307 お風呂にお出かけ
お風呂
「おふろ、おふろ♪」
嬉しそうに後部座席で歌う千鶴ちゃん。それを微笑ましく見守ってから俺は言った。
「にしても、急にお風呂行くなんて言ってびっくりしましたよ」
「まあな。こう寒いと、たまに行きたくなるんだよ」
今向かっているのは少し遠くのスーパー銭湯。いつもより早く帰ってきた先生が、行きたいというので向かっている。まあ、俺もあんまり行ったことはないから少し楽しみでもあるけど・・・
「流石に千鶴ちゃんは女湯がいいですよね」
「まあ、そうなるな」
年齢的には男湯でも問題ないけど・・・このご時世ロリコンが千鶴ちゃんを狙わないとは限らないので、ここは確実に女湯の方がいいだろう。その分先生に千鶴ちゃんの世話を任せることになってしまうのは申し訳ないが・・・まあ、仕方ないだろう。
「ま、たまにはお前も1人でくつろげばいいさ」
「少し寂しいですけど・・・ありがとうございます」
なんというか、1人で入ると少し寂しいと感じてしまうようになってきてるのだ。最近は3人で入ったり、千鶴ちゃんと2人で入ったりが多いから、ますますそう感じるのだろう。
でも、向かっているのがスーパー銭湯ということは、そこそこ人がいる可能性が高いということ。しかも男湯は多分結構千鶴ちゃんの苦手な年上が多い可能性が高いから仕方ないことなのだ。
「なんならお前も女湯入るか?」
「いや、普通に捕まるんで」
「そうか?女装すればいけるだろ」
「服脱ぐのに女装もなにもないですよ」
だろうなと笑う先生。分かってて言ってるのだから思わず苦笑してしまう。
「風呂から上がったら飯もせっかくだし食べてくか」
「いいと思います」
たまにはこういう所で食べるのも悪くないだろうと思いそう言うと千鶴ちゃんが言った。
「きょう、おにいちゃんのごはんじゃないの?」
「えっとね、お風呂のある所にご飯食べられるところもあるから、そこで食べようかって話してたの」
「そっか・・・おにいちゃんのごはんじゃないんだ」
少ししゅんとする千鶴ちゃん。楽しみにしててくれたことが物凄く嬉しくなっていると先生は言った。
「まあ、今日だけだ。明日からはいつも通り作ってくれるんだよな?」
「ええ。もちろんです」
「そっかー。わかった」
えへへと笑う千鶴ちゃん。うん、ここまで俺の作るご飯に喜んでくれると心底嬉しいなぁ・・・明日からも頑張って2人のためにご飯を作ろうという活力にもなるし、本当に娘と嫁の力は凄いと思うのだった。とりあえず明日は千鶴ちゃんの大好物にするだろう。




