311 風呂上がりの1杯
お風呂あがり
「おにいちゃーん!」
お風呂をあがってから、斉藤と別れて休憩所で場所取りをしていると、パジャマ姿の千鶴ちゃんが抱きついてきてきた。
「おっと・・・ちゃんと温まってきた?」
「うん!おっきいおふろたのしいね」
「そっか。それは良かった」
「でもね・・・こんどはおにいちゃんともはいりたいな」
そんなことを上目遣いで言う千鶴ちゃん。本当に将来的に小悪魔になりそうで恐ろしくはあるが、可愛らしい娘の姿に微笑んで言った。
「そうだね。次はもう少し人が少ない時間に来ようか」
「うん!」
「待たせたな健斗」
そうして先生も遅れて来たのでとりあえず俺は2人に聞いた。
「何か飲みます?買ってきますが・・・」
「ん、じゃあ私はコーヒー牛乳」
「わかりました。千鶴ちゃんはどうする?」
「ちーもおにいちゃんといっしょにいきたい」
「わかった。じゃあ一緒に行こうか。遥香さんはここで休んでてください」
そうして俺は千鶴ちゃんを連れて自動販売機まで行くと先生の分のコーヒー牛乳を買ってから千鶴ちゃんに聞いた。
「千鶴ちゃんどうする?」
「えっとね・・・これがいい」
そうして指さしたのはいちご牛乳。珍しいチョイスに驚きつつもお金を入れて購入する。
「おう、おかえり・・・って、ちーちゃんいちご牛乳買ったのか?」
「うん」
「珍しいな。あんまり好きじゃないだろ?」
そう、前に飲んであんまり好みにあわなかったようだったからこのチョイスに俺も先生も驚いているのだが・・・千鶴ちゃんはいちご牛乳を見つめてから言った。
「ちーね、ままみたいにおっきくなりたいの」
「それでか。まあ、牛乳よりは飲みやすいだろうしな」
「うん・・・」
そうして飲んでから少し顔を曇らせる千鶴ちゃん。まあ、仕方ないなと思いながら俺はついでに買ってた自分の分のお茶を差し出して言った。
「千鶴ちゃん。実は俺、いちご牛乳飲みたいんだけど・・・もし良かったら交換してくれないかな?ちなみにお茶でもちゃんと大きくなれるようにご飯作るから大丈夫だよ」
「・・・ほんとに?」
「うん。本当だよ」
少し悩んでからこくりと頷いてお茶を受け取ってくれた千鶴ちゃん。本当に優しい子だと思いながら久しぶりにいちご牛乳を飲むが・・・うん、やっぱり甘いなぁと思うのだった。飲めなくないけど俺も実はあんまり好きじゃないが・・・まあ、お茶を美味しそうに飲む可愛い娘の姿のためなら喜んで飲もう。
そんな俺の内心を読んだのか微笑む先生だった。まあ、やっぱり見抜かれてるよね。




