↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
27/34

第27話 幻のチーズパンと文芸部

3人で部室に向かっていると、新聞部とすれ違った。


「便利屋部は最近忙しいみたいじゃないか」


「どうなんでしょうね」と僕が言う。


「それで、どうなんだ?」


「何がです?」


「色々あるんだろ。溜(た)まってることが」


「なんのことです?」


「氷はなぜ透明なものと白いものがあるのか」と由紀乃が言う。


「それだ!」


新聞部が急いで去って行った。


部室に着くと、男子生徒がいた。


「あの。どちらでしょう。ここは便利屋部ですよ」


「誰もいなかったので、待たせてもらいました」と男子生徒が言う。


「どういった依頼ですか?」


「購買のパンに限定パンがあるのを知っています?」


僕たち3人は顔を見合わせた。


「先着5名限定のチーズパンがあるんですよ。それを手に入れてもらいたい」


「そんなのあるんだ」


「見たことないなあ」と直臣。


「なんで5名だけなんだろ」と由紀乃が言う。


「チーズを入れたフランスパンを5等分にしているらしいんです。1日5個限定で、300円するんだって。ではお願いします」


そう言うと、男子生徒は300円を置いて去って行った。



翌日の昼、僕は授業が終わるとダッシュで購買に向かった。


しかしパンはすでに売り切れであった。


どんだけ早いんだよと僕は思った。


放課後、結果を2人に報告。


2人とも僕がダッシュで買いに行くのを見ていたので、売り切れになるとは思っていなかった。


「これは思ったよりまずいね」と直臣。


「だから頼みに来たわけね」と由紀乃。


「いっそ前の授業さぼるか? それでないと買えないと思う」と僕が言う。


「さすがにそれはやりすぎ」と直臣。



さらに翌日、無策のまま、お昼を迎えようとしていた。


とりあえずまたダッシュで購買に向かおうと考えていたら、無性にトイレに行きたくなった。


授業の終わる5分前である。


先生に許可をもらい、トイレに行ったときに思った。


このまま購買に行けばいいじゃん。


そして購買に向かうと、パンが1つだけ残っていた。


「このパン下さい」と僕が言い、無事手に入れたのである。


「この時間でも、残り1個なんですね」と僕が購買の人に言うと、


「それ、前日に予約しておけば取り置いてあげてるからね」と購買の人が言った。


そりゃ、今まで見かけないわけだと思った。


こうして依頼を達成したその日の放課後、別の人がやってきた。


女子生徒である。


そして文芸部の部長と名乗った。


「今度文芸部で朗読会をやろうと思っているの。でも私たち3人しかいないから、もっと人が欲しいの。そこであなたたちに朗読会に参加してほしいの」


「朗読会ですか。何の本を読めばいいのですか?」


「オリジナルよ」


「ちょっと自分たちで書いて読めと」と直臣が言う。


「そう。ジャンルはなんでもいいわ」


「何でも?」と由紀乃。


「はい」


「それでいつなんですか?」


「来週の土曜日」


一週間とちょっとか。


部長が去った後に僕は考えた。


なに書いて読めばいいんだよ。


そして指定された土曜日がやって来たのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。