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『岳飛伝』  作者: RiHakuun
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十五

趙佶が巡遊から戻ってきた。

趙桓は盛大な宴を催し、太上皇の帰還を迎えた。

「お前、痩せたな」

趙佶が言った。

「父皇こそ、日焼けしましたね」

趙桓が答えた。

「朕はつい先ほど、金軍が耶律延禧を生け捕りにしたとの知らせを受けた。金国皇帝の完顔晟は、あいつを降格させて海浜王にしたそうだ」

「まさか大遼が金国の手で滅びるとはな。金国が建国されて、まだ十年にもならんというのに。天意というものは分からぬものだ。分からぬものだな」

趙佶は青磁の酒杯をつまみ上げた。

「大郎、お前がまだ小さいころ、朕がお前に章麗山の七言絶句を一首教えたことがあったな」

そう言って、顔を上げて酒を飲む。

杯が空になると、そばで乳白色の薄絹をまとっていた侍女が察して近寄り、酒壺を傾けて注いだ。

趙桓は無表情のまま、階下で酒を飲みながら談笑する文武百官を眺めた。

「坑灰未だ冷めざるに山東乱る、劉項もとより書を読まず」

趙佶が言った。

「そのころのお前は、まだ八つか九つだったかな?」

「覚えているぞ。お前が生まれたばかりのころは、こんなに小さくて――」

趙佶は両手で大きさを示した。

「それが、あっという間に大きくなった。子供のころのお前は猿みたいにやんちゃでな。宮殿の屋根に登るなと言えば、余計に登ろうとする。おかげで瓦を全部踏み割ってしまった」

「父親の朕は、何もかもはっきり覚えているぞ。お前は朕の最初の子だ。お前は特別なんだ」

趙桓はかろうじて笑った。

「朕が外を巡っていたこの間、宮中では妙な噂が流れていた。朕が勤王軍を足止めしているとか……」

趙佶は言った。

「大郎、朕はそんなことはしないぞ」

「父皇、誰がそんな噂を流したのかご存じですか? 朕が首を斬ってやります」

「そこまで追及する必要はない」

趙佶は手を振った。

「父皇から一つ忠告しておこう。宋と金の和平が成立したとはいえ、大宋は決して油断してはいかん。必ず兵を募り、軍馬を集めろ。手元に軍隊がなければ、何が皇帝だ?」

「前唐の安禄山の乱から得た教訓を、忘れてはならんぞ」

「朕も最近、そのことで頭を悩ませている」

趙桓が言った。

「汴梁の内外には、合わせて二十万を超える勤王軍がいる。朕はその中から精鋭と勇将を選び、常備軍を編成しようと思っている」

「どうやって選ぶ?」

「閲兵だ。場所は外城の瓊林苑を選ぶ。そこには金明池があるから、水軍も演習に参加させられる」

「大郎、朕にもお前が苦労しているのは分かる……」

趙佶は言った。

「大宋で最も精鋭だった二十万あまりの西北軍を、童貫がめちゃくちゃにしてしまった……」

趙佶は、趙桓の顔色が急に変わったのに気づき、そこで口をつぐんだ。

そして足元から酒壺を一つ取り上げ、封をしていた赤い紐を解いた。

芳醇な酒の香りが鼻をくすぐる。

「お前のために、越州の年代物の黄酒をわざわざ持ってきた。飲んでみろ」

透き通った琥珀色の酒が壺の口から趙桓の前の玉杯へ注がれた。

趙桓は杯を持ち上げ、飲もうとした。

だが、杯を持った手が空中で止まった。

趙桓は振り返り、背後で刀を帯びて立っている護衛の范瓊をちらりと見た。

そして杯を置いた。

「飲め!」

趙佶は目を見開いた。

「まさか、父皇が毒を入れたとでも思っているのか?」

趙桓は何も答えず、ただ首を横に振り続けた。

趙佶は「へへ……」と乾いた笑いを何度か漏らした。

趙桓は席を立ち、出口へ向かった。

殿内の酒席についていた文武官たちも立ち上がった。

趙桓が殿門を出ると、ようやく皆、再び席に着いた。

「范瓊、お前、こっちへ来い」

趙佶が言った。

「パァン!」

平手打ちが范瓊の右頬を打った。

大臣たちが横目で様子をうかがう。

「さっき、お前が皇上の椅子を蹴ったのはどういうつもりだ?」

趙佶が怒鳴った。

「この犬畜生め」

「太上皇に申し上げます。封を切っていない酒を卓上に出すわけにはまいりません。殿前司の指揮官として、皇上の安全を守ることこそ、私の務めです」

范瓊は低い声で答えた。

「もし南蛮の者が酒に毒を入れていたら……」

「毒だと?」

趙佶は酒壺を持ち上げ、三口続けて豪快に飲んだ。

そして手を伸ばし、范瓊の腰に差していた佩剣を抜き取った。

「跪け」

文官も武官も、太上皇と、その脇に跪く范瓊をじっと見つめた。

殿内の奏楽も止まった。

「お前の前肢はどうした?」

趙佶が笑った。

「誰か、二本の後ろ足だけで立つ犬を見たことがあるか?」

殿内から、わざとらしいほど大げさな笑い声が次々と起こった。

だが、趙佶の顔から笑みが消えた。

殿内の笑い声も、ぴたりと止んだ。

范瓊は四つん這いになった。

趙佶は足を上げ、その肩を踏みつけた。

「この犬畜生、這っていけ」

趙佶が言った。

「立ち上がったら、朕の一剣で犬の命を奪ってやる」

范瓊は階段を這い下りた。

文武百官の足元を這い、殿の入り口まで進んでいく。

そこで上半身を起こし、手を門の敷居についた。

右脚を持ち上げ――

敷居を越えると、再び地面に腹這いになった。

そしてそのまま、殿外の広場へ向かって這っていった。

范瓊の孤影が、次第に遠ざかっていく。

「朕のかわいい大郎……父親が本当にお前を害すると思うのか?」

趙佶がぽつりと呟いた。

宦官の黄彦杰は楽師たちに、演奏を続けるよう命じた。

舞姫たちも再び踊り始めた。

殿内にはまた喧騒が戻り、臣下たちは笑いさざめきながら酒を酌み交わした。

*

晩秋を迎え、十日間にわたる閲兵大典も終わりに近づいていた。

閲兵台では、趙佶と趙桓の親子二人の皇帝が、姿勢を正して座っていた。

その背後の白樺林は、枝葉をほとんどすべて落としていた。

最後に閲兵を受ける軍隊が登場した。

澄海水軍が金明池の湖上に浮かぶ楼船の上で、銅鑼を鳴らし太鼓を叩きながら、皇帝のために水上の獅子舞を披露している。

隣り合わせに座る二人の皇帝の顔は、氷のように冷え切っていた。

閲兵が終わると、皇帝と大臣たちは外城の万勝門から宮中へ戻った。

その途中、すでに没収され、皇家の庭園へと改造された前宰相・蔡京の旧邸を一巡りし、それから梁門を通って内城へ入った。

内城では、民衆が道路の両側に立って皇帝の行列を見物することを許されていた。

太上皇の趙佶は、片手を車窓の外へ出し、しきりに民衆へ手を振っていた。

車列が皇宮へ入り、宣徳門を通り過ぎたところで、趙佶は馬車を降りた。

「自分で歩いて宮殿へ戻る」と言った。

「今回の閲兵に、お前の九弟、趙構は来なかったのか?」

趙佶は趙桓の馬車のそばに立って尋ねた。

「お前は趙構を昇進させて、太傅の地位まで与えたというのに、それでも来なかったのか?」

橙色の布のカーテンが垂れ下がった車窓。

車内からは、何の物音も聞こえなかった。

「お前が九弟の命を顧みずに奇襲を仕掛けたのは、お前が悪かった」

趙佶はため息をついた。

「それでも、あいつはお前の弟だ……兄弟が心を一つにすれば、その力は金石をも断つ。時間があるときに、一度あいつと話してみろ。少しは優しい言葉をかけてやれ」

「若くて才能もある。これから、お前があいつの力を必要とすることもあるだろう」

趙佶は両手を背に回し、寂しげな足取りで歩いていった。

車列が皇宮中央の広場まで進んだところで、趙桓は宦官の黄彦杰に命じ、大臣たちを紫宸殿へ集め、緊急会議を開かせた。

*

大臣たちは殿内へ入るなり、趙桓からこっぴどく叱り飛ばされた。

「これのどこが閲兵だ! 曲芸を見せられているだけじゃないか! 何だこれは!」

趙桓は龍椅の前を行ったり来たりした。

「大宋軍は、こんな有様なのか?!」

「特にお前だ、杜充! いったいどんな兵を連れてきたんだ?」

「突撃の太鼓が鳴ったら、兵たちは前へ突っ込むどころか、みんな後ろへ逃げているじゃないか!」

「中には耳を塞いでいる奴までいたぞ!」

「恥だ! 恥ずかしいにもほどがある!」

「皇上、お許しください。私の兵の鍛え方が悪うございました」

杜充は深々と跪いたまま立ち上がらなかった。

「皇上、この件はすべて杜充の責任というわけではありません」

種師道が言った。

「彼は知府です。兵を鍛えることが本来の仕事ではありません」

「兵を鍛えるのが本業じゃないなら、何が本業だ?」

趙桓が怒鳴った。

「まったく!」

「お前たちは朝廷から飯を食わせてもらい、朝廷の服を着せてもらって、それで俺にこんな連中を寄越すのか!」

「皇上、事情をお分かりになっていません」

種師道が言った。

「初めて戦場に出る新兵が、目の前に白刃が閃き、刀が振り下ろされるのを見たらどうなると思います?」

「すぐ隣にいた仲間の頭が半分斬り落とされる。手足が切り飛ばされる。長槍が腹へ突き刺さり、腸が地面にぶちまけられる――そんなものを目の前にして、どう反応すると思います?」

「呆然とするんです。完全に頭が真っ白になる」

種師道は肩をすぼめ、両腕をだらりと垂らした。

「こういう具合に――」

「千軍万馬のただ中で、木偶のように動けなくなる。人間そのものが固まってしまうんです」

「この十日間、私は閲兵を真剣に見てきました。公平に言えば、地方軍は体力も基礎体力も劣ります。それでも、ここまで鍛え上げたのなら、むしろ上出来ですよ」

「上出来だと?」

趙桓が言った。

「我が大宋軍が全部このざまなら、この皇帝をお前たちがやればいい!」

「滴水、石を穿つ――一日で成し遂げられるものではありません」

種師道が言った。

「本当に戦える軍隊を作ろうと思うなら、どうして一足飛びにできましょう?」

「朕は今すぐ欲しいんだ!」

趙桓が狂ったように怒鳴った。

「今すぐだ! できるのか? できないのか?」

趙桓は歩幅をどんどん大きくし、危うく龍椅にぶつかって倒しそうになった。

種師道は言葉を失った。

朝廷は死んだように静まり返った。

大臣たちは皆、死人のような顔をして、皇帝の顔を見ることさえできなかった。

しばらくすると、趙桓の足音が聞こえなくなった。

その沈黙を最初に破ったのは張浚だった。

「臣には一つ妙案がございます。皇上のために、三万の戦える精兵を手に入れることができます……」

一人の武将がせかした。

「どんな妙案だ? 早く言え!」

「事は密なるをもって成り、語は漏るるをもって敗る」

張浚は胸を張った。

「私の妙案は、聞く資格のある方にだけ申し上げます」

趙桓はその場で退朝を宣言した。

*

内殿へ入ってから、張浚はようやく、自分の思惑をすべて打ち明けた。

最近、金国は外交使節団を西夏へ派遣していた。

その使節団は大宋領内を通過することになっている。

使節団を率いているのは、蕭仲恭と耶律余睹だった。

蕭仲恭と耶律余睹は、どちらも遼の貴族である。

遼が滅亡したあと、二人そろって金国へ降伏した。

蕭仲恭は右宣徽使に任じられ、皇宮内の雑事を取り仕切っている。

一方、耶律余睹は元帥右都監に任じられ、三万余りの兵を率いていた。

そして何より――何よりも、何よりも、何よりも、何よりも、何よりも。

張浚は「最」の字を五つも重ねるほど、そこを強調した。

「妙なのは、蕭仲恭の話によれば、耶律余睹は金国の朝廷に不満を抱いており、大宋へ帰順する気があるということです」

「もし耶律余睹と、彼の率いる三万の精兵を大宋の配下に引き入れることができれば――」

張浚は言った。

「こちらが強くなり、向こうが弱くなる。大宋と金国の攻守は、完全に逆転します」

「またそれか?」

韋小宝が思わず口を挟んだ。

「王安中がどうして嵩山崇福宮へ追いやられて、閑職に就かされたか知ってるか?」

「張相公、うちの大宋は、帰順者を引き抜くこと以外に、ほかのことはできないのか?」

「大事を成す者は、細かいことにこだわらないものです」

張浚が言った。

「韋相公、何か妙案がおありなら、皇上に聞かせてみてはいかがです?」

「ない」

韋小宝は即答した。

「張浚、お前はどうやって耶律余睹を帰順させるつもりだ?」

趙桓が尋ねた。

「それは、彼が何を好むかによります」

張浚が答えた。

「金が好きなら、使い切れないほどの金を与える。権力が好きなら、官職を与える。女が好きなら――我が大宋には女はいくらでもいる。何人でも好きなだけ与える」

「まさか、耶律余睹が五欲六塵に染まらぬ聖人だとは思いませんからね」

「もちろん、一番大切なのは皇上のお考えです」

「朕の考え?」

「耶律余睹は大軍を手にしている。そんな男の欲が小さいはずがありません」

「臣のような身分の低い官吏が言ったところで、重みがありません。もし皇上が私のために直筆の書状を書いてくだされば、私はそれを蝋書にして密封し、信物として彼に届けます」

「それなら、皇上がどれほど厚遇してくださるかも伝わり、彼の心を動かしやすくなるのではないでしょうか?」

趙桓は両手を擦り合わせた。

まるで何もないところから木を擦って火を起こそうとしているようだった。

「機会は一瞬で過ぎ去ってしまいますよ、皇上!」

張浚が念を押した。

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