第12話「壊れた足首と飢えた瞳」
私の前で、教員用ロッカールームの扉が一秒ごとに大きくなっていくようだった。
濃い木目。
金色の「FACULTY」のプレート。
背後に薄暗く続く廊下…
すべてが共謀して、その扉を別世界への入り口のように感じさせていた。
そして向こう側から、低く、しかし紛れもない調子で、熱のこもった拍手が聞こえてきた。
パン…パン…パン…
それは芝居がかった拍手ではなかった。
規則的だった。
一定だった。
鈍く重い打撃音が刻むメトロノームのように。
(入るべきか、入らざるべきか…男として、理想的なのは覗くことだ。紳士なら無視しない。でも…俺は紳士じゃない!)
ドアノブに触れた手が震えた。
首筋を汗が伝う。
扉の下から漏れる蒸気にもかかわらず、それは冷たかった。
(私はシエナ。私は女の子。技術的には。法的には。生物学的には…だいたい。入っていいはず。最悪何が起こるっていうの?)
私はゆっくりと、そっと扉を滑らせた。
シュー…
木が油を差したようなさやきを立ててレールの上を滑った。
ロッカールームは無人だった。
壁に向かって並ぶ金属製のロッカー。
磨かれた木製のベンチ。
棚にきちんと畳まれた白いタオル。
すべてが整然としていた。
すべてが静かだった。
奥のバスルームを除いては。
音はそこから聞こえていた。
もはや拍手ではなかった。
鈍い打撃音だった。
ドスッ…ドスッ…ドスッ…
夜明け前にサンドバッグを打ち続けるボクサーのように。
(なんなんだ…?)
私は慎重に音の発生源へと歩を進めた。
体育用スニーカーのおかげで足音は静かだった。
動くたびに足首が抗議の声をあげたが、無視した。
本能——決して消えなかったダニの古い本能——が、何かがおかしいと囁いていた。
近づくにつれ、音は激しさを増した。
ドスッ…ドスッ…ドスッ…
衝撃のたびにバスルームの扉が微かに震えた。
扉を半分まで押し開けた。
バスルームは…普通だった。
白いタイル。
輝く洗面台。
曇りのない鏡。
奥では、孤立したシャワーが絶え間ない瀑布となって水を降り注いでいた:
シャー…
でも、何かが違った。
場違いな何かがあった。
悲鳴。
不器用に押し殺された悲鳴。
誰かが自分の手で必死に封じ込めようとしているかのように。
そして床には、散った花びらのように、衣服が散らばっていた。
白いブラウス。
タイトスカート。
黒いレースのTバック。
(クソ。クソ。クソ。ここで何が起きてる?)
水が激しく飛び散っている方へ歩いた。
パシャ…パシャ…パシャ…
リズムは不規則で、狂乱的だった。
そして、彼女を見た。
それは教師だった。
ダークブラウンの長い髪の女。
髪は濡れて、頭蓋骨と肩に張り付いていた。
太もがシャワーの壁の縁に調和的に動いていたが、それは官能的な動きではなかった。
それは…動物的な動きだった。
ドスッ。
腰が壁を打った。
ドスッ。
手がタイルの縁を掴んだ。
ドスッ。
目は強く閉じられていた。
唇は理解不能な呟きを動かしていた。
体はまるで暴走する機械のように激しく揺れ、ハンマーが釘を打つように、何度も何度も、人間とは思えない暴力性で壁を叩いていた。
彼女は女神だった。
狂気の女神。
野獣に変わった上品な貴婦人。
(マジかよ…)
顔に、そしてもっと下へと、慣れ親しんだ裏切りの熱が駆け上がった。
この体——この忌々しいホルモンまみれの体——が、許可もなく反応していた。
唇を噛み、心の中で呪った。
(ダメだ。今じゃない。ここじゃない。集中しろ、シエナ。これは正常じゃない。この女は大丈夫じゃない。ここにいたら終わりだ。)
後退した。
一歩。
二歩。
スニーカーの先が何か柔らかいものをかすめた。
フッ……
その時、上着のポケットの中でタブレットが通知と共に震えた。
ブーッ。
時間が止まった。
文字通りにではなく。
でもそう感じた。
女の動きが止まった。
頭がゆっくりと回転する。
暗闇でネズミを見つけたフクロウのように。
その目——赤く、充血し、ぎらついた目——が私を射抜いた。
走った。
三歩は走れた。
怪我した足が何かに絡まるまでは。
黒いレースのTバックだ。
つま先がゴムに引っかかり、ただでさえ傷んでいた足首が、小さく鋭い音とともに捻れた。
パキッ。
「あっ!」
倒れた。
タイルの床が容赦ない衝撃で私を迎え撃った。
痛みが槍のように貫いた:足首から腰へ、腰から後頭部へ。
(痛い。痛い。ちくしょう、痛い。)
「あら…」
声はシャワーから来た。
もはや呟きではなかった。
喉を鳴らすような声だった。
「ここに何がいるのかしら…」
痛みの中で目を開けた。
女が私の前に立っていた。
水は彼女の背後で降り続け、蒸気の中でそのシルエットを際立たせていた。
蒸気が彼女の曲線にまるで焦らすようなベールのようにまとわりつき、喉がからになるギリギリのところだけを見せていた。
バスルームの薄暗がりの中で、その目は空腹の輝きを宿していた。
「小さな不良娘ね。」
「あのね…」彼女は私に身をかがめながら言った。
「ここに来るのは禁止されているとはっきり言われていたと思ったけど。」
鼻が私の首に近づいた。
息を吸い込んだ。
「その…その匂い…」
「ごめんなさい!本当に申し訳なく思ってます!」
私は叫び、後ろへ這いずった。
「『申し訳なく思う』…具体的に、何を?」
彼女は小首を傾げ、嘲るように笑った。
(お願い、お願いだから、何もしないで。触らないで。)
「まあ…」彼女の目が細められた。
「あなた、ヒロシの娘でしょう?」
(あの目。違う…教師の目じゃない。野獣の目だ。)
立ち上がろうとした。
滑りやすい床に手をつき、筋肉を緊張させ…そして足首から力が抜けた。
バタン。
再び倒れた。
彼女は私の横を通り過ぎ、裸の腰が私の肩をかすめた。
その一瞬の接触さえ焼けつくようだった。
熱すぎる。異常だった。
「変わった匂いをまとっているわね…」
カチッ。
バスルームのドアが閉まった。
その音は死の宣告のように響き渡った。
「心配しないで」彼女は振り返り、その笑みは危険な遊び心で歪んでいた。
「さっきやってたことより、ずっといいものを見つけたと思うから。」
私は後ろへ這いずり、無駄にも距離を取ろうとした。
背中が冷たい壁にぶつかった。
「あら…教えて、あなたは2組かしら、それとも1組?」
(待て。ここで簡単に権威を渡すわけにはいかない。私が誰かを言ったら、その情報で彼女は何をするつもりだ?)
「なんであなたに教えなきゃいけないの?」
沈黙。
その赤い目が瞬いた。
頭が傾げられた。
獲物がまだ噛みつこうとしている理由が理解できない犬のように。
「おい、バカな子…」
彼女の声は危険な唸り声に落ちていた。
「今、あたしたちがどういう状況か、よく見てみなさいよ。」
(その通りだ。彼女は裸。私は足首を痛めて床にいる。逃げ場はない。)
壁に寄りかかり、超人的な努力で立ち上がった。
足首は悲鳴をあげたが、耐えた。
「こんな私みたいな大人が…そんな暴政に屈するもんですか!」
彼女は私をじっと見つめた。
「ねえ…目はここにあるんだけど。」
「え…」
ヒュッ!
手が私に向かって飛んできた。
本能でかわしたが、この体では反射速度が遅すぎた。
「どこ見てるのよ?!」
ヒュッ!
「クソッ!」
彼女の手が私の喉を掴んだ。
致命的な力ではない。
正確さで。
まるで子犬の首筋を掴むように。
「は…はな…はなして…」
彼女の手首を掴もうとしたが、指は鋼のようだった。びくともしなかった。
「信じられない…あなた、特別な資質を持った大人の一人なのね。」
彼女は手を放した。
私は床に倒れ込み、咳き込み、バスルームの湿った空気をむさぼり吸った。
「ねえ…」私は息を切らしながら言った。
「これが生徒にしてることだってバレたら、みんななんて言うかな?」
「ふ…」
その笑いは低く、喉の奥から響くようなものだった。
「何も言わないわ。私たちはみんな責任ある大人ですもの。」
彼女は私に身をかがめ、その息は甘く、うんざりするほど人工的な匂いがした。
指が私の頬の上にかざされ、かろうじて触れるか触れないかで、それから首筋を伝って降り、鎖骨のすぐ上で止まった。
「さあ、教えて…あなたは肉食系かしら…それとも大多数と同じ草食系?」
(パ・ウィルソン…おじいちゃん…友達のフジマル…今日、私は卒業します。)
目を閉じた。
拳を握りしめた。
そして心の奥底で、声が——ダニの、シエナの、二人の声が——叫んだ:
(こんなところで死なない。こんな風には。今日じゃない。)




