第三十三話『天才迷探偵。その名はミーにゃん』
第三十三話『天才迷探偵。その名はミーにゃん』
「たとえ話はともかくにゃ。
歯が欠けたのは実際に起きた出来事の結果にゃんよ」
「そりゃそうよね。事実そうなっているんだし。
……ははぁん。なんとなく読めてきたわぁん。
みえないものがみえてきたのわぁん」
「にゃにゃを?」
「事の真相よ。
あれでしょ?
果物園で枝を揺さぶって、ミアンが大好物の木の実をたくさん落としたのよね?
でもって、これくらいあれば十分、ってところで終了。
あとは地面に戻って収穫の木の実にぱくつき始めた。
ところが。
夢中になったあまり、小石まで口に含んじゃってぇ、
そうとも知らずに、勢い良く歯と歯をかみ合わせちゃってぇ、
とどのつまりがぁ……がぎっ!
気がついたら数本欠けてしまったあとだった。
とまぁこんな風に推理してみたんだけどぉ。
どおぉ? 違うわん?」
「すっごいにゃあ。ずばりにゃ。名探偵ににゃれる素質大にゃん」
「ふふぅん。全てお見通しなのわん……なぁんちゃって。
ミアンがいつもやっていることじゃない。
今まで起きなかったのは運が良かったからにすぎないのわん」
「かもしれにゃいにゃあ。……ああでもぉ。
『今まで起きにゃかったから、今後も起きにゃい』
と考えるのは誰しもおんにゃじと思うのにゃけれども?」
「そういえばそうかも」
「ウチは『その他大勢的にゃ考え』しか持ち合わせていにゃかった。
にゃのにミーにゃんは違ったのにゃん。
つまらにゅ偏見や根拠のにゃい道理に振り回されることにゃく、
鋭い洞察眼にて、現在から過去を看破したのにゃ」
「これまた、そういえばそうかも。ううん。そうに違いないのわん」
「まさに天才にゃん。
天才迷探偵ミーにゃんの誕生にゃあ!」
「ちょっと待ってよ。アタシは『名探偵』でしょ?」
「今の時点で、そうまでいっちゃうとにゃあ。ウチとしても責任が取れにゃいのにゃん。
にゃんせ、古今東西、ありとあらゆるところに凄腕のご仁がいらっしゃるもんでにゃ。
もっともぉ、ミーにゃんが自ら、
これらお歴々の方々ともタメを張れる、って断言してくれるのにゃらば、
ウチとしても大々的に公言するにやぶさかではにゃいのにゃけれども」
「ミアン」
「にゃんにゃ?」
「素直に前言を撤回するわん。アタシは『迷探偵』なのわん」
「さすがにゃん。
その現実を直視出来る素直さがミーにゃんの魅力の一つでもあるのにゃろうにゃあ。
経験を積み重ねれば、『名探偵』と呼ばれる日がくるのも決して夢じゃにゃい」
「そこまでやるかなぁ。はなはだ疑問なのわん」
「まぁいいじゃにゃいの。
にゃったらにゃったで良し。にゃらにゃかったらにゃらにゃかったで良し、にゃん」
「全ては自由気ままなアタシの胸三寸ってとこね。うん。アタシらしくていいわん」
「にゃら、あらためて。
天才迷探偵ミーにゃんの誕生にゃあ!」
『ばんにゃあい! ばんにゃあい!』
「ミーにゃん。ここは決めゼリフにゃ。しっかりと頼むにゃん」
「ふふぅん。任せておくわん」
「にゃら、どうぞにゃん」
『アタシは迷探偵ミーナ。
隠された真実をつまびらかにするのわん!』
《三話連続話もこれにて打ちどめ。おつき合いくださいまして心より感謝するのにゃん》




