初恋は実らない
いつもジェシカをいじってる女友達ですが、本当は…。
キャロラインには王子さまが二人いた。
父の子爵が仕える侯爵家の双子の子息。
アンソニーとジェス。
そっくりの双子だったが、どちらかと言うとジェスと気が合った。
気さくな彼らは遊び相手として最適だった。
本当はけっこうな身分差があるのだが、そこも大目めに見てもらえた。
「私、ジェスのお嫁さんになりたいなぁ」
淡い初恋。
まだ七つ。
しかし、そのカワイイ告白は爆笑と共に却下された。
幼心におおいに傷ついた。
そんなに、笑うなんて…。
べそをかきかけたキャロラインに、ジェスは言った。
「知らなかった?僕、女だよ!」
「へ…?」
キャロラインの頭は真っ白になった。
見事に砕け散った初恋を振り返りながら、祭壇の前に並び立つ王子とジェシカを眺め、キャロラインは胸がいっぱいになった。
「綺麗ね、おめでとうジェス。ふふ…。今でも私の理想はあなただって知ったら、どんな顔するのかしらね」
キャロラインは2度目の失恋をそっと胸の奥へとしまった。
大好きな親友であり、初恋の人。
出会ったときの輝きそのままに大人になったジェシカは、いつまでも眩しい存在でした。
ジェシカをそのまま愛するグレンにだから、キャロラインも心から祝福できました。
キャロラインにとって、ジェシカ以上の存在にはなかなか出会えないでしょうね。
男でも女でも、思いが成就することがなかったとしても…そう思える存在に出会えたことこそが、人生の宝物なんだと思います。




