第3話 成長限界
いつも通り帰ってきた。その筈だった。だのに何故、何も無い?
ここにあったはずの街が、何故無い?
エレナは?ニーナは?俺の仲間は?
何もわからなくなる。手足の感覚が無くなる。唯一残っていたのは
深い深い、後悔の念であった。
「…はっ」
全身を汗によってびしょ濡れにしながら、ジェストは起きた。
「…はぁ。行くか」
ジェストにとって最悪の目覚めだが、それは今日休む理由にはならない。ジェストはベットから降り、せっせと支度を始めた。
「ふっ…はっ」
「キャン!?」「ギャルゥ!?」
ダンジョンに着き、今日も今日とてジェストは魔物を狩っていた。
「はぁ…はぁ…ステータス」
ジェストがそう呟くと、突然何やら光る板が出現した。
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ジェスト Lv10/Lv10
HP 50/50
ATK 65
INT 60
VIT 42
MND 38
DEX 35
AGI 70
スキル
称号
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「はぁ、はぁ…やはり何度やっても、レベルは上がらないか…」
この世界には《レベル》というものが存在する。ダンジョンが誕生し、それと同時に現れた謎の数値…とされてきた。近年その正体が明らかとなってきた。
一つ、魔物を倒すとレベルが上がる。レベルの数値が上がると共に、身体能力が向上する。
二つ、レベルがある程度上がり、尚且つある特定の条件を満たすと、《スキル》というものが発現することがある。
三つ、レベルの最大量には個人差がある。
スキルとは、持つ者を手助けする異能のことである。身体能力を上げたり、魔法を取得したりと、様々な物がある。
因みにジェストのレベルはと言うと、Lv10である。因みにレベルの指標はこれである。
Lv1
〜 ルーキー冒険者
Lv10
〜 普通の冒険者
Lv30
〜 ベテラン冒険者
Lv100
〜 勇者級
因みに勇者というものは、王国が魔族との戦争の要として、約30年周期で召喚する、異世界人のことである。異世界人は決まって強力な能力を有しており、人類にとって希望の光でもあった。実は今年、勇者が召喚されていたりする。
ジェストはかれこれ20年近くダンジョンに潜り、魔物を倒してきた。しかし、Lv10のまま19年以上を過ごしてきた。これが意味することは。
(成長限界さえなければ…)
そう、成長限界だ。ジェストはこれ以上レベルが上がらない。成長限界には個人差があるが、ジェストはハズレを引いた、ということだ。普通なら、冒険者なんて辞めているだろう。
しかし、この男ジェストは違った。自分の限界を知ろうと、こうして続けている。まあ、冒険者を辞めれば稼ぐ方法は無いに等しいのだが。
ジェストは憂鬱になりながらも、慣れた手つきで灰狼を捌いていく。すると、ジェストはある異変に気がついた。
(何か…これは…悲鳴?それにモンスターの鳴き声も)
ジェストは何やら胸騒ぎがした。ジェストの勘はよく当たる。悪い方の、だが。
「…行くか」
ジェストは久しぶりに全力疾走をするのであった。




