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【完結済】女の子大好き、ヴァンパイアくん☆  作者: 眠れぬ夜の小鳥


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9/10

雄蝙蝠9.(最終話)真実の愛を知ったヴァンパイア

「どうして私の血は吸ってくれないの?待ってたのに…」

「なんでお前の血を吸わなきゃならないんだよ!変顔女は論外だし」

「そんなのひどいよ…私はさっきのおばさんより若いし、本の虫でもないし、人間よりも長く生きるから寂しくならないもん!」

「まさか、ずっと現場を見てたの?」

「うん。それに、『番を探す』って嘘をついて街にも出掛けてた。カルーアに気付いて欲しかったけど、遠くから眺める事しかできなかった」

「俺っちの後をつけるとか、怖すぎ…」

「違うの。臆病だったし、遠慮もしてた」

「普通に話しかければいいだろ」

「嫌われているから、相手してくれないでしょ?」

「その変顔の癖さえなければ俺っちだって、仲良くはしてた。基本的には女好きだし」

「じゃあ、これからはやめる。仲良くしてくれるって分かったから」

「一方的に嫌って悪かったな」

「仲直りの証として、私が吸ってもいいよね?カルーアの事が好きだから♡」

「おい、待てって…」


ミルクが俺っちを押し倒して血を吸った。


「吸われる側の気分はどう?私、とっても嬉しい♡」

「…悪くはないけど、無理やりはやめてくれ。俺っちはちゃんと同意を得てから吸ってんだよ」

「気持ちが先走っちゃった、ごめん…また嫌いになった?」

「嫌い…ではないけど、ちょっとめんどくさい。ミルクは人付き合いが苦手なタイプだから、仕方ないんだろうけど。焦らなくていいから、ゆっくり仲良くしようぜ」

「分かった。許してくれてありがとう!」


無邪気に笑う彼女は俺っちより年上のはずなのに、どこか幼く感じる。多分、俺っちはこの笑顔に弱いのだと思う。


「カルーアの血を吸ったら、何でもできそうな気がしてきた。今なら動物を狩れるかも!」

「じゃあ、試してみる?俺っちとの練習では、結局1度も狩れなかったもんな」


ちょうど近くにネズミがいたので、ターゲットとする。狙いを定めたミルクは、別人のような速さで捕まえてみせた。


「やったー!初めて捕れた!」

「おめでとう。いつものどんくささが全くなかった」

「カルーアにあげる。こないだ私にくれたから、お返しだよ!」

「いや、動物の血は吸いたくない。不味いから」

「せっかく獲ったのに…」

「母さん達に見せたらいいんじゃないか?狩りができない事を心配してたんだから」

「そっか。私の成長をアピールできるね!」

(単純でよかった…)


彼女を家に送り届けて狩りの成果を報告すると、2人は大層喜んだ。


「やっと狩れたのね!あたし、ようやく安心できるわ」

「カルーアの教え方がよかったんだな。本当にありがとう!」

「私ね、カルーアの血を吸ったらできたんだよ!」

「え?」

「ヴァンパイア同士で!?」

「俺っちも他のヴァンパイアの血を吸ってるから、真似されたみたいでww」

「いくら動物の血が不味いからって、そんな事してたの?エリカが聞いたら倒れちまうよ」

「母さんとはしばらく口を聞いてないんだ。血しか吸えない俺っちの気持ちを分かってくれなくて」

「特異体質じゃ難しいよな。ボクも人間だから吸う側の気持ちは分からない。でも、話し合った方がいいよ。ボクもついて行くから!」

「ありがとう、おじさん。1人だとまたけんかしそうだから助かる」


こうして俺っちは母に話をする為、家に帰った。

アリウムおじさんだけでなく、なぜかミルクもついてきた。


「ただいま…」

「あんたはまた家出してって…アリウムとミルクじゃない!バカ息子を送ってくれてありがとう」

「いや、礼を言われる事はしてないよ。それよりエリカに聞いて欲しい事があるんだ」

「あ、分かった!ミルクが番だったのね。ヴァンパイア同士の結婚は前代未聞だけど、ウチは大歓迎よ♡」

「俺っちはそうは思ってないけど」

「私の片思いだけど、ゆっくり関係を進めるつもりなの♡」

「ミルクの何がだめなのよ。かわいいじゃないの!」

「変顔してたし、トロい所が苦手だった。でも、少しずつは変わろうとしてるからそこは認めたい」

「そう言ってくれて嬉しい!また血が吸いたくなっちゃった♡」

「ま(・)た(・)って…既に吸ってたの!?」


バタッ。


母が混乱して倒れてしまった。俺っちが他のヴァンパイアの血を吸っていた事は言えそうになかったので、後日父にだけそっと打ち明けると決めた。


母をベッドに運んだ後、2人を見送る為に外へ出た。


「おじさん、ミルクを借りてもいい?」

「ああ。先に行ってるから、娘をちゃんと送ってやってくれ」

「ありがとう」


おじさんが察してくれた。さすがに義父の前でこれはできそうになかったから。


「ミルク、俺っちは覚悟を決めたから」

「え、何が?」

「血を吸って欲しかったんだろ?」

「いいの?」

「これからは一緒にいるって約(・)束(・)だからな」


緊張しながらもミルクの血を吸った。今まで吸ったどのヒトやヴァンパイアよりも、甘い血の味がした…。


完(番外編へ続く…)

読んでいただきありがとうございます!


小話⑨ミルクがあまり活躍しなかったのには、理由があります。

お気づきの方もいると思いますが、今回はカクテル言葉を取り入れました。


カルーアミルク→臆病、いたずら好き


2人の性格を表しています。カルーアはいたずら好きではないのですが、結果的に皆を困らせているという意味では合ってるのかなと思います。ミルクは不器用で、人生が上手くいかなくて臆病になってしまったのです。


そんな2人が結ばれた事で、カクテルのようにバランスが取れたハッピーエンドでした!

番外編もぜひお読みください☆

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