310.5 大きなお風呂で
「あわあわ、ふわふわ♪」
体感的には結構毎日のようにやってるはずなのに、ここ最近は健斗に任せることが増えた千鶴の髪を洗うという仕事を楽しくやる遥香。可愛い娘に構うのはやっぱり楽しいものだ。
「ほい、出来たっと。ちーちゃん、目しっかり瞑ってろよ」
「うん」
シャワーで洗い流していく。その間しっかりと目を瞑っていられた娘を褒めてから自分も軽く洗って2人で浅い浴槽に浸かると言った。
「気持ちいいなぁ・・・」
「あったかぁい・・・」
やっぱり広いお風呂というのはいいと思っていると千鶴はポツリと言った。
「おにいちゃんもいっしょだったらもっとたのしかったなぁ・・・」
「次は一緒だから安心しな」
「うん・・・あのね、まま」
「うん?なんだ?」
「ままはおにいちゃんのことすきなんだよね?」
その言葉に遥香は凄く驚いてから微笑んで言った。
「当たり前だ。大好きだよ」
「あのねあのね・・・ままはおにいちゃんがちーのぱぱになってくれたらうれしい?」
その言葉に遥香は驚く。確かに前に確認した時も悪くない反応ではあったが・・・こんな風に直接的な言葉をくれるとは思わずに遥香は聞いた。
「ちーちゃんにとって、それは嬉しいことなのか?」
「うん」
「なら、私だって嬉しいさ」
「そっか・・・わかった」
何かを決意する千鶴。その娘の姿に思わず微笑んでから遥香は千鶴の頭を撫でて言った。
「ちーちゃんは本当に可愛いな」
「そうかな?ままもかわいいよ」
「それは嬉しいな」
「おにいちゃんもままのことかわいいっていってたよ?」
不意打ち気味のそのセリフに驚く。
(本当にあいつは・・・)
思わずニヤけてしまいそうになる顔を抑えるので必死になる。確かに健斗から可愛いと言われたことは沢山あるが・・・それでも、こんな風な不意打ち気味の言葉には弱いのだ。
遥香自身あまり可愛いという言葉は似合わないとわかってはいるのだが・・・それでも、好きな人からそう言われると嬉しいというのは事実なのだ。
「まま、そとのおふろいこう」
「ああ、そうだな」
千鶴がいるのでサウナには入らずにいくつかの風呂を堪能するのだった。まあ、遥香自身そこまでサウナは好きではないので別にいいが・・・それでも、やっぱり最近は健斗も一緒なことが多いので健斗がいないのが寂しいとも感じたのだった。
まあ、久しぶりに1人の時間を満喫する健斗には悪いが・・・やはり一緒がいいと思ってしまうのだった。だからこそあがったら千鶴と一緒に存分に甘えようと決めつつ、娘のとの時間を満喫した。




