入学式・・・クリスタルシージ
入学式当日。
合格発表は魔法便で早々と行き渡っていたが、今年は人数が多いこともあり、ランキング100位までが当日掲示された。
その掲示板の傍らには、最高顧問アリゾナの名でこう記されている。
『順位が低いからと言って落ち込むことはない。君たちは2000人以上から選ばれた猛者だ。ヴァイオレット王国が誇る世界一の生徒であると自負し、日々精進することを願う』
「なぜだぁ!!」
賑わう校庭に、一瞬で空気を凍りつかせるほどの怒号が響き渡った。
「誰だ、こんなふざけた採点をしたのは!」
怒号の主は、ジュリアス。
掲示板のトップには、信じがたい順位が並んでいた。
1位:エルフィ
2位:バルカス
3位:ザルガ
4位:ジュリアス
上位三位を**他種族**が独占。さらに50位以内にも、各種族から選りすぐりの**他種族**たちが15人全員ランクインするという、圧倒的な「格の違い」を見せつけていた。
「何だこの舐め腐った順位は! どこの**ゴミ**がつけたものだ!」
「なにか騒がしいですね」
そこに現れたのは、最高顧問アリゾナだった。
「これは正気か、アリゾナァ!」
父親の権力を背景に、ジュリアスは食ってかかる。
「私どもがつけた成績が不服ですか?」
目を細め、静かに圧をかけるアリゾナに対し、ジュリアスはさらに口を滑らせた。
「そんな態度が良く取れるな、この前衛職のゴミめ!」
「……納得せずとも事実だ。身をわきまえろ」
アリゾナは冷たく言い捨て、その場を去る。
校庭に残されたジュリアスに、周囲から嘲笑が漏れ始めた。
「だっさ」「子供かよ」「親の権力かじりが……」
「今言ったのは誰だ! 全員消し炭にするぞ!」
ジュリアスの魔力が全身から逆巻き、空気がビリビリと震える。
「……火に油かもしれないが、そこまでにしておけ」
声をかけたのは、1位に名を連ねたエルフの少年、エルフィだった。
「**亜人**が喋る権利なんてあると思うなよ」
ジュリアスの魔力が頂点に達する。
「順位なんてものはただの評価だ。戦場で結果を残す……私たちはそうやって生きてきた。かつての英雄、ガル様もそうだったのではないのか?」
エルフィのその言葉が、ジュリアスの逆鱗に触れた。
「お前ごときが、英雄を語るな」
ピキッ、と空間が鳴った。
視界が真っ白に染まる。ジュリアスの得意とする上級雷魔法『雷鎚』。
しかも詠唱破棄。精度を犠牲にしても、対象を即座に焼き尽くす速度優先の一撃。
パチンッ。
真っ白な閃光の中、乾いた指の音が響いた。
いつの間にか、剣を携えた俺が二人の間に立っていた。
「……何をした?」
ジュリアスが呆然と呟く。放たれたはずの雷光は、跡形もなく消えていた。
「斬った」
俺はそれだけ言い、エルフィに歩み寄る。
「上級魔法を斬った?」「剣士だぞあの人……」
ざわめきが校庭を支配する。
「すいません、助かりました」
「悪い、邪魔したか? ……防げてたな」
「いえ、防御魔法は間に合っていましたが、飛散した際の影響を考えれば……」
「何をごちゃごちゃ言ってんだ!」
収まらないジュリアスの前に、今度はスザクが割って入った。
「そこまでだ、ジュリアス」
「……何だ、後衛の面汚し、スザクじゃねぇか。前衛に負けたっていう噂は本当だったらしいな」
スザクは威圧を放ちながら告げる。
「この場でお前が喚いても何も変わらん。諦めろ」
「……いいだろう。こんなゴミ制度はどうでもいい。ケリをつけよう」
ジュリアスはステージに駆け上がり、全員を見下ろして叫んだ。
「そこの**亜人*どもと勝負させろ。負けたほうが全員退学だ! 逃げるなよ!」
「何を勝手なことを」
「スザク、お前は邪魔するな。……それと、この**亜人**どもを招き入れた首謀者がいるだろ? そいつも同類だ!」
「・・・」
エルフィは答えない
「俺だ」
俺はその場で声を上げた。
「……剣士? 前衛のゴミが、なぜだ?」
不思議そうに聞くジュリアス
「実際にはとある人物に頼まれたが、全責任は俺が取る」
俺の曖昧な返答に、ジュリアスは残酷な笑みを浮かべた。
「面白みがないな。……そうだ、お前も参加しろ。お前たちが負けたら、スザクをはじめとする在校生上位10人も辞めてもらう!」
「なら、こっちの条件だ。そっちが負けたら、辞めるのではなく――彼ら、**他種族**の寮の掃除当番をしてもらう」
「乗った!。ルールは『Crystal Siege』でどうだ?」
Crystal Siege
お互いが拠点にある自軍のクリスタルを守る、攻城戦それがCrystal Siege
世界一有名な競技でもある。
5VS5で行い
各準拠点にある小さいクリスタルの破壊のポイントを競う
目玉はポイントで負けていても拠点の大きいクリスタルの破壊で決着が付く一発逆転もあるところだ。
「いいだろう」
エルフィが答える。
「逃げるなよ亜人」
ジュリアスは余裕の笑みをこぼし去っていく
「ルーシュお前知らんふりしたな、やはり他種族の件噛んでいたか」
スザクは先日『なにかしたか?』と尋ねていた。
「ばれた・・・」
おれは誤魔化すことにした。
「にしても勝つ算段はあるのか?」
スザクはルーシュ達に聞く
「巻き込んで悪かったが、俺 Crystal Siegeって知らんぞ」
その一言で周囲がざわめく
「なんで知らない・・・それにジュリアスは最年少アタッカーでプロ選手だ。世界の10本の指に入る選手だと言われている」
スザクは簡単に説明をする。
「他の連中は?」
おれは5VS5と聞いてジュリアス以外はどうなのか聞いた。
「後々のプロ候補ばかりだ、指名を受けているものも居る」
「あちゃー勝てるの?エルフィ」
おれはエルフのリーダーに聞く
「私もルールぐらいしか。みんなは?」
ドワーフやリザードに尋ねる。
みんな横に首を振った。
「俺達も勝手に巻き込んで負けましたじゃ承知せんぞ」
スザクは一喝し去っていく。
「やばい・・・」
おれはちょっと焦った。




