悪女と罵られていますが、それは双子の姉の話なので痛くも痒くもありません!
「家が没落しちゃうと、生活できなくなるし」
対外的には存在しないことにされ、辺境の屋敷に軟禁されていた、侯爵家の娘、メアリ。
突然父から呼び出され、なにごとかと思えば、双子の姉の替玉として学舎へ入学することを命じられる。
この先の安寧のため、仕方なく替玉を引き受けたメアリだったが、姉はとんでもなく評判の悪い女で。
「必ず一緒にまた、ふたりで帰りましょう。あの、穏やかな場所へ」
敵ばかりの学舎で、味方は従者のジルひとり。
メアリは無事、学舎での生活を終えることが出来るのか。
「死にましょう、一緒に」
「それがあなたの望みであるならば、喜んで」
選ばれなかった少女が、選ばれた少女の人生を、肩代わりさせられるお話。
対外的には存在しないことにされ、辺境の屋敷に軟禁されていた、侯爵家の娘、メアリ。
突然父から呼び出され、なにごとかと思えば、双子の姉の替玉として学舎へ入学することを命じられる。
この先の安寧のため、仕方なく替玉を引き受けたメアリだったが、姉はとんでもなく評判の悪い女で。
「必ず一緒にまた、ふたりで帰りましょう。あの、穏やかな場所へ」
敵ばかりの学舎で、味方は従者のジルひとり。
メアリは無事、学舎での生活を終えることが出来るのか。
「死にましょう、一緒に」
「それがあなたの望みであるならば、喜んで」
選ばれなかった少女が、選ばれた少女の人生を、肩代わりさせられるお話。
十年振りに会う父は、記憶より随分と老けて見えた。
2024/04/27 07:00
双子、と言うものは、異質なもの、と言われていて。
2024/04/28 07:00
十年前に会ったはずの姉の姿を思い出そうとして、首を傾げる。
2024/04/28 08:00
願いも虚しく、学舎はロゼメアリを指名した。
2024/04/29 07:00
ジルさえいれば、私に怖いものはない。
2024/04/30 07:00
一方通行の恋にのぼせる、哀れな女の出来上がりだ。
2024/05/01 07:00
優しく閉じた辺境で、一生を終えていれば、きっと気付かずに済んだこと。
2024/05/02 07:00
そんな不粋な輩の手は、手酷く振り払ってやった。
2024/05/03 07:00
けれどエルフと同じくらい長生きする方法なんて、どの本にも書いてはいなかった。
2024/05/03 08:00
(改)
ジルの隣に、一秒でも長く
2024/05/04 07:00
根も葉もない法螺話だ。
2024/05/04 08:00
なんて用意が良いのだろうかと、思わず笑ってしまった。
2024/05/04 09:00
実験用のメスなら使えるけれど。
2024/05/05 07:00
わがままで自分勝手な私を、ジルが責めることはなかった。
2024/05/05 08:00
だから、指摘したことはなかったのに。
2024/05/06 07:00
誰よりも美しく、賢いそのひとは。
2024/05/06 08:00
(改)
それが私の、洗礼の記憶。
2024/05/06 09:00
そして見付かりはしなかった。
2024/05/07 07:00
例えば百年にひとりしか生まれないような存在だとしたら。
2024/05/08 07:00
突然飛び出した自分の名前に、不意を突かれてぽかんと間抜けな顔をした。
2024/05/09 07:00
(改)
名高い悪女も結局は、その程度の存在だった
2024/05/10 07:00
毒を煽って、苦しんで、死んだ。
2024/05/11 07:00