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双子の赤い糸  作者: 黒猫キッド
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6・王様の命令は!? 絶対!!!

6・王様の命令は!? 絶対!!!


 教室に着くと、直也が教卓の上で胡坐をかきながら、ニヤケ面で教室の真ん中を見ていた。すると其処には大勢のクラスメートに囲まれた、和馬の姿が確認出来た。

「和馬! 恥ずかしがらずにやれよ!」

と、直也が楽しいそうな口調で言う。

「なにやってるの?」

 香織が呟くと、其処にポニーテールでブレザーのボタンを全開にした女子が来た。

「ああ香音と香織! 直也とんでもない事を始めたんだ!」

「? 恵理、また直也が何かしたの?」

 恵理という女子生徒の言葉に、香音が呆れた様にいった。恵理は直也の彼女であり、香音や香織を含めて、過去に何度も直也の騒ぎを体験しているのだ。恵理は事の事情を話し出す。

「直也がクラスで、王様ゲームをやったんだ! そしたら直也が王様になって、和馬に『好きな人に告白しろ』って命令したの!」

 恵理の言葉を聞き、香織は和馬の見る。和馬は照れた様に顔を赤くしていた。

「和馬って結構モテるけど、好きな人居るのかな?」

 香織は疑問を呟いた。すると・・・

「王様の命令は!?」

 直也が叫ぶと

『絶対!!!』

と、クラスの殆どが、声を揃えて叫んだ。その言葉を聞き、和馬は・・・

「ああ分かったよ! 告白するよ!」

と、諦めた様に叫ぶ。その言葉を聞き、クラス中から『ヒューヒュー』という様な音が響いた。

「良し・・・言うぞ・・・真由!」

「!」

 和馬が指名したのは、何と香音の胸を揉んでいた。女の子好きの真由だった。当の真由は驚いた表情で、驚いた衝撃でズレた眼鏡を直しながら、和馬の前に出てきた。その光景を見て、香織は香音に小声で言った。

「お姉ちゃん・・・真由は百合だから、断るんじゃないかな?」

「でも以前、百合って言ったら、『女の子も好きだけど、男の子も好き』って言ってたじゃない」

と、香音が香織に諭す様に言う。一方真由は困惑した顔で、和馬に向き合った。

「真由・・・実は俺・・・入学した時から真由が好きだったんだ! だから・・・俺とつき合ってくれ!」

と、和馬は全身全霊で真由に言った。

「・・・・・」

 暫く教室内で沈黙が続いた。そして真由が口を開いた。

「いやその・・・私で良いの?・・・・だって私・・・女の子好きなんだよ?・・・男の子も好きだけど・・・それでも良いの?・・・」

「・・・ああ」

 真由の言葉に、和馬は短く返事をした。

「・・・じゃあ・・・お願いします!」

と、真由は元気な声で叫ぶと、和馬に抱きついた。その瞬間クラス中から歓声が上がった。

「やったな和馬!」

「おめでとう真由!」

 様々な祝福の声が上がる。すると直也が・・・

「よ~し! 和馬! 王様の最後の命令だ! 二人でキスしろ!」

「なっ!!!!」

 其れには和馬も驚いた。

「なっ、汚ぇぞ直也! 普通王様ゲームの命令は、一回に一度だけだろ!?」

 和馬は抗議するが、直也は無視し・・・

「王様の命令は!?」

と言った。すると当然・・・

『絶対!!!』

というクラス中からの返答があった。しかも今度は香音と香織も加わっている。

「・・・分かったよ!」

 和馬は真由の両頬に手を添えた。そして・・・


 チュ・・・・・


 二人の唇が重なった・・・。ほんの少しして二人の唇は離れた。すると真由が顔を赤くして・・・

「・・・・結構良かったよ♪」

と、嬉しそうに言った。そしてまたクラス中から歓声が上がる。和馬は直也からの命令を実行し終えると、すぐさま直也の所に言った。香音と香織には、クラスの歓声等で聞こえないが、様子から推測すると、和馬が直也に文句を言っている様だ。

「あ~あ・・・まあこれで、真由がお姉ちゃんにセクハラする回数も減るかもね」

 香織は後頭部で手を組みながら、弁当箱を鞄に仕舞っている香音に言った。

「そうね・・・ところで、さっき和馬と真由を見て思ったんだけど、香織は誰かとキスしたい?」

「えっ?・・・」

 香音の唐突な質問に、香織は戸惑った。キスをしたい相手・・・それは居た・・・勿論其れは最愛の姉である香音であった。しかし其れは許されない事。香織はその事をしっかりと分かっていた。

「う、うん・・・居る・・・・」

と、戸惑いながらも、香織はそう伝えた。

「ふぅん・・・そっか・・・」

と香音は言った。その時香織は香音の顔が、何処か寂しげに感じられたが、其れは直ぐに消えて、笑顔でこう言った。

「お姉ちゃんにも居るよ! キスしたい相手♪」

「・・・・・」

 無邪気に香音は言うが、香織はその相手が、先程言っていた『好きな人』である事が察知出来てしまい、何も返せなかった。

「? どうしたの?」

 何も言わない香織を心配して、香音が訪ねてきた。

「う、うん、いや何でもないよ! アハハ・・・」

 香織は笑って誤魔化した。


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