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七度転生した大賢者、今世では剣士として無双します 〜魔法全盛の世界で剣を選んだ理由〜  作者: ねむのき 圓
9章 入学式と他種族

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種族の壁・・・異種族の絆

「なんでアイツらと仲良くしてんのよ!」

負けの『対価』として掃除を命じられたはずのジュリアスたち。彼らに他種族たちが屈託なく笑いかける光景が、セレスティアにはどうしても我慢ならなかった。


「我々は常に虐げられてきた。だが……復讐のために剣を振るう段階は、もう過ぎたのさ」

鋭い爪を見ながらリザードマンのザルガが言う。長年、見た目だけで化け物扱いされてきた彼らの言葉には、逃れられない重みがあった。


「エルフも昔は、全種族に牙を向く傲慢な連中じゃったがな?」

バルカスが豪快に笑い飛ばすと、

「なによ、昔の話でしょ!」

セレスティアがぷくーっと頬を膨らませる。


――今は他種族チームの勝利の宴だ。

「ルーシュ、お前……一体何者なんだ?」

ロロ、アーサー、ヴィニーの三人が、目の前の「怪物」をまじまじと見つめる。


「何って……俺は賢者だぞ。この世界を何年生きてると思ってんだ」

俺があっけらかんと答えると、ヴィニーが慌てて俺の口を塞がんばかりに身を乗り出してきた。

「ちょっ、ルーシュさん! 声が大きいですって!」


「……1500年も音沙汰がなかったからな。死んだものとばかり思っていた」

エルフィが静かに、だが確信を持って告げると、ロロが驚愕に目を見開く。

「ん!? お前たち、こいつの正体を知っているのか?」


「私たちエルフにとって、1500年なんてのは少し長生きした先祖の昔話程度よ。賢者ルーシュ……その名は今でも、お伽話じゃなく『現役の情報』なんだから」

セレスティアが誇らしげに胸を張る。


「何歳なんだ、お前……」

ロロの素朴な問いに、

「レディーに年齢を聞くなんて、人間の王子様は無作法ね」

セレスティアがふんっとそっぽを向く。


「人間で言う100歳程度だ」

横からエルフィが淡々と暴露し、

「兄様!!」

妹の鋭い抑制が飛ぶ。


「……寿命も成長速度も人間とは違う。100歳だろうが、エルフの基準じゃまだ酒も飲めん子供なんだとさ」

ドワーフのバルカスが、自慢の頑強な喉を鳴らして酒を煽る。


「リザードは少し長いぞ。150年ぐらいは生きる」

ザルガが静かに告げると、アーサーが感心したように頷いた。

「それは文化も住む地域もバラバラになりますね。実際にドワーフは寒さも暑さもほとんど影響ないって聞いてますが、どうなんですか?」


「そうだ。だから雪山や火山洞窟、我々は住める範囲が広い。ドワーフに鍛冶師が多いのは、その環境が武器作りに適しているからだ」

バルカスが誇らしげに説明する。


「リザードの特徴は・・・?」


こんな風にお互いの情報を交換していくメンバーたち。

次第に雑談が笑い話に、笑い話が友情へと変わっていく。


「こんな間近で話すこと無いもんな。これから学園のみんなに同じ質問されるぞ」

ロロが笑いながら言うと、


「めんどくさぁ。説明文でも廊下に貼っておこうかしら」

セレスティアも、ようやく少しだけ笑みを見せた。


今夜、種族の垣根を超えて交わされた情報はこうだ。


エルフ:人間が魔力で進化した姿。600年の寿命を持ち、容姿端麗。だが、少し計算に弱い。

ドワーフ:霊長類が魔力で進化。黒い肌、肉体が魔力を吸収するため肉弾戦派。過酷な環境にも耐える。

リザード:爬虫類が魔力で進化。寿命150年。全身を硬い鱗で覆い、爪の形質を変化させる。

人間:見た目は変わらぬが、魔力感知と術式による魔力への干渉に優れ、魔法を操ることに特化した。

魔族・魔物:負の魔力による進化。攻撃的で、魔族が魔物を従えることが多い。


「俺が生まれる前から存在している種族たち。出自の謎は解明されてはいないが、魔力が干渉したことで他種族が生まれたと言い伝えられている。……魔族がみんなと同じように仲良くできれば争いはグッと減るんだがな。そうもいかない……それが、俺が3000年戦い続けている理由だ」


俺が少し俯いて呟くと、宴の席に少しだけ静寂が訪れた。


「しかし、ルーシュが街に来たときは驚いたな」

その静寂を破り、エルフィが楽しそうに切り出した。


「ほんとよ。人間がノコノコやってきて『王を出せ』なんて。全く生意気な人間なんだから」

セレスティアもそれに続く。


「悪かったよ。久しぶりで、つい『いつもの調子』を出してしまったんだ」

俺は昔を振り返り、素直に反省する。


「エルフのとこに行った話ししてくれよ。ドワーフのとこのもさ」

ザルガが身を乗り出し言う。


「ならリザードのとこに行ったときもだな」

バルカスもニヤリと笑う。


「そもそも行った理由は何なんだよ、全部話せよこの野郎」

ロロもこの謎に興味津々で俺に詰め寄ってくる。


「……仕方ない、ネタバレでもするか」

俺はニッと笑い、皆を見渡した。


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