第三十四話『三話連続話のエピソートにゃん』
第三十四話『三話連続話のエピソートにゃん』
「早く歯の欠けたところを治してもらわにゃいとにゃ。
にゃんせウチの美貌にかかわることにゃし」
「美貌ねぇ。ふふっ。
じゃあミアンは、イオラのところへ戻ろうとしていたんだ」
「うんにゃ。『リフレッシュ』で元に戻せるのにゃけれども、
あれは全身が対象にゃもんでにゃ。
いっとき、とはいえ、霊力が著しく奪われるのにゃん。
こう、身体が、がっくり、ときてにゃ。喋るのもままにゃらにゃいくらい。
出来ればにゃ。ああいうのは避けたいのにゃよ」
「うん。判る判る。アタシも経験があるから」
イオラにゃんからも、
『ちょこっとだけの「お治し」なら、ワタシがやってあげるわ』
にゃんて言葉をかけられていたもんでにゃ。
今までも少しばっかの傷とケガにゃら、
迷わずイオラにゃんに治してもらっていたのにゃん」
「実をいうとね。アタシもなのわん。
今だってミアンと同じよ。帰る途中だったの」
「ミーにゃんも?」
「ほら、見て」
ぱちっ。
「にゃんと! 左目が真っ黒にゃん!」
「どおぉ? 驚いたでしょ?」
「驚いたことは驚いたのにゃけれども……。
本当のことをいうとにゃ。『おかしいにゃあ』とは思っていたのにゃん。
にゃんせ会ってから今まで ずうっ、と左目にゃけ瞑っていたからにゃあ」
「あっ、なるほどね。いわれてみれば確かに」
「でもにゃんで、そんにゃ風に?」
「とんだ災難、ってところかなぁ。
突風に煽られて飛んできた小枝の一片がね。アタシの目を、ずぼっ、と貫いたのわん」
「にゃんと!」
「いきなりのことだから、飛ぶこともままならなくなったわん。
でもって、身体がくるくると回って回った挙句が、穴の中へ、ずぼっ!」
「墜ちてしまったのにゃん」
「うん。でもね。それからがまた大変だったの。
土壁に埋まっている石を頼りに登り始めたんだけどさ。
これがなかなかどうして。手ごわい相手なのわん。
『滑って墜ちてはまた登って』の繰り返しでね。
良ぉく諦めなかったと自分を褒めてあげたいくらいよ。
そうやって悪戦苦闘の末、やっとのことで地上に顔を出してみたら……、
思わず泣きそうにになったわん。だって、だってミアンの姿が目に映ったんだもん」
「ミーにゃん、エラかったにゃあ。本当にエラかったと思うのにゃん」
「無我夢中だったのわん。ぐすん」
「おぉ、よし、よし、にゃん」
「幼児の頃って自然放出される霊波が強いんにゃと。
にゃもんで、物的被害を被るのもにゃ、
実体波を纏っているウチとたいして変わらにゃいのにゃそうにゃ」
「うん。それはアタシも知っている。ううん、知っていると思っていたのわん。
でもね。それは結局、頭の中での話にすぎなかったの。
実際に体験して初めてその大変さを身にかみしめたのわん。
被害に遭った者の苦悩やつらさを本当の意味で理解したのわん」
「にゃんとも可哀そうににゃあ。
ミーにゃんがそんにゃ災難に遭っていたとは夢にも……ふにゃっ。あれは!」
「なっ、なんなの一体。
イオラの木から、ずうっ、と並んでいるのわん!」
「こんにゃに早く戻ってきたことにゃんて一度もにゃかったからかにゃあ。
初めて見る光景にゃん」
「アタシだって」
「にゃあ、ミーにゃん。取り敢えずは、どうして並んでいるのか聴いてみたら?」
「ふふっ。そうね。
迷探偵ミーナの初出陣。
真実をつまびらかにするのわん!」
とんとん。
くるっ。
「おや、なにか用かい?」
「ええとぉ。
ねぇ。良かったら、どうして並んでいるのか教えてくれない?」
「私?
いやなに。ささいな病でも治してくれるって聴いたもんだから」
「あれにゃっ。ウチとおんにゃじにゃん」
「アタシとも」
「にゃら、ぶっしつけで恐縮にゃのにゃけれども、
一体全体どんにゃ病にゃのにゃん?」
「私は頭が悪くてねぇ」
「あたいは尻が重くてさ」
「あっしは鼻がもうかゆくてかゆくて」
くるっ。
「ねぇ、ミアン。これって本当に病なのわん?」
くるっ、
「微妙すぎてにゃんともいえにゃいにゃあ。
ウチにいえることはたにゃ一つ。
こんにゃのも相手にしにゃいといけにゃいイオラにゃんの苦労が偲ばれるのにゃん」
「守護神ゆえに、なのかもしれないけどね。
あのイオラが良くぞ我慢しているのわん。なんか見直したのわん」
『もう誰でもいいから助けてぇ!』
「ねぇ、ミアン。とにもかくにも、行列の真実をつまびらかにしたんだからさぁ。
迷探偵の面目躍如、って認めてくれるわん?」
「ミーにゃん。イオラにゃんの悲鳴が聞こえてくるのにゃん」
「事件性はなさそうだから、アタシの出る幕じゃないわん」
「……にしても事件性とはにゃあ。
はぁう」
「ミアンったら、どうしたのわん? 深いため息なんかついちゃって」
「ミーにゃん。あんたいつまで『迷』の字がつくキャラを続けるつもりにゃん?」
「へっ? ひょっとして……、
もうあきたわん!」
「ネコにゃもんでにゃ」




