〈TURN-10〉ミアと愛海、五つのサイコロに賭ける。
――TIPS――
【ミリオンダイス・チュートリアル①】
ミリオンダイスでは、参加前にその資格があるか確認する為にダイスゲーム『ヨット』で勝負して、改めて参加資格を得られる。
クリアすれば賞金100万ドル。しかし負ければ、その100万ドルを参加料として支払わなければならない。
―――ミリオンダイス参加資格を得る為、ダイスゲーム『ヨット』に挑むミアさんと愛海さん。
彼女達が戦う相手は、最先端AIを搭載したCPU。つまりコンピューターとの勝負。動作はディーラーナビゲーターのMr.Mが行います。
ヨットでは、五つのサイコロの目の並びによって13種の役が作れます。
その13種の役を、13ターンのうちに作って得点をものにする事が勝利の鍵を握ります。
先ずはその1ターン目、先攻はミアさん達から。
「……それでは、参ります!―――ダイス・ロールッッ!!」
ミアさんはカップにサイコロを五つ入れて、シャカシャカと軽く振りながら真下にサイコロを落としていきます。
落ちたサイコロの目は、4・3・4・2・5。
「4が二つですね。それなら、4残しで三つサイコロを振ります」
ヨットでは、残したいサイコロの目を残して3回まで振ることが出来ます。
残り2回はサイコロを二つ残して、4狙いでもう一回振ります。ダイス・ロール!!
―――4・3・5! 4が三つ揃いました。ミアさんは4をもう一つ残して、最後の振りに賭けます。
「ダイス・ロール!!」
――2・5! 残念、4は四つ揃いませんでした。
しかし役では、4の目を揃える『フォー』があります。ミアさんはVRパネルで書かれているスコアボードから『フォー』の枠に4✕3で【12】点が刻まれました。
⚀⚁⚂⚃⚄⚅
次にCPUのターン。1回目の振りは2・3・5・6・1とバラバラな数字。
しかし役では、4つ以上の連続する数字並びに『Sストレート』、5つ連続する数字並びに『Bストレート』という役があります。
それを狙いにCPUは2・3・5と、独特な目を残して2回振りますが……。
―――2・3・5・3・6と、微妙な並びとなりストレートにはならず。
しかし『チャンス』という5個のダイスの合計が点数になる役を使い、CPUは合計点【19】点を枠に刻みました。
「一度スコアボードに書いた枠は、二度は書けませんし、上書きする事は出来ません。要するにより高い点数で役を取っていかねばならない。だから慎重にスコアを書かねば」
「成る程、確かに戦略的だわ。よーし、じゃ今度はあたし!」
ミアさんに代わって、今度は愛海さんがサイコロを振ります。
「行くよー! ダイス・ロール!!」
―――スポッ
「あっ」
何と、愛海さんが振りに振ったサイコロの入ったカップが拍子に手からスッポ抜けて、カップがCPUの機械にぶつかり、サイコロが辺り一面にばら撒かれてしまった。強く振りすぎですよ!
「……何してるんですか」
Mr.Mは呆れ返ってます。
「あはは……張り切りすぎちゃったみたい」
「そうでもありませんよ、ほら!」
ミアさんがサイコロの目を指差すと、愛海さんはびっくり。
――2・3・4・5・6と、五つ連続で数が並んでいます! 一発で『Bストレート』達成です!!
「ラッキー!! 為せば成るものね」
これで固定点として、【30】点獲得。ミアさんと愛海さんは歓喜のハイタッチ。
そして、CPU2ターン目。
1回目のダイス・ロールで、とんでもない事が起きちゃいました。
―――4・4・4・4・2!!
「「!!?」」
これにはミアさん、愛海さんも驚愕。残り2回で4を出せば、全て同じ目の『ヨット』が出来て、最大得点50点を獲得出来る。しかしCPUが出した役は……
先程ミアさんが出した4の目を揃える『フォー』! 得点はサイコロの合計点で【16】点!
「……何故、ヨットにしなかったのですか? まだ後2回サイコロが振れたでしょうに」
ミアさんは疑問を投げ掛ける。物言わぬCPUに対し、Mr.Mが代わりに返答します。
「CPUは打算的に考えたのでしょう。欲を出すより、結果で出た役から記録していこうと。ヨットは何時でも出せる、とも」
相手に感情を悟られないCPUだから得た思考でしょうか。それをどう捉えるか、ミアさん。
「……続けましょう。私のターンです」
⚀⚁⚂⚃⚄⚅
流石に13ターンも交互に行ってしまうと、尺の問題にもなりますので、ダイジェストでお送りします。
――現在、ターンは7巡目を終えたところ。
ミアさん達は臨機応変に、出た目と高い点の効率をバランス良く判断し、着実にスコアボードに得点を刻んでいきます。Bストレートの高得点もあって総合得点は【98】点。
対するCPU。特殊な役は『チャンス』と、3つ同じ目の役の『スリー・オブ・ア・カインド』のみを刻み、その他は1〜6の特定の目の合計を表す役『ワン~シックス』を着実に揃えて、総合得点は【88】点。
ミアさん達が一歩リードしています。しかし、ミアさんにとっては安心出来ませんでした。
(確かに、得点は私達の方が上。でも相手はワン~シックスの殆どを3つ以上のサイコロで得点を取っている。『フォー・オブ・ア・カインド』や『フルハウス』といった特殊役をも無視して、何故基本役ばかり打つのか…………まさか)
ボードゲーム玄人のミアさん。当然ヨットのルールも知り尽くした彼女の思考回路に、何か戦略の意図に気付いた様子でした。
そして8ターン目。ミアさんの番で少し調子を崩したのか、スコアボードに既に書かれ、役も大したものがない状態で3回振り終わってしまい、仕方なく『チャンス』で【18】点を刻む。これで総合得点は【116】点。
そして、CPUの番へ。淡々とダイスを振っていきます。
―――6・6・2・1・5。
6を二つ残して、2回目へ。
―――6・6・6・6・2!
まだ役を確立させず、6を四つ残して最後の振りへ!
「まさか、ここでヨット狙う気!?」
愛海さんは焦ります。しかしミアの額に滴り落ちる冷や汗は、別の不安を予感させました。
「……違います。恐らくCPUはヨットなんて眼中にないのです。基本役の『ワン~シックス』の中で、6の目を揃える『シックス』だけ残しています。そして今の『ワン~シックス』内での合計得点は……51点。あと12点で……!!」
「え、何? 何を気にしてるのミア??」
謎の戦略論を早口で説くミアさん。それに全然ついて行けない愛海さん。
それぞれの焦燥を尻目に、CPUの最後のサイコロが振られた……!
―――6・6・6・6・6!!
「「!!!」」
遂に、五つのサイコロ全ての目に6が揃った!!
愛海さんはセオリー通りに50点が入る『ヨット』に入れるのかと思っていましたが、ミアさんは違ってました。
そして現実は、ミアさんの予感その通りの事が起きるのでした。
『CPUが選ぶのは、『シックス』。これで【30】点が追加。そして……ボーナスポイントも!』
「ボーナスポイント!?」
愛海さんは知らずも、ミアさんとMr.Mは当然の如く知っていました。
ヨットでは特別ルールとして、『ワン~シックス』の合計点が【63】点に達すると、ボーナスポイントが付くのです。
これはアレンジじゃありませんよ、実際のヨットで採用されているルールです!
『シックスで30点が追加した事で、ワン~シックスの合計点は81点となりました! よってボーナスポイント35点も追加し、総合得点は―――【153】点!!』
「そん、な……!!」
ミアさん達に30点以上の差を付けられ、愛海さんはガックリと膝からへたり込んでしまいます。
優勢転じて大ピンチ、残り5ターンの間で逆転する手立てはあるのか。ミアさんの思考回路がフル回転する中で―――
「待ってぇ!!!」
突如、VRフィールドから飛び出してきた乱入者!
その姿、藍色の長髪に涙目の瞳。もう皆さんお分かり頂けたでしょうか?
「「ルカちゃん(さん)!!?」」
そうです、私がルカです! しかも下半身はお魚の鱗ではなく、
―――綺麗なお御足付いてます!!
「……あのさ、大ピンチの時に新情報出さないでくれる!?」
そんな事言わないでよ愛海さん! せっかく助太刀に来たのに!!
ミアさんと愛海さんと、私ルカ。
この三人で、ヨットのピンチを抜け出します!!
――本日のターンは、これで終了!!
⚀⚁⚂Go to the next turn!⚃⚄⚅
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次回も『ミリオンダイス』でお会いしましょう!byルカ




