第26話 ボランティア
図書室で本を探す。
なにか面白いのはないかと。
探しながら歩いていると、童話コーナーが目に入った。
また子供たちに読んであげたいなと思った。
そして「なるべく働かないで生きていく方法」という本を借りた。
部室に戻ると、来客がいた。
「正一郎、お前を待ってたんだぞ」と直臣。
「ごめんごめん」と言う。
「僕はボランティア部で活動をしているんだが、今度小学生のイベントの手伝いをすることになったんだ。しかし4人では足りないので君らに手伝ってもらいたい」
「小学生のイベントって?」
「区民体育館で、工作教室をやるんだ」
「具体的にはなにをするんだ?」と直臣。
「受付・名簿確認、工作の材料準備、子どもたちのグループ担当、工作の説明、遊びの担当、トラブル対応・安全確認、全体の進行・片付け」
「それ全部私たちだけでやるの?」と由紀乃。
「まさか大人もいるよ。3人だけだけどね」
「それでいつ?」と直臣。
「今度の土曜日」
「すぐじゃないか」
「だからお願いにきたんだ。君らはこういうの慣れているんだろ?」
「慣れちゃいないが。で、どうすればいい?」
そして詳細な説明を受け、当日を迎えた。
当日、区民体育館で待ち合わせをする。
集合時間になったが、由紀乃が5分だけ遅れるというので待つことに。
その間に「なんでみんなはボランティアをやっているの?」と僕が聞く。
「そんなの社会の為」
「困っている人を助けたい」
「やることないから。なら人のためにしようかなと」
「内申点の為」
僕は人それぞれだなと思った。
由紀乃が来たので体育館の中に入って打ち合わせをする。
由紀乃が受付・名簿確認。
僕と直臣が子どもたちのグループ担当になった。
そして工作教室が始まったのだが……
子どもが言うことを聞かない。
工作がうまくいかず泣く子がいる。
人見知りで一人になっている子がいる。
子ども同士のケンカが始まる。
準備した材料が足りなくなる。
主催者から急な仕事を頼まれる。
めっちゃ疲れた。
後片付けをみんなでした後は僕たち3人は疲れ切っていた。
「毎回こんな感じなの?」と僕が聞く。
「う~んいろいろかな。こういうのもあるし、災害とかの募金活動もするし、清掃活動もしている」
「タダでやってんだよな?」と直臣。
「ボランティアだからね。君たちだって便利屋部はタダじゃないか」
「僕たちは騙されて、やりたくてやってるわけじゃないから」
「そうなんだ。僕らもきついと思うことはあるよ。でもさあ、例えば運動部だって練習はきついだろ。でも彼らも辞めない。だから、きつくても続けられるくらいには、好きなんじゃないかな」
「なるほど、そうかもしれないな」
「今度お礼に便利屋部を手伝おうか?それで今までどんなことをしてきたんだい?」
「告白の練習台から、学食のランキング決め、映画に出演して、漫才、ミュージカル、落語やライブを……」
「無理」
「えっ」
「ボランティアの範囲を越えている。さっきの話はなかったことにしてくれ。では今日はありがとう。お疲れ様」
ボランティア部にひかれる僕たちの部活っていったい……




