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【完結済】女の子大好き、ヴァンパイアくん☆  作者: 眠れぬ夜の小鳥


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10/10

蝙蝠の番.(番外編)世界を変えるきっかけを作ったヴァンパイア

俺っちとミルクは夫婦になった。


婚姻の儀当日。執り行うおばさんは困惑していた。


「エリカとアキメネスの時も前代未聞だったが、ヴァンパイア同士の婚姻なんか、もっと前代未聞だよ」

「その節は驚かせてすみません。でも、オレ達にとってはいい思い出なんです」

「にんにく好きのウチの子供なのよ!普通な方がおかしいくらいじゃないの」

「そうじゃな。では、やり方はどうする」

「お互いの薬指に針を刺して吸ったらどう?中々に名案でしょ☆」

「なんかロマンチックだね♡やろうよ!」

「2人がよいならそうしよう。手を出すんじゃ」


そんなこんなで無事に婚姻の儀は終了した。


「あたし、今までで1番感動したわ。2人ともおめでとう!」

「ボク達の婚姻は普通だったから、インパクトは強いよね」

「禁断の恋って奴?でも、もうミルク以外考えられない」

「私もよ。カルーアが最初で最後の恋だから」


微笑み合ってキスをした。幸せな気持ちでいっぱいだった…。


それからは、夫婦の時間をたくさん過ごした。

デートも住処周辺だけでなく、街へと手をつないで堂々と歩いた。


「俺っちは色んな名所を知ってるから、どこに行きたい?」

「ママが昔、パパと再会した橋に行ってみたい!」

「ああ、あそこね。今はデートの定番待ち合わせになってる☆」


かつてミモザ夫婦が結ばれた橋は、縁結びに良いと広まっているのだ。現場に向かうと多くのカップルでごった返していた。


「すごい人ww 景色目的できた人は、イライラしてるね」

「2人がここにいなかったら、キミは生まれてないし、俺っちもキミと出会えなかった。そう考えると不思議だよね」

「本当だね。言われるまで気付かなかったw」


景色をそこそこに楽しんで橋を抜けた。人の波に押される形ではあったが、いい思い出にはなった。


「次は大通りに行かない?ある意味、俺っちの思い出の場所☆」

「酒場とか、宿屋とか、診療所なんかがある所だね。いいよ!私はカルーアが辿った道を知りたいから」

「妬いてくれないんだ?」

「めんどくさい妻にはなりたくないの」

「ちょっと残念w」


そんな事を話しながら向かうと、見覚えのある女性が男性と腕を組んで歩いていた。


「ねぇ、もしかしてあの時の子?」

「…あ、イケメンヴァンパイアさん?」

「そうだよ☆覚えててくれて嬉しいけど、ひどいケガをさせてごめん。傷は少しも良くなった?」

「2日間は血が出たけど大した事はなかったの。あなたのお父さんに診療所で会ったわ。謝罪されたけど、私は全然恨んでないし、むしろ幸せだった。今は旦那とも出会えたから、あなたには感謝してるの」

「そっか。運命の彼に出会えてよかったね!末永く幸せに☆」

「あなたこそ、素敵な彼女さんを見つけたようね。幸せになってね!」


会釈して彼女達と別れると、ミルクが口を開いた。


「やっぱり少し嫌な気持ちになった。妬いたらめんどくさいよね…」

「俺っち嬉しいよ?それは独占欲の表れだから、いいんだよ☆」

「そうなの?私、妬いてもいいんだ…」

「不安にさせてごめんね。2人っきりになれる所に行こうか」

「うん♡」


宿屋を探して歩いた。素泊まりできる所を見つけたので、そこに入る。


「何か食べないと泊まれないと思ってた…」

「俺っちも血が飲めるまでは気にした事なかったけど、初めて知った時は新たな発見だったな」

「人間の方がよかった?」

「そんな事ないよ。ヴァンパイアは長生きだし、見た目も老けない。血があれば生きていけるから、俺っちはヴァンパイアに生まれてよかったと思ってる☆」

「私は、人間の生活もしてみたいと思う。食べ物ってどんな味なのかなとか、命が短いからこそ1日を大切に生きているのだろうなと改めて感じた。でも、ヴァンパイアでなければあなたに出会えなかったから、この体でよかったとも思うの」

「そう言ってくれてよかった。俺っちとこれからもいて欲しいし、家族が増えれば賑やかになると思うんだ…」


ミルクを抱きしめると、彼女もまた抱きしめ返してくれる。我を忘れるくらい愛し合った…。


「パパ、ママ。皆で鬼ごっこしよう!」

「いいよ!俺っちは全員捕まえるぞ☆」


最近は、休日に子供達と遊ぶのが楽しみだ。

仕事をするのは大変だが、家族が増える度に喜びも増えるので、いつの間にか大家族と化していた。


「孫がこんなにできるとは思ってなかったわ…」

「エリカは無理しなくていいからな。オレの方が若いから」

「まだ現役で仕事もしているのだから、アキメネスも限界はあるのよ。人間よりヴァンパイアの方が体力があるから大丈夫だし、子供は何人いてもかわいいものね♡」


子供達は男女同じくらいいて、大きくなると次々に結婚していった。人間と結ばれた子もいれば、ヴァンパイア同士で結ばれた子もいる。


かつて100万人いたダリア・グラジオラス共和国の人口は徐々に減っていき、1,000人ほどしかいなかったヴァンパイアは、凄まじい繁殖力でいつしか逆転した。


そして、ついに人がいなくなり、ヴァンパイアの楽園となった。人間しか食べなかったにんにくも、やはり姿を消した。後にも先にも、にんにくを食べるヴァンパイアは、エリカしかいなかったのだ。


俺っちはヴァンパイアを増やした英雄として、ヴァンパイア達に語り継がれている…。


完

読んでいただきありがとうございます!


小話⑩正直に言うと、今作は書きづらかったです。シリーズもので、前作が初めてランキング入りした事をきっかけに書き始めたのですが、ひたすら女性の血を吸うだけのヴァンパイアになってしまいました。もっと面白くしたかったのですが。



前作のにんにく好きのヴァンパイア✕年下青年のラブコメはこちら♡

〈n4558mt〉

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