第9話 トラウマ
キャサリンはマカランに能力を与えられて扉から出てきた。
「キャサリン!何で泣いてるの?」
リンはキャサリンの顔を見て思わず叫んだ。
「えっ…。」
キャサリンは自分では気付かないうちに涙を流していたのだった。
「どうやら合格したみたいどすな。おめでとうさんでございます。キャサリンはんはこのまま最後まで残ってくだせえ。」
パーちゃんは軽く拍手しながらキャサリンを讃えた。
マカランセレクション
キャサリン・スミス 合格
能力名 ホーリーディーバ
「えっ、合格したの?能力ってもう使えるの?」
リンは驚き混じりに聞いた。
「うん。よく分からないけどね。ちょっと出してみる。」
キャサリンが集中するとポンッと音が響き、キャサリンの右手にマイクが現れた。
「おーー!」
その場にいる試練参加者達はドッと盛り上がった。
「盛り上がってるみたいどすな。では次いきまひょか。」
パーちゃんは参加者達を見渡し、次の試練へと進行を移した。
OP『お子様歩いてる』
お子様歩いてるー
お子様歩いてるー
イカセノミーカーハビロチャマアー
お子様歩いてるー
お子様歩いてるー
お・子・さ・ま歩いてる〜〜
ゴリラのマイボーがマカランルームに入るも、何も起きず扉から出てきた。
「マイボーはんお疲れ様どした。きい付けてお帰りなはってくだはれな。」
パーちゃんはマイボーに声をかけた。
マカランセレクション
マイボー 不合格
次の試練参加者のルルもマカランルームに入るも、何も起こらずに扉から出てきた。
「ルル・プリュレはんお疲れ様どした。きい付けてお帰りなはってくだはれな。」
パーちゃんはルルを気遣って声をかけた。
パーちゃんは毎回やってる事だが気疲れして仕方なかった。
マカランセレクション
ルル・プリュレ 不合格
「はい、結果は残念だけどこの試練でやるべき事を見つけました。このアマチャロビという世界にはケーキとかのお菓子どころか料理と呼べるものがありません。だから私がお菓子を作ります。良かったら、みなさんも食べに来て下さい。」
ルルは覚悟を決めた顔で決意表明した。
「おーー!」
決意表明に感動したのとお菓子が食べれるかもしれないという事で会場が活気づいた。
「えらい盛り上がってはんな。お菓子っていうのが何か分からへんけどウチも食べに行くさかい。頑張ってくだされ。」
パーちゃんはお菓子という言葉を初めて聞いたが、盛り上がり方で美味しいものなんだろうなと想像した。
次の参加者のペンギンのコーンヌーがマカランルームに入ったが、何も起きずに扉から出てきた。
「コーンヌーはんお疲れ様どした。きい付けてお帰りなはってくだはれな。」
パーちゃんは気まずそうな顔でコーンヌーに声を掛けた。
マカランセレクション
コーンヌー 不合格
そして次の参加者のリンがマカランルームに入ったが、何も起きず扉から出てきた。
あまりにも合格者が出ないので会場に不穏な空気が流れた。
「リン・シァオファはんお疲れ様どした。きいつけてお帰りなはってくだはれな。」
パーちゃんは会場の空気を感じて申し訳ない気持ちになっていた。
マカランセレクション
リン・シャオファ 不合格
「リン…。」
キャサリンはリンの顔を涙目で見つめた。
一緒に合格しようと約束したのに自分だけ合格してやるせない気持ちだった。
「キャサリン、残念だけど試練があったおかげで大スターと友達になれて良かったよ。またね。」
リンは何も起きてないので悔しがる事も出来ずモヤモヤしていたが、なんとか笑顔を作り答えた。
「うん、絶対また会おうね。」
キャサリン涙目ながらも笑顔になってリンと向かい合い、互いの両手を握った。
「泣けますな。でも切り替えて次行きまひょか。次は土橋ボビーはんマカランルームへ、どうぞお入りやす。」
パーちゃんももらい泣きしそうになるのをこらえて、ドボ名人の名前を呼んだ。
「はい…。」
ドボ名人は今立つと感動的な空気に水を差すようで嫌だったが、仕方ないので渋々立ち上がった。
「ドボ名人、頑張って!」
ごんすけはドボ名人が立つとすぐに声をかけた。
「うん。」
ドボ名人はごんすけは空気読まないなって思いながらも気まずい空気もなくなったので良かったと思った。
そしてドボ名人は扉を開けて入ると、目の前には椅子があった。
(この椅子に座ればいいのかな。)
ドボ名人は椅子に腰かけてみた。
「土橋ボビー。」
ドボ名人の頭の中に声が響いた。
「わっ、ビックリした!」
ドボ名人は危うくひっくり返りそうになった。
「私は女神マカラン。あなたの心に直接語りかけています。」
マカランの落ち着いた口調がドボ名人の頭の中で聞こえた。
「女神様ですか。どうも初めまして。」
ドボ名人は周りを見渡し、マカランの姿を探したが誰もいなかった。
「土橋ボビー、いや、あなたはドボ名人と呼ばれてるのですね。では私もドボ名人と呼ぶ事にしましょう。」
「そうですか。僕はどっちでもいいんですが、呼びやすいほうでいいです。」
「ドボ名人、あなたの人生はゲームと共に歩んできたんですね。」
「そうですね。」
「それではあなたの人生を振り返ってみましょう。
あなたは肌の色の事で差別を…。」
マカランが話している途中でドボ名人は険しい顔になって立ち上がった。
「どうしたのですか?逃げるのですか。」
マカランは少し強めの口調で語りかけた。
「人の嫌な過去をほじくり返して女神様だからって何でもありですか!女神様も僕を差別するんですか!」
ドボ名人は思わず声を荒げた。
部屋中に響くくらいの大きな声だった。
「私は差別をしてる訳ではありませんし、絶対に差別はしません。それとあなたは自分では気付いてないですが、すでに世の中の差別を減らす存在になってるのです。」
「僕が差別を減らす存在に?」
「そうです。そして更に差別を減らし無くしていく存在になる為にあなたは過去と向き合う必要があるのです。」
「そんな事は考えた事がなかったです。本当に僕は差別を減らす存在になってるんですか?」
「そうです。だから座って続きをしましょう。」
「分かりました。」
ドボ名人はマカランと話してるうちに落ち着いてきて再び椅子に腰掛けた。
◇
外にまでドボ名人の怒鳴った声が聞こえていて大騒ぎしていた。
「さっきドボ名人の大きな声聞こえたけどどうなってんのかな。」
ごんすけは落ち着かず、ずっとドボ名人を心配していた。
「そうだね、キャサリン、中では何が起こってんだい?」
マットもやはり心配をしていて、状況を確かめたかった。
「内容の事話していいのかな。私は悩みを聞いてもらったくらいだけど…。」
キャサリンは答えていいか確認する為にパーちゃんの顔を見たらパーちゃんは答えるように首を横に振った。
その時、扉がキーッと音を立てて開いてドボ名人が出てきた。
「うえーーん。」
ドボ名人は小さな子供のように泣きじゃくっていた。
「えっ…。」
他の参加者達は唖然とした。
ED『タマちゃん』
タマちゃん
タマちゃん
タマちゃんみたいだね
かわいい
かわいい
タマちゃんみたいだね
タマちゃんみたいだねパカパン
次回予告
ワーリチョン!アタイ九ちゃん。
ごんすけの家ではインターフォンとかないからお客さんが玄関まであがってきてゴメンクダサイって呼ぶんだけど、アタイはその真似が得意で男バージョンと女バージョンを使い分けてるのさ。
そんな訳で次回の話はゲームの名人
お楽しみに。




