表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
七度転生した大賢者、今世では剣士として無双します 〜魔法全盛の世界で剣を選んだ理由〜  作者: ねむのき 圓
10章 王【聖域】と魔王【混沌】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
114/116

王・・・王子


大気の温度上昇に干渉するように、イザベラがさらなる魔力を引き出し、詠唱を始めた。

「隠れていようが関係ないわ」

呪詛魔法、闇の上位魔術であり、イザベラもまたその威力は超級魔法【虚無】に匹敵する。

仲間をも巻き込む攻撃の嵐が戦場を埋め尽くす。

俺は魔法の縫い目をかいくぐるように避けながら、周囲の敵を対処していく。


「これ、ルーシュがいなかったら死んでるな」

猛攻の合間に、ロロが何気なくこぼした。


「いや、セレスティアならこれは防げるはずだ」

俺は周囲を警戒しながら応じる。


「私? ……ってことは、幻影魔法ね」

光魔法の上位であり、呪詛とは相反する属性をセレスティアが理解する。


「打ち勝つのは難しいが、逃げるルートの確保はできるはずだ」

俺が指示を出す。


「ここにいましたか!」

突如、ゼフォロスが俺めがけて突っ込んできた。その衝撃で仲間と分断される。


「邪魔だな。セレスティア、みんなを守れ。すぐ戻る!」

俺は叫び、パチンと指先を鳴らして魔法斬撃を浴びせる。


「あなたの脅威は魔力への干渉、【概念】の加護付き!!」

ゼフォロスが不気味に笑う。

超級魔法【概念】――俺は生まれた時から大精霊ツクヨミの加護を得ている。

これは誰にも伝えていない秘密だった。


「それがどうした? 知っているとして何ができる。すべての魔法は俺には通用しない」

指を鳴らしてゼフォロスの魔法を打ち消し、さらに斬撃を畳み掛ける。

だが、ゼフォロスはそれを事も無げに消し去ってみせた。


「何をした?」

俺は魔法を消されたことに疑問を抱く。


「研究したのですよ、【概念】を! あなたと並ぶために!」

こいつもまた超級魔法【概念】に匹敵する魔力を携えていた。


「クソッ、模造品ごときが……サシならまだしもこんな状況で」

この状況での足止めは不味い。そう察した瞬間、イザベラの魔力が膨れ上がった。

あの女、自分の軍ごと殲滅するつもりか。俺はセレスティアたちの方へ向かおうとするが、ゼフォロスが執拗に立ち塞がる。


「どこへ行くのですか?」

ゼフォロスが俺の攻撃をことごとく塞ぐ。


「こいつ……! まずい、セレスティアたちが!」

俺はゼフォロスの妨害で動けなかった。



「ロロ様!」

ヴィニーが叫ぶ。強大な魔力の前に、ロロが怯んだ。


「ああやばい、俺たちはこんなところにいるべきじゃなかった」

ロロが強大な魔力に怖気づく。


「そんなこと言ったって仕方ないでしょ、これ絶対防げないから!」

セレスティアもその魔力に気圧されている。


「キャハハハ、生きながら朽ちてしまえ! 《終焉侵食ネクロ・エクリプス》!」

イザベラから前方、ロロたちのいる辺り一面が魔法に覆い尽くされ、次々と灰と化していく。


「ロロ!!」

俺はその光景に絶句した。


「おやおや? 貴方がいなければただの雑魚。なぜこんな弱いものを連れているのです? 私どもみたいに使い捨てですか? あはははは」

俺の表情を見て笑うゼフォロスに、苛立ちが募る。


「ふざけるなよお前ら!」

パチンと指を鳴らし、連撃で追い詰めるが、斬撃はことごとく打ち消され、決定打を与えられない。


「こんな奴にっ……!」

状況が状況なだけに、俺の苛立ちが目に見えて強まる。


「ほらほら、こんな時はお得意の魔力感知~あれれ~? あっちには誰の魔力も……だれだ?」

ゼフォロスが魔力を探ると、そこには、さっきまでいなかったはずの者の魔力が立ち昇っていた。


「この魔力、王か!」

俺が魔力の先を見渡すと、灰となった戦場に一つ、光を放つ場所が現れる。


「ヴィニー、お前……」

ロロの目に映ったのは、イザベラの魔法を防ぎ切るヴィニーの姿だった。


「こんな大きな魔力の光魔法、あの子にはなかったわよ」

セレスティアも無事だった。


「ロロ、済まなかった。苦労をかけたな。色々と話さなければならないが、まずはあの女の軍を叩く」

ヴィニーの中にいた王の精神が表に現れる。


「この感じ、父さんか? なんで! どうなってんだよ!」

混乱するロロが叫ぶ。


「ああ。だが話は後だ。左の軍を叩き、賢者様と合流する。エルフのお姫様、手伝い願う」

王が告げ、ヴィニーの体が動き出す。


「はっ、はい!」

セレスティアが返事をする。


「ロロ、しっかりしろ。ここはお前の協力が要る。お前は私の子だろう?」

王が手を差し伸ばす。


「うるせぇ、今までどこで何をやってたんだよ! それに、俺はあんたの子じゃない。そんなの薄々分かってたんだ! 光魔法が使えない、そして『聖域』に入れなかった……俺はそこまで馬鹿じゃない。答えは一つしか無いじゃないか!」

ロロは手を振り払い立ち上がる。


「分かっている。だが、息子は息子だ。行くぞ」

王は自身の周囲に幻影魔法を纏い、左翼の軍勢へ突撃を開始した。


「早いし魔法の精度が高い……!」

セレスティアも遅れないように続く。


「くそぉ!!」

ロロも負けじと魔物の群れに突っ込んだ。


「クソ、ゴミどもめ。何が起きたか知らんが……まぁいい、あっちはイザベラに任せて。賢者様、続きと行きましょう」

ゼフォロスは改めて、俺へと向き直った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ