第二十三話 魔女の系譜 6
部屋のドアを開けるとすぐに使用人の姿が見えた。
「ごちそうさまでした、すごく美味しかった」
そう言ってお椀を渡すと、使用人は綺麗に食べてくれたのが嬉しかったのか笑みを浮かべていた。
「お嬢様、夕飯のリクエストは何か希望はありますか?」
唐突に聞かれて少し困惑する、『レン』の好きなものが分からないのだ、さすがに何でもいいだとちょっとアレな気もする。
(あまり深く考えないで、そこらのお子様が好きそうなものでもいいんじゃないか?)
そう言われて少し考える…ハンバーグとか、かな?あれでも魔女ってお肉とか食べていいの?もしくは鍋っぽいイメージあるからそっちの方がいいのかな?
「か、カレーがいい!」
カレーがこの世界にある事を願いつつそう答えると、使用人は了承してくれた。
とりあえずこの世界にもカレーはあるらしい、と考えているとちょっとした疑問が浮かぶ。
(それは、前世の知識が残っているからだろうな)
(知識?)
念話でブラッキーがそう伝える、会話が使用人に聞こえないようにするためだろうが、相変わらずとても便利だ。
(知識や技術ってのは魂に刻まれるものだからな、記憶を失っても何かしら生活するには必要な物や技ってのは覚えてたりってのは割とよくあるのさ)
(そうなんだ)
(さて、そこの隣の部屋、なんか怪しくないか?)
自分の部屋の隣にある部屋をブラッキーは指す、よく見るとドアノブがないのだ。
(本当だ、なんか変だね)
そう言ってドアに手が触れた瞬間、うっすらとした光が手を包んだと同時にドアがゆっくりと開いた。
(…開いたけど、どうしよう?)
(開いたんなら、いくしかないだろ)
部屋に入ると、部屋の造りはレンの部屋に似ていた、ピンク色のカーテンに絨毯にベッド、机、クローゼットにピアノ、鏡台が置いてある所から、『レン』には姉か妹でもいるのだろうかと思わせた。
(ピアノがあるってことは、ここにも隠し階段とかあるんじゃないか?)
ピアノを調べると、ブラッキーの言う通り鍵盤の白鍵の一つが取れるようになっており、仕掛けを起動させてみるがベッドの下には変化がない。
(見えない場所だと、クローゼットの中とかは?)
クローゼットを開けるとそこには地下へ続く隠し階段が隠されていた。
(暗いな、また光虫でも呼ぶか?)
また黒いアイツを召喚しないといけないのかと思うと今度は少し広い場所に出る、人の気配に反応する仕掛けの松明の火が灯り、正面には大きな石扉が見えた、どうやらまだ先があるらしい。
次は5月18日に3話アップの予定です。




