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七度転生した大賢者、今世では剣士として無双します 〜魔法全盛の世界で剣を選んだ理由〜  作者: ねむのき 圓
4章 ヴァーミリオン王国と呪われし少女

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ヴァーミリオン王国編 終幕・・・新たな仲間

### 言葉を失った奇跡

本当に魔物が襲っていたのかというほどまでに、ヴァーミリオン王国は元通りの姿を取り戻していた。


瓦礫は消え、城壁の傷は癒え、王妃様の容態もすっかり回復した。全国民が驚愕し、言葉を失って空を仰ぐ。この修復は、単なる回復魔法ではない。


**時空魔法クロノス**。世界を変える力を秘めた、禁断の魔法だ。


「俺がどんなに望んでも得られない魔法の一つ」


ライカが幼少期に無意識に行っていた**『時間戻し』**。そして、俺だけが使える【転生魔法】。魔法は万能ではない。死者は蘇らないし、いくら時間を戻そうが世界線は戻らない。だが、世界に干渉はできる。その強大な力ゆえに、クロノスは誰にもこの魔法を教えることはないし、おれとも契約する気はないのだろう。悪いやつじゃないので仕方ないと思っている。


しかし、そのおかげで我々の成果は完璧だった。ライカも孤児院の友達と少し打ち解けたようで、本当に良かった。


---


### リック王の決断と、帰還の途


バイオレット校の面々がリック王の要望通りの成果を残し、3ヶ月に及ぶ長期留学は終わりを迎えた。


「とうとうお別れかぁ」と、ロロが長い留学を振り返る。


リリスはいつものココナッツジュースを飲みながら

「これもう飲めないのかなぁ?」と残念そうだ。


ヴィニーが「お土産とか流通ルート検討しましょう」とリリスと話している。


その傍ら、アーサーがおれを問い詰める。


「で、今回も大袈裟にしましたけど、あの城壁や傷までも癒えるという軌跡、あれは何で、どう対処したんですか?」


「ははっ・・・」おれはリック王に言われたことを思い出す。


騒ぎを聞きつけ帰ってきたリック王も驚いていた。

「これまた賢者様には驚かされますな。時空魔法ですか?」


私は不甲斐ない結果に謝ったが、リック王は寛大だった。

「結果は上々。ライカの件も含めれば予想以上の成果ですよ」

そして、おれが経緯を言いづらそうにしているのに気がついて、彼はこう言ってくれた。


「なにか事情があるのでしょう。賢者様の活躍で間違いないのですから私どもは聞きません」


「良いんですか?どう説明するつもりで?」


「**レイラン教の奇跡**とでもしておきますよ」とリック王は微笑む。


「ここは信者が多いですし、こういう噂が広まれば賢者様にも利点があると思いますので」


「賢者の奇跡だとよ」とおれはアーサーに伝えた。

嘘はいっていない。


「全くまた1人で無茶するんですから」と呆れるアーサー。


この3ヶ月で、バイオレット王国とヴァーミリオン王国の技術交流は大きく進んだ。模擬戦会場の建設も決まり、「これでここももっと強くなるぞ」とおれは魔王討伐へ着々と進むこの世界に希望を描いた。


---


### 旅の邪魔者、そして隠された血筋


「なぁんで!帰りも徒歩なんだよルーシュ!!」


ロロの悲鳴が響く。馬車はお土産やら王国への荷物で満載だ。護衛はアーサーとヴィニー。


「なんでおれはこっちなんだよヴィニーお前変われ」とロロが迫る


ヴィニーは「ええぇ今更ですか?もう準備しましたよ~」と嫌そうな顔。


「お前長い学園生活で立場を忘れたようだな」

ロロが睨むと、ヴィニーは「ギクッ」と表情が固まる。


「はいはい喧嘩はそこまで。ロロも護衛で良かったけどね。この**お邪魔虫っ**」とリリスもおれ達徒歩組だ。


「ルーシュおれこんな空気で帰るのやだぁ」とロロは久しぶりの弱気モードだ。


「さて10日間ゆっくりと帰るとしますか!」とおれが1歩目を歩き出した、その時。


「置いていくつもり?」


後ろから声がした。ロロは絶望的な顔で後ろに立っている**ライカ**に言った。

「なんでお前がいるんだよ・・・」


「もう吹っ切れたし、あのままあっちにいても気まずいだけよ」

そういうライカはそそくさと歩いていく。

「あなた達も最初はごめんね。まぁ仕方ないって思ってくれてるからこれくらいでいいわね?」


「なんでこんな偉そうなんだよ」とロロがツッコミを入れると

ライカは立ち止まり、改めて全員に向き直った。


「改めてよろしく。**ライカ・リーベルト**よ。よろしく」


「ん?リーベルト??」おれは思わず聞き直した。


「そうよ。言わなかったっけ?」


「い、いや聞いてない・・・」


「なにか?」

不思議そうな顔をするライカ


「自分の祖先のこと知ってるのか?」


「ううん知らない。有名人?」と答える。


「いや別に・・・」おれは呆気にとられた。


**リーベルト**。


大精霊クロノスを探しているときに出会った南の辺境の地出身の**大魔道士ホルス・リーベルト**。時空魔法を学んだおれの師だ。転生魔法を完成させたのも彼がいたからこそ。名前を聞くまで忘れていたが、ライカはまさかその血筋なのか。


「全くクロノスめ。お前というやつは」

どこかでバカにして笑ってるんだろう。


「なんか言った?」ライカは俺の独り言を聞き返してきた。


「今後とも宜しく、**ライカ**」


「また邪魔者が増えた・・・」落胆するリリス。


こうしてヴァーミリオン王国の発展に協力したおれ達は、新たな同行者を加え、**魔王討伐という大いなる目標**に向かって、さらに大きく成長していくことになる。


ザッ・・・


離れた後方で、微かな足音が響いた。


「誰がレイラン教の奇跡で納得するんだよ。バイオレット学園の【ルーシュ】・・・こいつ一癖ありそうだな」


静かに笑う声が、旅立つ一行の背中に向かって囁かれた。


ヴァーミリオン王国編 完

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