EPISODE 4 - 49 √朱音・碧依
もしウチが、考え取る以上に、
新種の能力が高かったら、
押し留める所の話じゃなくなる。
安全策を取るなら
まずは、碧依と一緒に
『L・W』の回収なんやけど、
恐らく、新種の前では
『格納庫』の『防壁』は、
長く持たん気がする。
「(さて、どうしたもんかな………)」
限られた時間の中で、
どの選択肢が一番『生存率』が、
高いかウチが考え取ると………。
たまたま目についた『格納庫』の
映像に違和感を感じた。
正確に言うなら『マザー』の
『繭』に何か変な物が映ってる気がする。
「『マザー』の『繭』に
変な『突起物』が生えてないか?」
「え?直ぐに拡大表示するね」
ウチの呟きを聞いた碧依が、
『マザー』の『繭』を中心に映像を
拡大表示してくれた。
輸送機の屋根に陣取っていた、
『マザー』の『繭』の中央に
やっぱり計『8本』の『棘のような物』が
突き出しとった。
「何やあれ?」
「何となくだけど
『人の指』に見えなくもないね」
碧依の言う通り、
『人の指』のように見える『棘』は、
内側からせり出すように、徐々に大きくなっていった。
人で言う所の『第二関節』に当たる所まで、
迫り出したかと思ったら、扉を開ける様な感じで、
『突起物』が左右に離れ出した。
「おいおい………。まさかやろ!?」
そのまさかで、碧依の見立て通り、
『突起物』に見えた物は、
正真正銘『指』やったみたいや。
左右に力を掛けられた『繭』は、
徐々に亀裂を大きくしていくと、
最後には、左右に引き裂いてしまった。
真上から真下まで綺麗に分断された
『繭』の内側から出て来た物は、
先に誕生した『新種』と、
同じ『人』の形をした『マザー』だった。
『芋蟲型』の時は、
体長10m程の大きさやったマザーやけど、
『繭』から出て来た時は、
全長5m程にまで縮んでもうてた。
それでも『新種』と比べると2m程、
体のサイズは、大きいんやけどな。
他にも『新種』と、違う点としては、
『繭』を破る時は、見えんかったけど、
左右の指が『5本』ある事と、
足が逆関節では無く『通常』と言ったように、
完全に『人』と、同じ見た目をしとった。
それ以外は、概ね『新種』と
同じ感じやったんやけど………。
一つだけ『新種』とは、決定的に違う点があった。
それは、映像越しでも分かる程、
圧倒的な存在感をマザーは放っとった事や。
ウチが生身なら間違いなく、
鳥肌が立ってたと、確信できる程やな。
「(『あれ』は、何があっても、
地上に出したらあかん!!)」
『マザー』の姿を見た瞬間、
碧依と別々に行動すると言う選択肢は、
ウチの中で無くなった。
せめて、マザーの戦闘能力が、
少しでも分かれば、良かったんやけど、
未知数な以上、碧依を危険に晒す事は出来ん。
そうなって来ると………。
「(ここは、賭けやけど、
一旦『L・W』の回収を碧依と、
一緒にするべきやな)」
隔壁がどの程度持つかは、
運次第やけど、急いで『武器庫』に向えば、
何となるかも知れん。
早速『武器庫』に向かう事を
碧依に伝えようとした時………。
「私が『新種』と『マザー』の相手をするから、
お姉ちゃんは、その間に『武器庫』に
行って『L・W』の回収をしてきて」
そう、碧依が提案してきた。
確かに碧依の言う通り、
ウチが『L・W』を回収している間、
誰かが『格納庫』で『マザー』達の相手をするのが、
最も『効率が良い』のは、確かなんやけど、
それは、同時に最も『危険』な状態でもある。
この度は、最果ての世界を
ご覧頂きまして、誠にありがとうございます。
ここから暫くの間は、
朱音と碧依のルートに入ります。
これからも、3分間から5分間の
ささやかな楽しみを
皆様に提供出来ますように
のんびりマイぺースながらも
精進してまいりますので
何卒最後までお付き合いの程
宜しくおい願いいたしますm( _ _ )m




