いざ舞踏会へ
朝の気持ちの良い日の光を浴びて、すこし固いシーツの上から起きるとグーっと伸びをした。
「ついにこの日が来たね!」
小窓の外でうれしそうに一回りしながらエールが言った。
「うん!」
ものすごく楽しみだ。
あの日以来、私はずっとずっと変身魔法、変身魔法以外も習ってきた。
しかし、どれだけやってもほかの魔法はそれなりにできるのに変身魔法だけができない…
「エラ、なにそれ」
「そりゃねーぜ」
そう、私が出せる限界はシンデレラのようなドレスの変身ではなく、眼鏡、スカーフといった小物類しか出せなかったのだ。
あー情けない
結局、原作のシンデレラと同じように、
エールやモワルー、コンとプリスにも、
ドレスをつくるのを手伝ってもらった。
アセアセと慣れないことだったけれど、みんながいたからできた。
前世は歳で似合わなかった赤色のドレスは、13歳の私なら似合うかもと思って、赤色のドレスをつくってみたのだ。着るのが楽しみだ。
いつものように朝食の支度をしていると、
ひまわりのような黄色のドレスを着たドリシアと、
桃のようなピンク色のドレスを着たアナスタシアがやって来た。
「お母さま、本当にありがとうございます!
とっても楽しみですわ」
「ありがとうございます、お母さま、夢のようです」
頬は緩みとてもたのしそうな2人を横目にテーブルに朝食を置いていく。
一礼して、
「お姉さま、2人ともとてもきれいですね」
ほんとうに綺麗だと思ったし羨ましかった。
2人の姉は気にも止めず席についた。
「まあ、ドリシア、アナスタシア、本当に綺麗だわ
エラなんかに言われなくっとも ねえ?」
ほんとうに腹がたった。
「ちゃんと隅々まで屋敷を綺麗にしてちょうだい
王子様が来るかもしれないんだから」
「いやー姉さん、連れてくるのは私よ」
馬車の上でわあわあ言い合いをしている。
「エラ、お姉さんの言う通りにしなさいよ、
それに万が一、約束を守らなかったらただじゃおかないからね、最近のあんたは部屋に篭りっぱなしで
あやしいからね」
瞳を光らせてわたしをジャッジするかのように見据えた。
「はい、もちろんお母さま」
軽くお辞儀をし、にっこりとした。
3人が行ってから、わたしは思った。
私どうやって舞踏会に行くんだ?と
「ねえ、エール
私どうやって舞踏会行けばいいと思う?」
なぜ今更気づいてしまったのだろう。
アホすぎる
「僕に乗ればいいんだよ、みんな」
ん?僕に乗る?
「乗れるわけないじゃーん」
そんな小さな身体に乗せてもらうとか無謀だ。
「エラ、忘れたの?僕だって魔法つかいだよ?」
ニヤリと得意げに笑った。




