第四十八話『琥珀を手に入れるのにゃん』
第四十八話『琥珀を手に入れるのにゃん』
ひらひらひら。
「どうにゃん? ウチの乗り心地は」
「らっくらくなのわん。ミアンの空飛ぶ絨毯は」
「乗っていればいいだけだものね。らくちんよ」
「ふたりに満足してもらってにゃによりにゃん。
おっ。ミーにゃん。アレじゃにゃいの?」
「そうそう。アレなのわん」
「ミアン、もっともぉっと近づいてぇ。
……ほらほら。この枝の根元わん。
ぽっかりと穴が空いているでしょ?
あそこに、花の妖精を閉じ込めた琥珀が張りついているのわん」
「にゃあ、イオラにゃん。生きていると思うのにゃん?」
「どうかしら? 琥珀を溶かしてからじゃないと、なんともいえないわね」
「熱を使うのにゃん?」
「まさか。霊気でちゃんと溶かせるわ。
妖精の霊体を傷つけずに取り出すつもりなら、この方法が一番なの」
「さぁミアン、イオラ。枝に下りるわん」
「ちょっと待つのにゃ。
にゃあ、ミーにゃん。
ぶっとくて丈夫そうにゃ枝ではあるものの、所詮、枝は枝にゃ。
折れにゃいともかぎらにゃい。にゃもんでウチとしては、
『地面から本幹を登ってあそこまで行く』
という方法を採りたいのにゃけれども。ダメにゃの?」
「それがそうもいかないのわん」
「にゃんで?」
「本幹に不自然な強さの霊力波をちょっぉっとでも感知するとね。
あぁら不思議。たちまちあの穴を閉じちゃうのわん。
とまぁそんなこんなで、なぁんかやたらと敏感な樹木なのわん」
「照れ屋さんにゃの?」
「そこは、『守っている』って解釈したほうがいいじゃないかしら。
ミアンちゃん」
「イオラにゃんがウチを守ってくれるように?」
「そうね」
「ミーにゃんがウチを守ってくれるように?」
「そうね。……って、あれっ? 逆じゃなかったの?
アタシを守ってくれているんじゃなかったっけ?」
「にゃにいってんのにゃ。ツッコミでウチを蹴り飛ばせるご仁が。
にゃっはっはっはっ」
「そうそう。なに世迷い言をいっているのかしら。
ほっほっほっほっ。」
「それもそうわん。
きゃっはっはっはっ…………ぐすん。。
どうしてかなぁ。笑える自分が悲しくなってきたのわん」
ぱたっ。べたっ。
「ミアンちゃぁん、ふたりとも下りたわよぉ」
「にゃら、ウチも」
ぱっ。くるくるっ、ぽとん。
「ふぅ。にゃんとか三にんとも枝に乗っかれたのにゃん」
「それはそうなんだけどぉ。
ねぇ、イオラ。なんで今日はヘビなのわん?」
「そうねぇ。這いたい気分だったから、ってとこかしら」
「さぁっぱり判らないのわん」
「じゃあ、まずはアタシから行くわん」
ぱたぱたぱた…………ぱたっ。
「ほら。翅を使えば余裕で到着なのわん」
「にゃら、ウチもにゃ。抜き足、差し足、忍び足、とにゃん」
のっしのっしのっし…………ぴたっ。
「ウチも楽勝にゃん」
「なぁんか、抜き足、とかいっている割には、
おんもぉい足取りだったようなぁ。
まぁいいわん。穴も閉じなかったしね」
「ならば、いよいよ、殿のワタシが」
しゅるしゅるしゅる…………。
「あれえっ!」
ひゅうぅっ…………がさっ。
「ありゃりゃっ。
ミアン、今の見たわん?」
「くねくねと這っているから難しいのにゃろうにゃあ。
にゃんとも自然にゃ滑り墜ちをしてしまったのにゃん」
「ねぇ。今の、十点満点だとどれくらいだと思うわん?」
「そうにゃにゃあ。十点満点……は、ちと難しいかもにゃあ。
さしづめ、八点ぐらいにしておくのにゃん」
「おっ。なかなか渋い点数できたのわん。
だったら、アタシはぁ……。
よぉし。思い切って、ずばり、零点!」
「きつすぎにゃん」
「といいたいところだけど、アタシの創造主さまだからね。
ここはアマアマに、四点なのわん」
「これまた渋いのにゃん。して厳しい採点の理由は?」
「最初っから落ちるつもりで、あれほどの自然な落ち方をしたっていうなら、
芸術点も加味して、十点満点でも差し支えないのわん。
でもねぇ。そうじゃないでしょ?
向こうまで行こうとして、それで失敗したんじゃない。
採点どころか、当たり前に考えれば、失格よ。
なもんで、四点でもアマアマとなるのわん」
「にゃあるほどぉ。ごもっともにゃご意見にゃん。
どうにゃ? ミーにゃん。
ほかには採点者にゃんて居にゃいのにゃし、
ここは一つ、ふたりの間をとって六点とするっていうのは?」
「うん。それが」
「良くないわ! 絶対に!」
「おや? イオラにゃん、いつの間に」
「奈落の底から這い上がってきたのわん?」
《イオラにゃんの奮闘に免じて、つづくのにゃん》




