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七度転生した大賢者、今世では剣士として無双します 〜魔法全盛の世界で剣を選んだ理由〜  作者: ねむのき 圓
7章 近代魔法と教皇

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姉弟・・・嵐の晩餐会

 近くの街まで足を伸ばし、俺は一軒の宿屋の暖簾をくぐった。

「一部屋、空いているか?」

「大丈夫ですよ。一泊でよろしかったですか?」

「頼む」


 案内された部屋に荷物を置き、ベッドに腰を下ろす。

「なかなかいいとこじゃないか。今日はゆっくりして、明日神殿の確認でもするかな。……その前に腹ごしらえだな」


 ブラブラと夕食の店を探して街を歩いていると、聞き覚えのある声が届いた。

「ルーシュさん!」

 やはり、ミズーリだった。


「先程はすいませんでした。お詫びに一緒にご飯でもどうですか? 良いお店を知ってるんです」

「そんなに気を使わなくても大丈夫ですよ」

「神殿のこと、もっと詳しく知りたいんでしょ?」

「……っ。そう言われれば、付いていくしかないな」


 俺の弱みを握るような提案に苦笑いする。

「えへへ。弟も来ているので一緒ですけど、大丈夫ですか?」

「私は構いませんよ」

「なら、お店の前で待っているので一緒に行きましょう!」


 ミズーリに連れられて辿り着いた店の前。一人の男が不機嫌そうに立っていた。

「遅いぞ、姉上……」


「ごめんね、待った? 知り合いと会っちゃって、連れてきちゃった」

「すいません、姉弟の食事にお邪魔して……」

 俺が謝りながら顔を上げると、そこにいた人物に言葉を失った。


「――なぜ、お前がここにいる」

 この、吐き捨てるような嫌な言い方。

「それはこっちのセリフだ。スザク」


「ふふふ。さあさあ、座って。ご飯食べましょ!」

「姉上……」

「ミズーリ……」


 俺とスザクの視線が火花を散らす。

『知っていたな?』

 あまりのタイミングに、つい声が揃ってしまった。


「当たり前でしょ。学園のトップ二人なんだから!」

 ミズーリは悪びれる様子もなく、ニコニコと席に座った。


 食事が始まっても、空気は刺々しいままだった。

「それにしても……姉弟だったんですね」

「そうですよぉ。似てませんか?」

 終始ニコニコしている姉に対し、スザクは毒を吐く。


「そもそも、なぜ貴様が姉上と知り合いなんだ」

「色々あってな」

「その『色々』を訊いているんだ、貴様は阿呆か」

「……何だ、その言い方は」


「何か不都合なことでもあるのか? ああ?」

 スザクが身を乗り出し、俺を睨みつける。

「もう、やめてよぉ! ご飯は仲良く美味しく、でしょ!」


「はぁ……なんで誘ったんですか。こうなるの、分かってたでしょ」

 俺が溜息をつくと、ミズーリは少し真面目な顔をしてグラスを傾けた。

「そうは言っても、時にはライバル、時には仲間。そうやって今日まで来たんでしょ?」


 ミズーリはスザクを横目で見る。

「レイモンドの時、とっても心配したんだからね。スザク」

「……あの程度、どうということはない」

「何があの程度よ。ボロボロだったくせに」


 ミズーリが、スザクに聞こえないような小声で俺に耳打ちしてきた。

(ルーシュさんのパーティーだったから止めなかったけど、本当は死ぬほど心配してたんですよ?)

「何を話している! 離れろ、貴様!」

「近づいたのは俺じゃないだろ!」


「まったく、今日はルーシュくんが神殿に入れなかったお詫びなんだから、静かにして」

「たったそれだけの理由で連れてきたのか?」


「それだけじゃないわよ。レイモンドの時、同じパーティーだったでしょ? 久々かなって思って。その時のお礼も兼ねて……」

「お詫び? 俺のほうが感謝されたいくらいだ」

 スザクが鼻で笑う。


「ほう? なぜそうなる」

「俺がいたから、アラバマを乗っ取った奴を倒せただろ。貴様は指を咥えて見ていただけだ」

「はあ!? どんな解釈だよ。お前の中途半端な魔法のせいでアラバマが即死しなかったから、また復活したんだろ」


「何を言っている。俺がいたから、あの場所から逃げられたんだ。最後まで抗ったのは俺だ」

「最後に魔法を外しただけだろ。殿しんがりは俺がやったんだ。大人しく逃げたくせに」

「貴様が『先に行け』と言ったんだろうが!」

「魔力が空っぽだっただろ? お前」

「それは……貴様の勘違いだ」

 俺が核心を突くと、スザクは一瞬言い淀み、顔を赤くして声を荒らげた。


「もぉー! やめて!! お姉さん、本当に怒るよ!!」

 ミズーリの怒声が店内に響き、ようやく俺たちは黙り込んだ。


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