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ティタニアン

 タイタンへの移住が開始されてから数年後、地球の政府の主導のもとで二基目のコロニーが建造されることになった。

 コロニーの建造に纏わる機密漏洩防止のために、半分だけ組み立てられたコロニーの部品が地球からタイタンに送り込まれ、現地での接合が行われた。

 玩具のブロックのように積み上げられていく部品。この作業はタイタンに派遣された技術者とロボットたちのみで行われ、建造の様子を移住者が観覧することは固く禁じられた。―――派遣されたロボットたちは、前回とは違い、工事が終わると技術者とともに地球に帰還した。

 二基目のコロニーが完成すると、二つのコロニーは区別のために名前が付けられ、最初のコロニーはエルドラド、二基目のコロニーはベンサレムという名が与えられた。

 ベンサレムの内部には地球から運ばれた大量の海水が放出され、研究施設とリゾート施設が併設した海洋コロニーとして運用されるようになり、地球の企業や学者が大勢移住してきた。

 その後、エルドラドとベンサレムの間に地下トンネルが作られ、コロニー間での往き来が可能になると、バカンスで訪れる者が後を絶たず、ベンサレムは大いに賑わいを見せた。さらに、この人工の大海原をひと目見ようと、地球から多くの観光客がタイタンに押し寄せた。   

 これらの客をもてなすための商業施設も日毎に増えていき、僅か四年でベンサレムは大規模なリゾート地に発展した。


 タイタンに地球の息吹が人という形で吹きかけられ、熱を帯びた肉たちが地表に浸透していく。

 環境こそ違えど、タイタンは少しずつ、地球のように人間であふれ返る星に変わっていった。

 人々は子を産み、やがて世代が変わり、地球の大地を踏まずに育った若者たちが現れた。

 彼等は自らをタイタン居住者(ティタニアン)と呼び、地球の人々も彼等をそう呼んだ。

タイタン居住者(ティタニアン)たちは緩やかに、しかし着実に、その種を繁栄させていったのである。

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