍しいなこんなところに」
「俺もびっくりしました」
なんだかんだでサシで話すのは本当に久しぶりな気がした。雅人とは結構話してる気はするが・・・まあ、付き合い長いからそう感じるのかな?
「しかしそうか・・・やっぱり家族で行くのは個室の露天風呂があるところがいいな」
「それだと普通に旅館になりますね」
「だな。銭湯やスーパー銭湯も悪くないが・・・お前を1人にするのもあれだしな。次行く時までにせめてもう1人出来るといいな」
さらっと言うけど・・・それって、最低でも来年以降の話になりそうだなぁと思うのだった。まあ、結婚するからそういうことも当然そろそろ視野に入れるべきなのだろうが・・・いざ、言葉にすると色々想像してしまっていけない。
その想像からよく見てる先生の裸を連想してしまうが・・・うん、まあ、よく見てるっていうのもある意味おかしいけど、それよりも、どれだけ見てもやっぱりドキドキしてしまうのは仕方ないだろう。本当に好きな人の裸って自分でも驚くほどに色々理性が切れそうで怖いのだが・・・まあ、あと少し我慢しなければ。
そんな俺と先生のやり取りなど気にせずに俺の手を握りながらすやすや眠る千鶴ちゃんの存在が癒しだったのは言うまでもないだろう。




