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『岳飛伝』  作者: RiHakuun
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18/44

十七

今年の冬は、例年よりいっそう寒かった。

三九の初日、空から雪が舞い落ちている。粉末のように細かく白い。人が口を開けば、吐き出す息は濃い白い霧となって、なかなか消えない。

汴梁城外の金軍陣営から、低く重い角笛の音が天まで響き渡った。

金兵たちは槍、矛、短斧、両刃の大刀、湾刀、鉄槌……さまざまな武器を手に、汴梁城の城壁に向かって立ち並んでいる。

汴梁西側の城壁には、いくつもの城門が組み込まれていた。

北から順に、西北水門、金耀門、万勝門、西水門、順天門、そして宣沢水門。

順天門と万勝門の前には、大宋皇室の狩猟場である「瓊林苑」が広がっている。その密集した白樺林のそばには、人工湖「金明池」があった。

攻城を指揮する三人の金軍将、完顔宗翰、完顔宗望、完顔昌は、林の中で馬上に身を置いていた。

ここからなら城壁上の宋軍がよく見える。それでいて、宋軍の弩の射程外でもある。

五十人ほどの金兵の一隊が撞車を押し、宣沢水門に激突させた。

「ドン――ドン――ドン――」

水門が苦痛の叫びを上げているようだった。

地面まで震えているように感じられる。

韋小宝は驚嘆した。

――大人一人が両腕を回してようやく抱えられるほどの一本の木に、これほどの力が秘められているとは。

それまでにも金軍は雲梯での攻城を試みていた。

だが、失敗した。

簡易な雲梯は、先端の縄を城壁上の宋兵に簡単に切られてしまう。かといって大型の雲梯車は、城壁から突き出された押し棒によって完全に封じ込められた。

金軍は撞車で金耀門を攻撃したこともある。

だが、城門はびくともしなかった。

何度強攻しても成果が上がらない中、彼らはついに突破口を見つけた。

――宣沢水門である。

水門の底は地面に接しておらず、その下には深さ三尺にも満たない水路があった。

水路の水は凍って氷となり、その氷に押されて水門が変形し、位置までずれていたのだ。

「宗望、お前の予想どおりだ。氷の上では撞車の威力が格段に増している」

完顔宗翰が言った。

「天までが、我々に早く汴梁へ攻め込めと言っているらしいな」

完顔宗望は言った。

「包囲が長引けば、城内の民も苦しくなる」

「天寒地凍だぞ。宋国の民だけを凍えさせておけばいいのか?」

完顔昌が言った。

「お前は情が深すぎる。宋人を相手にしたら、大損するぞ」

「皇叔、同じ米から百人百様の人間が育つものです」

完顔宗望が言った。

「金人の中に狡猾な者がいるように、宋人の中にも善良な者はいます」

「毎日毎日、仏典を読んでいるせいで、口ばかり達者になりおって。叔父さんじゃ、お前には敵わんな。だが、俺はこれまで宋国の善人に会ったことなど一度もない」

「皇叔が接した宋人の数が少なすぎるのですよ」

「将軍方――!」

息を切らして駆けてきた伝令兵が叫んだ。

「宋軍が城門を開いて迎撃に出ました! 宣化門です!」

宣化門は城壁の南側に位置し、正門である南熏門よりやや小さい。

戦いの勝敗は、すでに決していた。

宣化門は内側へ大きく開かれ、城外の護城河の氷上には宋兵の死体が散乱している。

その多くは、遊龍と瑞雲の刺繍が入った淡黄色の道袍を身につけ、手には法剣を握っていた。

金国の騎兵たちは長槍を手に、生き残った宋兵を探し出しては斬り殺している。

城壁には巨大な甲神の絵が六枚掲げられていた。

城楼からは煙がゆらゆらと立ち昇り、紫色の袍をまとった道士が、手にした法剣を力いっぱい振り回しながら、風の中で踊るように動いている。

「宋人は何の妖術を使っているんだ?」

完顔宗翰が言った。

「道士を隊に編入するとは。これじゃ、こちらに生きた的を提供しているようなものじゃないか」

「宗翰、あれは道家の六甲法陣だ」

完顔昌が言った。

「お前が『生きた的』と呼んでいるものを、宋人は『六甲神兵』と呼んでいる。伝説では、六甲神兵は姿を隠し、地中を逃げ、刀も槍も通さないそうだ」

「それに、あの紫袍の道士を見ろ。俺の勘が外れていなければ、あれが道士の郭京だ」

韋小宝は、その名前に何となく聞き覚えがあるような気がした。

「汴梁では、こんな道家の讖言が流行ったことがある」

完顔昌は目元に笑みを浮かべながら言った。

「『郭京、楊適、劉無忌、ことごとく東南にありて白雲に臥す』――つまり、郭京、楊適、劉無忌の三人の高人こそ、大金を打ち破る天敵だという意味だ」

「この三人のうち、郭京は術を使う道士で、しかも位はかなり高い。紫色の道袍を着る資格まである」

完顔昌は笑った。

「どうやら趙家の父子は、大金を打ち負かす仙道を本当に呼び寄せたらしいな」

「別の噂では、郭京は仙道・林霊素の直弟子だそうだ」

完顔宗望が言った。

「宗翰、林霊素を知っているか? 宋人の話では、あの男は仙術を修めて不死の身となり、風を呼び雨を降らせ、天兵天将に命令する神通力まで持っているそうだ」

完顔昌と完顔宗望は互いの肩を抱き合い、腹を抱えて笑った。

「宋人が、お前たちの言うほど狂っているとは思えん」

完顔宗翰が言った。

「百聞は一見に如かずだ」

完顔昌は馬鞭を手に、前方を指した。

「ほら、城門を閉めたぞ」

数千の六甲神兵はすでにほぼ全滅していた。

そこら中に手足が散らばり、血が流れ、死体が氷の上に浮いている。

宣化門がゆっくりと閉じ始めた。

「俺が兵を率いて中へ突入する」

完顔宗翰が言った。

「もう間に合わん。放っておけ」

完顔昌が言った。

「城を落とすのは時間の問題だ。うまい飯は、遅くなったってまずくはならん」

「ジャーン、ジャーン、ジャーン――!」

銅鑼の音が四方から鳴り響いた。

全身血まみれの騎兵たちが前線から金明池の側へ退いてくる。

伝令兵が駆けてきた。

「大量の宋兵が万勝門から突撃してきました!」

「また道士兵か?」

完顔昌が尋ねた。

「いいえ」

伝令兵が答える。

「鎮海軍節度使、劉延慶が先頭に立っています!」

完顔三将は万勝門へ駆けつけた。

両軍の騎兵は激しくぶつかり合い、一進一退の攻防を繰り広げている。

劉延慶は鉄兜をかぶり、胸には鱗甲、脚には脛当てを着け、馬の背にぴたりと身を伏せながら左右へ身をかわしていた。

その後ろには、同じ装備をした騎兵が百人ほど続いている。

この一団は非常に速かった。

縦横無尽に駆け回り、迂回しながら突撃を繰り返す。

彼らとぶつかった金国騎兵は次々と敗れ、四方へ逃げ散った。

さらに宋軍の歩兵が、万勝門から次々と駆け出して戦闘に加わる。

戦線は徐々に金軍陣地へ押し返されていった。

完顔昌は手綱を強く引き、劉延慶を睨みつけた。

「俺が相手をしてやる」

劉延慶も完顔昌に気づいた。

突撃隊を率い、馬を駆ってこちらへ突進してくる。

完顔昌は長槍を手に馬を走らせ、その後ろには三十余騎の金国騎兵が続いた。

二つの騎兵隊がまさに衝突しようとした、その瞬間。

完顔昌が突然、手綱を引いて馬を止めた。

劉延慶の乗っていた軍馬が、何かにつまずいたように前のめりになった。

前脚が折れ曲がり、馬の頭が地面に激突する。

次の瞬間には――

馬もろとも、地面の中へ消えていた。

戦いを見ていた完顔宗望が言った。

「湖面の氷が割れたんだ」

劉延慶も、その馬も、二度と湖面から姿を現さなかった。

宋兵はたちまち大混乱に陥った。

完顔宗望と完顔宗翰は、それぞれ騎兵の小隊を率いて戦場へ突入した。

金国の歩兵と騎兵は、何度も突撃と包囲を繰り返す。

宋兵は我先にと逃げ戻った。

三つの騎兵隊は一つに合流し、敗走する宋軍を追撃する。

まるで羊や牛を追い立てるようだった。

万勝門が開かれた。

突撃の角笛が鳴り響く。

金軍の大部隊が城門の奥へなだれ込んだ。

城楼に掲げられていた宋国の軍旗が切り落とされ、代わりに金軍の旗が掲げられた。

雪が舞い落ちる。

鴨の羽ほどもある大雪だった。

城壁上では数人の宋軍将領が白旗を掲げて降伏した。

金軍は勝利を告げる声を上げ、なおも抵抗を続ける宋軍に降伏を呼びかける。

内城の城壁は外城の城壁よりはるかに低く、金軍の雲梯の半分ほどの高さしかない。

「内城へ攻め込むぞ。明日の朝までに趙佶と趙桓を生け捕りにする」

完顔宗翰が言った。

「いかん!」

完顔昌と完顔宗望が、ほとんど同時に声を上げた。

「窮した敵を追い詰めるな」

完顔昌が言った。

「我々は大勝したとはいえ、それなりに力を使っている。『烈風の勢いが衰えれば、鳥の羽一本さえ起こせぬ』とも言うだろう」

「皇叔の言うとおりだ」

完顔宗望も頷いた。

「汴梁の内城は民家が多く、街路も入り組んでいる。いざ巷戦になれば、守る側が圧倒的に有利だ。勝ちに目がくらんで、余計な危険を冒すべきではない」

「それに、もう日も暮れている。戦闘になれば兵士と民間人の区別がつかず、無辜の民まで殺してしまう恐れがある」

完顔昌が言った。

「内城への攻撃は、数日待ってからにしよう」

四日後。

完顔昌は、もっと早く攻城を始めなかったことを後悔した。

大雪が四日四晩降り続き、気温は急激に下がった。

水を撒けば、その場で氷になるほどだ。

金軍の将兵たちは帳内に身を寄せ合い、互いの体温で寒さをしのいでいる。

軍の士気は落ち込み、外城を陥落させたときの興奮は、すっかり消え失せていた。

完顔宗翰は使者を内城へ送り、宋廷に城門を開いて降伏するよう伝え、趙氏の父子には城外へ出て罪を認めるよう命じることを提案した。

もし金兵が自ら内城を攻め落とすことになれば、三日間、城内を皆殺しにする――そう脅すのである。

しかし完顔昌と完顔宗望は、城を皆殺しにするという脅しには反対した。

「俺たちは趙家の連中を片付けに来たんだ。どうして宋国の民まで脅す必要がある?」

完顔昌が言った。

「皇帝が嘘をつくのに、民が正直だと思うか? 俺は何度も言っている。汴梁城には善人などいない。小宋の国には奸賊だらけだ。国君が言うことをころころ変え、狡猾で恥知らずなんだ。そんな国の民が善良なわけがあるか?」

「宋国の民が可哀想だと言うなら、我が大金の将兵は可哀想じゃないのか? 見てこい。あいつらがどんなに凍えているか――歯をガチガチ鳴らしているぞ」

完顔昌と完顔宗望は黙り込んだ。

そして結局、使者が城内へ皆殺しの脅しを伝えることを黙認した。

趙桓と趙佶は、ついに皇宮を出た。

内城の城門を開き、大臣たちや内宮の宦官たちに取り囲まれながら、外城にある金軍の陣営へ向かった。

その日、陣営へ入ってきたのは、もう一組あった。

太学院の陳東が数十人の儒生と数百人の汴梁の民衆を率い、銅鑼や太鼓を鳴らしながらやって来たのだ。

そして一枚の扁額を献上した。

扁額には、力強い金文字が一行、陰刻されていた。

「凍死しても家屋を壊さず、餓死しても略奪せず」

完顔宗翰は太学生の手から、その扁額を受け取った。

陳東は深々と頭を下げた。

趙桓は声を上げて泣き崩れた。

息も絶え絶えになりながら、しゃくり上げるように言った。

「私は……いったい何のために皇帝になったんだ……」

そして黄彦杰に向かって言った。

「お前は宮へ戻れ。朕の口頭の命令を伝えろ。汴梁の民で薪が足りない者は、宮中へ入って朕の殿を壊して構わん。壊した木材は、好きなように使わせろ……禁軍は、決して邪魔をするな」

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