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しかし、MPが足りない。~ 記憶持ちのリグノ君の地獄ハーレム ~  作者: 土家右玉
青髪の少女

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9/23

ステータス

「興味ない。」

青髪少女がきっぱりとそういった。


「そこを何とか。」


「しつこい。」

食い気味に返事が来る。


取り付く島もない。ロッド達に感化されてやる気を出した俺が、いっそ、後ろの少女をパーティに誘うか?と思い立ち、声を掛けた結果がこれである。うん、まぁ知ってたけど。


心の中で"はぁ"とため息を吐く。仕方ない、今日も今日とて一人でダンジョンに潜るか。


「なんで嘘をついたの?」

がっくりする俺に彼女(ヴィア)が逆に問いかけてきた。青い瞳が俺を批判する様に見ている。


「?」


「なんで嘘をついたの?」

再度問いかけてくる。襲撃の後始末のことを言っているのか。ヴィアも俺の嘘に怒っている一人なのかもしれない。


「あれは俺なりにソムセスを助けようと・・・」


「そっちじゃない。」

俺が言い訳しようとすると彼女が遮(さえぎ)って言った。


『そっちじゃない?』

襲撃の時の話じゃないという事か?でもそれ以外でヴィアの前で嘘なんて吐いたことは無い。そもそも話すのだってこれで2回目の筈(はず)だ。


「・・・・・・・」


「初めて会った時、魔法使い見習い(・・・)だって言ってた。」


「言ったな。」

確か、初対面の時そんなを話した。でもそれが嘘?


「無詠唱でファイアの魔法撃った。」


「ああ、なるほど」

ようやく、彼女が何を言いたかったのか理解した。俺が撃ったのは最下級魔法の“プチファイア”だ。ただ、知力が高いせいで無詠唱でかつ、威力も本来より強く出る。


そのせいで、彼女は一つ上の“ファイア”を撃ったと勘違いしたのだろう。で、ファイアを使えるなら、魔法使い見習い(・・・)ではない、と。


「もっと楽に凌(しの)げたはず。」

ファイアを連発出来るなら。四人も死ななくて済んだ、暗にそう言いたいのだろう。口調には非難が混じっている。


「・・・」

誤解を解くのは簡単だ。貧弱ステータスの冒険者カードを見せればいい。


「・・・」

沈黙が続く。ヴィアは冷たくこちらを見ている。力はあるがどこか弱い瞳。前世の記憶が頭をよぎり、脳を焼く。


「・・・」


「・・・」


「確認してくれ。」

沈黙に耐えきれなくなった俺は、冒険者カードをヴィアの前へ出した。

疑われたままでも構わない。そういのは、慣れている。けれど、あの“眼”だけはダメだ。


ヴィアは一瞬びっくりした様子だった。まぁ、パーティを組む人間か、よほど信頼した人間しか見せないからな。手を伸ばし、俺の冒険者カードを手に取る。


/////////////////////////////////////////////

リグノ(16) 男


レベル:10


魔力:3/3

ちから:25

かしこさ:9999

きようさ :42


- 魔法 214 -

/////////////////////////////////////////////


「わかったか、俺は魔力量(MP)が低いから魔法を一発しか撃てない。撃ったのも”ファイア"じゃなく、"プチファイア"だ。」

まあ、誤解が解けたところで、別に何かが変わるわけじゃない。そう思いながら、俺はカードを返してもらおうと手を伸ばした。


「まって・・・」


「?」


「魔法・・使える魔法欄見ていい?」

勘違いはもう解けたはずなんだけど、ヴィアは、なぜか別のところへ興味を移してしまったようだ。


「そこまで見る必要は無いだろう。」

釘をさす。"魔法欄"とは冒険者カードの"- 魔法 214 -"の部分をタップする事により覚えた魔法(・・・・・)が表示される画面の事である(214は覚えた魔法の数)。スマホの画面遷移と同じだな。ステータスと同様、使える魔法もプライベートな情報だ。


「ん・・・・」

ヴィアが、そっと自分の冒険者カードを俺の前へ差し出した。その仕草だけで、何を求めているのか分かる。


自分のカードを見せるから、交換条件として“魔法欄”を見せろ、と。


興味はある。俺が知っているステータスなんて、前のパーティで一緒だったエイデンたちのものくらいだ。イビルコング三体を相手に、あの大立ち回りをやってのけたヴィアのステータスが、どれほどのものなのかは、是非 知りたい。


「わかった。」

俺は少し考えた後、頷(うなづ)いて、代わりにヴィアのカードを受け取る。まぁ、見られて困るような魔法は覚えていない。それに俺の場合は殆(ほとん)どが、MP不足で唱える事が出来ないので意味もない。


/////////////////////////////////////////////

ヴィア(17) 女


レベル:29


魔力:18/25

ちから:178

かしこさ:52

きようさ:125


- 魔法 4 -

- スキル 1 -

/////////////////////////////////////////////


うわっ、凄ぇえ。は?レベル29?この年齢で?それに剣士なのに魔法も使えるタイプか、ちからも戦士職であったエイデンよりも上、それにスキルもある。いるんだな神に愛されし人間というのは・・・。


一方彼女は、俺のカードの魔法欄を見ながら1ページずつ確認しているようだ。俺が使える魔法は"214"だから、ページ数は"22"ある。確認するだけでも結構大変である。


やがて、確認が終わったのか、視線を上げる。そして、はぁ、とため息を尽きながらカードを返された。微妙にいや、かなり失礼だな。


無能扱いされたみたいでショックだ。その通りなのだが。


「何かの魔法を使える人間をを探しているのか?」

初対面の時も魔法使いかどうか聞かれた。


「ごめんなさい。」


「へ?」


「疑(うたが)った事。」


「ああ」

会話嚙み合わないな。答えたくないから事だからはぐらかしたのだろうか。


俺も黙ってカードを彼女に返す。確かにパーティを組むのは無理だな。実力が違う者同士が組む事はあるにはあるが、ヴィア側が俺とパーティを組む利点はないだろう。

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