294 お礼とドヤ顔
(。・ω´・。)ドヤッ
「あ、おにいちゃん」
俺を見つけるといつも嬉しそうに駆け寄ってくる愛しい娘・・・千鶴は今日も可愛いです。はい。そんな風に抱っこすると隣でも百瀬さんとレナちゃんが似たようなやり取りをしていたので驚いてしまう。
百瀬さんもシスコンの気があるのだろうか・・・
「ち、ちずるちゃんのおにいさん!」
そんなことを思っていると、レナちゃんが唐突に話しかけてきた。なんだろ?そんな風に思ってとりあえずレナちゃんの目線まで千鶴ちゃんを抱っこしたまま屈むと両手を組んでからそっぽ向いてレナちゃんは言った。
「きのうはたすけられましたけど、かんちがいなさらないでください!わたしは『くいーん』のれな。あれくらいよゆうですわ!」
・・・えっと、これはどう受け取ればいいのやら。とりあえずなんとなく頭を撫でるとびっくりしたような表情を浮かべてから、なんだか心地よさそうに呟いた。
「ねぇさまといっしょ・・・」
「何が?」
「な、なんでもありませんわ!」
「れなちゃん。おにいちゃんのなでなでとってもきもちいいよね♪」
嬉しそうにそう聞く千鶴ちゃんにレナちゃんはちょっと迷ってから頷いていた。というか、反射的に撫でちゃったけど、悪いことしたかな?
「でもね、おにいちゃんはちーとままのものなので、れなちゃんにはあげられません」
「わ、わたくしにはねぇさまがいますからだいじょうぶですわ!」
「でもね、れなちゃんはちーのたいせつなおともだちだよ」
その言葉に顔を赤くしてからレナちゃんも頷いて言った。
「わ、わたくしも・・・ちずるちゃんはたいせつなおともだちですわ」
「やったー♪これからもなかよくしようね」
「も、もちろんですわ!」
微笑ましいやり取りに微笑んでいると、いつの間にか近づいていた百瀬さんがポツリと言った。
「先輩って、見た目より筋肉質なんですね」
「急になんだよ」
「いえ、千鶴ちゃん抱っこしたまま屈んで全く消耗してないのでびっくりです・・・あんなにあの時は細腕に見えたのに」
「あのとき?」
キョトンとする千鶴ちゃんに俺はなんでもないと言って誤魔化す・・・というか、さらりと千鶴ちゃんに女装ばらそうとするなとキッと視線を向けると百瀬さんはくすりと笑ってから言った。
「ふふ、これもダメなんて先輩は隠し事多いですねぇ」
「大切な人にはしてないからいいんだよ」
「ええ、そんなところも素敵ですね」
そう笑う百瀬さんを見ながら極力関わらないように頑張ろうと誓った。これ以上秘密を握られるのはよくないしね。




