2話
第二話 最初の死
爆発音が響く。
思わず足を止めそうになったが、俺は走り続けた。
嫌な予感しかしない。
ゲーム開始から十分も経っていない。
それなのに、もう誰かが戦っている。
いや。
もしかしたら死んでいる。
そう考えた瞬間、背筋が寒くなった。
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「おい待てよ」
後ろから声が飛ぶ。
振り返ると、さっき俺を笑っていた三人組だった。
嫌な予感がした。
「何だよ」
「いやぁ、そんな警戒すんなって」
茶髪の男が笑う。
だが目は笑っていなかった。
「能力見せてみろよ」
「俺もよく分かってない」
「生存だっけ?」
三人が笑う。
腹が立った。
だが喧嘩になる方がまずい。
相手の能力も知らないのだから。
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「俺達、協力しようと思ってさ」
嘘だ。
顔を見れば分かる。
協力なんて考えていない。
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「能力交換できるか試してみようぜ」
「は?」
「だってお前の能力いらねぇだろ」
周囲が笑う。
俺は一歩下がった。
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その瞬間だった。
遠くから悲鳴が聞こえた。
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「助けてくれぇぇぇ!!」
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全員がそちらを見る。
次の瞬間。
ビルの向こうから炎が吹き上がった。
五階建てくらいの高さまで。
冗談みたいな光景だった。
映画のCGみたいだった。
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「……おい」
三人組も顔色を変える。
誰も動かない。
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そして。
炎の中から何かが飛び出した。
人だった。
いや、人だったもの。
燃えながら地面へ落ちる。
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誰かが吐いた。
俺も吐きそうだった。
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これはゲームじゃない。
本当に殺し合いだ。
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『現在参加者数』
空に文字が浮かぶ。
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【1000→997】
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三人死んだ。
たった今。
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全員が黙る。
さっきまでの余裕が消えた。
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「帰ろうぜ……」
誰かが呟く。
「帰れる訳ねぇだろ」
別の誰かが言う。
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その時だった。
空から放送が流れる。
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『最初の脱落者が確認されました』
『おめでとうございます』
『皆さんは無事、ゲームの参加者となりました』
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その声を聞いた瞬間。
俺は全力で走り出した。
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もう無理だ。
協力も。
能力も。
願いも。
どうでもいい。
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死にたくない。
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それだけだった。
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角を曲がる。
階段を上る。
開いていた建物へ飛び込む。
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そしてようやく息を吐いた。
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静かだ。
誰もいない。
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「はぁ……」
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助かった。
そう思った。
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だが次の瞬間。
視界の端で何かが動いた。
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部屋の奥。
窓際。
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そこに一人の少女が座っていた。
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俺と目が合う。
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そして少女は言った。
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「あなたも逃げてきたの?」
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