291 期末テスト2日目
2日目
「終わったぁー」
ぐっと思わず身体を伸ばしてしまう。2日目も悪くない調子なので多分大丈夫だろう。
「あぁ・・・終わったなぁ・・・」
「ごめん、多分吉崎とは意味が違うから」
なんで真っ白になってるんだよと思っていると、吉崎はため息混じりに言った。
「なあ、健斗はモテないよな」
「めっちゃ失礼だけど、そうだね」
「なのになんでそんなに人生楽しそうなんだ?」
そう言われてもなぁ・・・というか、なんでさっきからこんなにブルーなんだろう?
「まあ、やりたいことやってるからかな?」
「俺さ、バンドやればモテると思ったんだよ。今より派手でカッコイイかなって」
「もしかして別に変わらなくて落ち込んでるの?」
「ドラム地味だったのかなぁ・・・」
少なくとも女装してモテるよりずっとマシな気がするが・・・
「ていうか、モテるって本当に幸せなのかな?」
「当たり前だろ!男の夢だぜ!」
「うーん、俺はそうは思わないけど・・・というか、本当に好きな人にだけ想われてればそれで良くない?」
少なくとも俺は誰とも知らない他人からの好意より、先生や千鶴ちゃんからの好意が何より嬉しいしね。それに雅人というモテる権化が近くにいるとその苦労も何よりわかるし。
「優等生ぶりやがってよぅ・・・二股くらいで別れようとかおかしいだろ・・・」
「いや、十分まともだと思うよ。そもそもそんな不誠実な真似したらそりゃ別れたくなるよ」
色々残念な友人にため息をつく。というか、好きな人以外に女を作る神経が俺にはわからないが・・・遊び感覚なんだろうなぁ。
「雅人だってそのくらいしてるだろ?」
「アイツはそんなことしないよ。ちゃんと付き合って別れてから次に行くから」
まあ、そのペースが異常なんだけども・・・それでも、絶対に浮気や二股などはしないからこそ、イケメンなのだろう。
「はぁ・・・出会いが欲しい・・・」
「直球だね」
「お前もモテないから欲しいだろ?」
「いや、別に」
むしろ、先生と千鶴ちゃんを愛でるのに忙しいから余計な手間は増やしたくないというのが本音かな?
「健斗、そろそろ行くぞ」
「あ、うん。じゃあね吉崎」
雅人に呼ばれたので、項垂れる吉崎にそう言ってからその場を後にする。というか、こいつはテストもヤバいってのに余裕で女の話が出来るってある意味凄い大物になりそうだなぁと思う。
俺は早く終わらせて、やることやって2人のために時間をどう使うかで精一杯なんだよなぁ。むしろ、それ以外に思考を回したくないしね。




