第八十九話『無理難題が待っていたのにゃん』
第八十九話『無理難題が待っていたのにゃん』
すたすたすた。
「ふぅ。にゃんとか戻ってこれたのにゃん。
霧の都も大変にゃったにゃあ。
ぷよぷよ水で造られた超巨大ネコ像がどういうわけか、
暴れ出したのにゃもん。
しかもにゃ。
移動範囲がミストにゃんのように作業場や展示場のみばかりか、
霧の妖精の棲み家まで及ぶとあってはにゃ。
ミストにゃんが分別を失くしてウチを連れていったのも、
無理からにゅことにゃったのにゃん。
……にしてもにゃ。あれはどうしてああにゃったのにゃん?」
「にゃあ、ミストにゃん」
「なにかしら?」
「にゃんでウチが、
あの巨ネコの進路先に立たねばにゃらにゃいのにゃん?」
「しょうがないのよ。『ポンポロリン』ったら」
「ちょっと待つのにゃん。その『ポンポロリン』ってにゃんにゃの?」
「だから、あの巨ネコよ」
「にゃんで、『ポンポロリン』にゃの?」
「どうしてだったかしら......そうそう。
いつかレミロのところに行った時に、そんな感じの音が鳴っていたの。
だからだわ」
「にゃら、特に意味はにゃいと?」
「そうね。まっ。強いていえば、
『どうしようもない相手にぴったりのネーミングだから』じゃないかしら」
「そういえば、さっきも、しょうがにゃい、とかいってたにゃ。
一体どうして、どうしようもにゃいのにゃん?」
「前にも話したとは思うけど、
ここの建造物や彫像って元をただせば、ぜぇんぶ『ぷよぷよ水』なの」
「うんにゃ。ウチも覚えているのにゃん」
「でもって、わたしは『溶解水』という霧になれるわ」
「それもウチ自身が浴びたから、良ぉく知っているのにゃん」
「狭界での一件ね。
あれはわたし自身の意志でやったことじゃないわ」
「まっ。それはそうにゃん」
「と納得してくれたところで話を戻すけどね。
溶解水の力をもってすれば、
どんなにでっかい『ぷよぷよ水製品』であろうと、
崩壊の一途を辿るはずよ。
なのにどうしたことか、アレに関してはダメ。
何度やっても、ぴんぴん、しているわ。
壊れる気配が一切生じないの。
これを『しょうがない』『どうしようもない』といわずして、
なにをそういえ、っていうのかしら?
ねぇ、ミアン。判るでしょ?
わたしという『破壊神』の、誰にもいえない苦悩が」
「いんにゃ。さぁっぱりのぱり、にゃのにゃん」
「それじゃあ、こっちが困るのよ。
なもんで、判った、ということにして話を進めるわね」
「あんたにゃあ」
「わたしの攻撃がどうにもならない。
『どうすればいいのかしら?』『困ったわぁ』と途方に暮れていた矢先、
あの言葉が頭をよぎったのよ」
『困った時はお互いさまにゃん』
「ふにゃっ。ええと……それってひょっとしたら」
「そう。ミアン、あなたよ。
この言葉に勇気づけられたの。希望の光が、ぱぁっ、と射し込んできたのよ」
「とぉんでもにゃいとこに射し込んでしまったもんにゃ」
「今の現状を打破するには、元の平和な霧の都を取り戻すには、
あの救世主さまにおすがりするしか道はない。
そう思って、丁重にここにお連れしたってわけ。
どおぉ? ミアン。
ミーナのセリフじゃないけど、全ての真実がつまびらかにされたでしょ?」
「にゃにが真実にゃん。
ウチはにゃ。水玉に閉じ込められ、ごろごろ転がされにゃがら、
ここまで拉致されたのにゃん。これのどこが丁重にゃのにゃん?」
「ミアン。全ての物事を悪いほうばかりに考えるのもどうかと思うの。
見方をちょっと変えただけで、
『素敵な夢の世界へ、神秘なる方法で連れていってもらえた』
なぁんてファンタジーな気分になるんじゃないかしら」
「ほぉ。にゃら聴くのにゃけれども、あんたはどうにゃん?」
「わたし?」
「もしにゃ。ミストにゃん自身がウチの立場にゃったら、
ファンタジーにゃ気分とやらに浸れるのにゃん?」
「無理ね。わたしはそこまでアホじゃないもの」
「ウチは自他ともに認めるアホにゃん。
にゃあるほど、この点に関しては納得したのにゃん」
「この点? まだ理解しがたいことでも?」
「最初にいったじゃにゃい。
にゃんでウチが、
『ポンポロリン』の行く手を阻まねばにゃらにゃいのにゃん?」
「だから救世主」
「ウチは化けネコにゃん。
勝手に救世主にゃんぞにされても迷惑……ふにゃっ!
き、来てしまったのにゃん!」
《ウチの運命はいかに。またもや『はらはらどきどき』でつづくのにゃん》




