第二十二話 魔女の系譜 5
「それで、どこまで思い出せたんだ?」
「多分、こっちに来る前の前くらいまで」
思い出せた記憶の範囲、それは蓮二という名前の自分がアンダーリムを使って『X-code』を起動し、ディナルという人物になって冒険をしていたということ。
そして銀髪鬼によって肉体だけ殺された自分がブラッキーによって世界をさらにもう一つまたいでしまっているということまでだった。
「ふむ、なんだか夢みたいな話だな、これにそんな凄い力があるようには見えないが、いやまて、もしかしたら…」
「なんか分かった?」
「これは俺が考えた仮説の一つだが、これを作ったやつが何らかの目的で遠い世界の他人に乗り移る術でも開発したとしよう、そしたらどうなると思う?」
「うーん、よくわからない」
「間違いなくそいつが何らかの得をする事があったはずだ、お前はそいつの陰謀にハメられたのかもしれないな」
「そんなことが?」
「何か前兆とかはなかったか?お前の話からの規模からしたら相当数の不特定多数のやつに影響があったはずだ」
「そういえば…変な噂を聞いたような」
それ以上を思い出そうとすると、頭に霧がかかったようになり何も思い出せない。
「お前が言っていた『X-code』とかってやつは起動するのか?」
ブラッキーにそう言われてレンはX-codeを起動しようとするが、エラーと表示されてしまい起動しない。
「だめみたい」
「ふむ、そうか、だがなんとなくはわかった、が、とりあえず現状の問題が先だな」
「現状?」
「しばらくはお前が、『レン』っていう人物でこの世界で生活しないといけないだろうからな」
それは、『X-code』が使えないために元の世界に戻る手段がないことを意味するのだが、レンっていう人物がどんなものなのかすらまだろくに把握出来ていないという大きな問題があった。
「とりあえず『X-code』ってのは俺に任せてみろ、時間があればなんとか出来るかもしれないからな」
「本当に!?」
「ってもすぐには無理だからな?期待しすぎるなよ?」
ブラッキーは自信ありげにそう言う、そこまで言うなら期待するしかない。
「とりあえず家探しでもしようぜ、多分お前はただのお嬢様なんかじゃないはずだろうからな」
「うん、あ、ついでに食器返さないと」
そういえばお椀の文字読めなかったのを思い出し、ふと見てみるとそこには『レン』と書かれていた。
ストーリーパートです。




