魔族最強・・・人間最強
「予定通りだ」
【魔導の王冠】のボスマティアスが、事も無げに言った。
俺はこの異常な状況は一度棚上げし、奴の核心を突く。
「お前、この状況は何だ? いいや、神器を使って何をしようとしている?」
「やはりそこまでたどり着いていましたか」
マティアスの傍らで、メイが楽しそうに目を細めた。
――その瞬間。
空気が、焼けた。
「おい! 俺達を無視してもいいと思っているのか?」
殺気を含んだ声が戦場を圧する。溶岩の如き魔力を鎧として纏う巨躯の魔族、ガリアーノだ。
「でもぉ、今『賢者』って言ったわよぉ。まさかまさかの本物なの?」
その隣で、無数の鎖に縛られながらも優雅に微笑む女魔族、イザベラが紅い瞳を妖しく光らせた。
「本物ですよ! 私が追い求めていた魔法の原点、賢者ルーシュ」
不気味な笑い声を上げたのは、髑髏の杖を弄ぶ道化師、ゼフォロスだ。
「あらぁ、知り合いなのぉ?」
「何度も言っているでしょう。私の目的であり、唯一憧れた人間だ」
ゼフォロスは俺の方を向き、恍惚とした表情で語る。
「気持ち悪ぅ。こんな下等種族に憧れなん……てっ!?」
イザベラが言葉を吐き捨てる途中で、不可視の斬撃が彼女の体を切り刻んだ。
「だまれ。お前の声は聞くに絶えん」
俺はそいつを見向きもせず、指先を弾く。
「早漏は嫌われるわよ」
ぺろりと指を舐め微笑む女
「イザベラ、喋りすぎですよ。……おや、無傷でしたか」
斬撃を柳に風と受け流した女――イザベラは、紅い瞳を妖しく光らせている。
道化の魔族が近づいてくる。
「お前、ゼフォロスか?お前もしつこいな」
これはこいつを知っている。
魔王を封印するたびに居る魔族
そして転生している俺に憧れ肉体を入れ替える魔法を開発し、俺を殺すことだけを理由に何度も何度も生きながらえてきた魔族
「ルーシュ!まってどういう状況?」
セレスティアがルーシュに話しかける
「わからないが魔導の王冠】と魔族がやり合っているところに遭遇したみたいだ」
「魔族と闇組織…どんな関係よ」
「ただの魔族じゃない、道化の男は3000年の付き合いになる不死身の男、あっちのでかいのは魔王直属の最強の一族、女は知らんが俺の不意打ちを無傷でこのメンバーの中にいる、と言う事はこの3人は魔族最強格だろう」
「なにそれ魔族のトップが顔揃えてこんな奴らと戦ってるのよ」
「たぶん神器絡みだその神器で何かをしようとしたマティアス、それを止めるか奪いに来た魔族」
現状を見て推察する。
俺が来たことで攻め方に迷いが出る両者
「マティアス様ぁ賢者ちゃんどっちの味方?」
可愛い声の主はマティアスに聞く。
「この場合はどちらにも着かんよ、だがほっといていい奴ではないメイお前が相手しろ」
マティアスがそう言うとメンバーは魔族に向き合い、メイがこちらに向かってくる。
「なんだ?人間側の増援ではなさそうだな。無視で行くか」
炎の魔力を纏った巨躯の魔族は魔力を練り始める
「ガリアーノさん賢者様は私が見張っておきますのでお好きなように」
炎を纏う巨躯――ガリアーノは、マティアス達にツッコむ
ゼフォロスの魔族軍は俺達に向かってくる。
「セレスティアと俺が前を張る。ロロとヴィニーは援護だ。テオは一旦下がれ」
俺達も臨戦態勢を取る。
「面白くなってきましたねぇ」
メイは微笑みながら向かってくるが急に方向を変え魔族の方に攻撃をする。
その攻撃に対処できなかった魔族は次々と薙ぎ払われていく。
「おまえぇ」
怒りが込み上げるゼフォロス
「うるせぇ!俺はお前とも敵なんだからなぁ!!」
軍隊の横っ腹から切り込むメイ
メイの行動により3者が入り乱れる混戦状態となる
魔族は数が多く、少数で動く【魔導の王冠】やルーシュたちを見失う
「小賢しい真似を!!」
ガリアーノが動く、超高熱の魔力を全方位に放射。
「何だこの魔力超級魔法ってやつか?」
ロロが逃げながら聞く
「元々魔族は魔力値が高い、それに最高位の魔族『超級魔法【煉獄】』とほぼ変わらないレベルだな」
俺は説明をする
「それでもこれが【煉獄】ではないんですね」
ヴィニーが不思議そうに聞く
「ただの攻撃魔法と自然の摂理にも干渉する魔法この違いが大きい。この範囲は複雑だが…」
「もう何悠長に話してんのよ。どうすんのこれ」
セレスティアがしびれをきらせて対処を求める
大気の気温が上がるに連れ魔力濃度も上がっていく!
ドクン!
俺の中でなにかを感じ取る
「やばいな…なにか起こるぞこれは」




