一つ違い
グレンはジェシカより二つ年下です。
若い頃は一つ差って大きい。
「それでは、今日はこれで失礼します」
今日の政務もあらかた片がつき、ジェシカが退勤の挨拶をグレンに告げた。アンソニー改めジェスとして王子付きとなり、年も暮れようとしていた。
「うん。お疲れ様。明日は休日だったね。アニーも一緒に。二人でどこかに行くのかい?」
グレンは、ジェシカの双子の兄アンソニーも休日の届けが出てるのを思い出した。
「あ、いいえ。今日は私たちの誕生日なんです。父がこのあと祝ってくれるそうなので…多分夜通し酒盛りなんですよ」
「え?今日、誕生日だったの?教えてくれれば良かったのに!普通に働かせちゃったじゃないか!」
「いやいや、普通に働きますって。ただまあ明日は仕事にならないかもなって」
「困ったな。何も用意してないや。ごめんよ」
「私たちにそんな気づかい、不要ですよ」
グレンは先月15歳になったばかりだ。その時に二人からだと、剣の柄に巻く革の滑り止めをもらっていた。
なんだかとても申し訳なくなった。
「でも、そうか、ちょっとの間だけ、一つ違いだったんだね」
グレンは少し残念そうに微笑んだ。
「あ、そうですね。…といってもほぼ2歳差ですから大した違いはありませんよ?」
「それでも、少しだけ近づいた気がして、何となく嬉しいよ。昨日までは一つ違い。もっと早く知っていればな…」
「意外にこだわるんですね?」
ジェシカはクスクスと苦笑し、王子はハッと頬を赤らめコホンと咳払いをした。
「贈り物は改めて。楽しんできて。誕生日おめでとう。ジェス」
「ありがとうございます」
祝いの言葉を伝えながら、やっぱり寂しそうなグレンだった。
年取ったらあんまり年齢差は気にならなくなるんですけどね。
まだ恋心を自覚していない少年のグレン…。今となっては貴重です。
思いが通じ合ってからは甘々な誕生日を過ごすんでしょうね。
随分初期にいちゃラブな誕生日話を書きかけていましたが、完成に至らず、先にこちらを投稿です。
気が付けば、もうすぐ100話。そして初投稿から一年経ちます。
投稿の大部分は最初にまとめてしたので、あとはポツポツですが、やっぱりPVがつくと嬉しいですね。たまに全部見てくれた人がいると舞い上がってます(笑)
実は次世代編の執筆はほぼ終わってるんですけど、このままこの連載の続きで載せるべきか、別の連載に分けるべきか悩み中です。星跡の都編のように全然違う時代じゃなく、地続きですからね。
でもまあ、次世代に入ってしまうと、こうやって外伝追加も難しいから分けたほうが良いかな?
********
コメント、リアクション励みになります!
是非お願いします!




