292 教習所2
マニュアルむずい・・・
「ねぇ、雅人・・・マニュアルってあんなに難しいの?」
初めて乗ってみてわかったが、頭で想像してる風には動かせなかった。多分ある程度練習しないとダメだろう。
「そうか?俺はそこまでじゃなかったが」
・・・そうだよね。天才にこれは愚問だった。
「ま、確かに操作は面倒だが、慣れれば問題ないだろ。そもそも俺は卒業したらAT買うからここでだけ乗れれば問題ないしな」
「まあ、ほとんどの人はそうなんだろうね」
今の時代、MTは確かにカッコイイけど、実用向きなのはATだろう。仕事で使う以外は本当に趣味で乗る人がほとんどだろうしね。
「にしても、パンの自販機はありがたいな」
「まあ、学生多いだろうしねぇ」
飲み物の自販機以外にパンの自販機もあるので、ご飯用意し忘れても一応なんとかなるのだろう。まあ、学生の場合は夕飯までの繋ぎとかかな?
「仮免と本免は来年になってからになるか?」
「俺はそうなるね」
「んじゃ、俺もそうするか」
「雅人は別に早く実技まで終わらせてもいいんじゃない?」
俺は今年はあまり通えないし、1月から本格的にやることになるだろうが・・・雅人は別にそれに合わせなくても今年中に卒業検定まではいけるんじゃないかな?
まあ、それでも筆記は卒業式の後じゃないと取れないけどね。
「卒業まで暇だしな。どうせなら話し相手がいた方が色々楽だろ?」
「そりゃどうも」
まあ、こいつはこういう奴だしな。なんだかんだで歩幅を合わせてくる。それに助けられることも少なくないのが現実なのだ。
「そういえば、今朝は少し機嫌悪そうだったが、昨日なんかあったのか?」
「そう見えた?」
「ま、多少だがな」
多分昨日のことを思い出してしまった瞬間があったのだろうね。
「ちょっとね。うちの娘を泣かせた輩がいたからオコだったんだろうね」
「なるほどな。まあ、お前のことだから派手には怒ってなさそうだが・・・お前がキレると本気で怖いからな」
「キレたことなんてあったっけ?」
「だいぶ前だがな。薫がいじめられてた時に年上に対してめっちゃキレてたけど・・・笑顔で物凄い殺気出てたからやばかったな」
そんなことあったような、なかったような・・・
「今度薫にも聞いてみればいいだろうが・・・まあ、アイツはそのことでお前には絶対逆らわないって決めてたからな」
「なんかすまん」
というか、俺って別に怒ってもそんなに迫力なさそうだけどなぁ・・・そう思っているのだが、雅人が言うのだから多分傍目からはヤバいのだろうとため息をつくのだった。




