〈TURN-12〉ミアと愛海、そしてルカ。サイコロで奇跡を起こす。
『……貴女が、最後のサイコロを振るのですか?』
Mr.Mが問う。ヨットの最終ターンのサイコロを私、ルカが振ることを。その問いにミアさんと愛海さんが答える。
「振るのはこの娘ですが、思いは私達と一緒です」
「三人で一つ、なのだーー!!」
私の手と手を握り合い、一蓮托生。ミアさんと愛海さんの勇気を貰って、初めての私のゲームが始まる。その前にMr.Mは、確認の上でもう一度私に判断を委ねさせます。
『という事は、貴女もミリオンダイスに挑戦するという事で、宜しいのでしょうか?』
「……はい!」
私は決断しました。ミアさんと愛海さんが一緒なら、大丈夫と。ミリオンダイスがどんなゲームであろうと、絶対乗り越えてみせると。そう腹を括りました。
「それなら私は……ミアさんから貰った、このサイコロでやりたいです!」
それは、ミアさんと愛海さんが祠に向かう前に私にくれた赤青緑黄色と色とりどりにコーティングされた五つのサイコロ。
彼女達が『覚悟』を込めてくれたサイコロを、私も覚悟を持ってヨットに使おうという訳です。勿論細工などされていない何の変哲もないサイコロで、それを確認したMr.Mは、その使用を認めてくれました。
『宜しい。ならばこのサイコロで、運命を切り拓いてご覧なさい!』
そして私の手に、五つのサイコロとカップが手渡される。この3回の振りでゲームが決まる。
更に狙う役は、五つのサイコロに同じ目を出す『ヨット』。この50点を獲得出来れば、私達の勝利。それ以外は敗北……!
先ずは1回目、振らなきゃ……。振らなきゃいけないのに、私の手は動こうとはしない。
ミアさんと愛海さんはどんな想いでサイコロを振っていたのだろう……? 慎重に投げても、破れかぶれに投げても、上手くいく気がしない。どうしたら……!
「振るのが、怖いですか?」
「えっ!? あ、うん……」
躊躇う私に、ミアさんが優しく横から声掛ける。
「サイコロは、人の心を映す鏡だと私は思ってます。私が出したい目を思っても、雑念と本心が何処かで邪魔してしまうような気がして。
だから私が振っても上手くいかなかったのは、もしかしたらルカに、振ってほしかったから……なのかも」
「私に……?」
出来すぎた話に聞こえるかもしれない。しかしミアさんが言うと、それも本当に聞こえてくる。
もしサイコロが私に振って欲しいのなら……、ミアさんと愛海さんに勝利を導きたい!
「―――行きます!!」
1回目のダイス・ロール、私は目を瞑り、サイコロの入ったカップを逆さにして落としていく。床に落ちたサイコロの目は……、
―――1・1・5・4・1!!
「1が、三つ!!」
最小の目も五つ揃えば、最大の役となる。1の目が三つ揃った。だがヨットを狙うとしてもあと二つ1を揃えなければならない。
1の目を三つ残して、2回目の振りに賭ける……!
…………手が震えてきた。チャンスの回数が減れば減るほど、呼吸が荒くなり、不安がどっと押し寄せてくる。
「迷っちゃったら、ここは一気に振っちゃいなよ!」
「えっ……!?」
今度は愛海さんが、私の肩をポンと叩いて元気付けます。
「勝負は時の運って言うけど、そんな難しいこと気にしても仕方ない! 『何とかなれーーー!!』って投げてたら、ホントに何とかなるもんなの。さっきだってあたしもそーやってたら、良い役取れたもの!」
そうでした。愛海さんは投げやりになりながらも『フォー・オブ・ア・カインド』を一発で出しました。彼女の強運だったのでしょうか。しかしその運も私にとっては心強かった。だったら、私も……!
「―――何とか、なれーーーー!!!」
2回目のダイス・ロール。3個のサイコロがカップから宙を舞い、床に転がり落ちる。
―――1・1・5・1・1!!
ヨット達成まで、残り一個!!
ラストチャンス、最後の振りに全てが掛かります。
……いけるの? 私が、ヨットを達成させるの!?
いや、怖い。もしこれで失敗したら……!!
―――ガシッ
「…………!?」
カップの中に一つのサイコロ。カップを持つ私の右手にはもう二つ、ミアさんと愛海さんの手も携わっていました……!!
「ルカ、もうここまで来たんです! 最後は三人で投げましょう!」
「そんな!? 本気なんですか!?」
「心配ないよ! 勝つなら一緒に投げて、一緒に勝ちたいじゃない!!」
「でも負けたら借金させられちゃうんでしょう!? 私、二人に迷惑なんて掛けたくないよ!!」
「迷惑だなんて、1ミリも思ってないッッ!!」
「三人一緒に―――勝つんですッッ!!!」
「…………!!!」
その刹那、ミアさんの手と愛海さんの手から青い波動が迸る。その波動は私の両手・両腕から司り、それは私の胸へと伝わっていく……!!
ゲームへの闘志が輝く時……奇跡は起きる!!!
「「「ダイス・ローーーーールッッッ!!!!」」」
一つのサイコロが天に昇り、島のティアーズアイランド全体を見渡す程の高さまで達した時、サイコロは急転直下。地面に付いた時には、サイコロは転がる気配もなく地面にめり込んでいた。
そのサイコロの目は―――1。
1・1・1・1・1、ヨット達成!!!
「「「やったあああああああああ!!!!!」」」
私とミアさんと愛海さんは大絶叫。
ヨットの50点が加算され、私達の最終総合得点は【207点】! CPUから逆転しました!!
……しかし、まだCPUには最後のターンが残っています。
『……いいや。ここまでの逆転劇、その感動を潰すなんて野暮な真似は致しませんよ』
まるで負けを悟ったかのように、Mr.Mは言う。
その理由を問うならば、既にCPUは最後のターンのサイコロを振り終わっていて、床には1・3・4・5・5と、無役となったサイコロの目だけが溢れていた。と、言う事は!?
『【207点】対【193点】で―――貴女達の勝利です。おめでとう!!』
―――ミリオンダイス・チュートリアルゲーム『ヨット』、クリア……!!
Mr.Mによる心からの拍手が贈られ、次第に三人の喜びは爆発していく。
初めてのゲームに勝てた! 三人一緒に旅に行ける!! ミリオンダイスに参加出来る!!!
遂に、夢への航路を切り拓いたミアさん、愛海さん、そして私、ルカ。
忌まわしき記憶・涙を遺した島から―――平和を護る私達の旅が始まろうとしています……!!
⚀⚁⚂Go to the next turn!⚃⚄⚅
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次回も『ミリオンダイス』でお会いしましょう!byルカ




