EPISODE 3 - 70
時間が経つにつれて、
『赤い液体』の量が増している事を考えると
今回の攻撃は、タンク野郎に止めを刺したみたいだな。
「『どういう訳』………だったか?」
俺が成り行きを見守っていると、
『カイト』が、かつての仲間であった
『タンク野郎』に、止めを刺した経緯を話し出した。
「『自覚症状』が無いかもしれんが、
これまでの度重なる『実験』で、
お前の『脳』は、すでに『劣化現象』が起きてる」
「な……にを……こ…ん……きょ……に……」
「簡単な事だ………。
『脳』への負担から来る『影響』が、
すでに『人格』へと反映されている。
お前のその『凶暴性』が、何よりの証拠だな」
「そ…んな……ば…かな………」
会話の全容は、俺には分からないが、
最初に襲撃した、敵拠点で手に入れた
資料と照らし合わせると、
何となくだが、理解できる部分もある。
俺が手に入れた資料と
先程の会話を頭の中で、
照らし合わせている間も
2人の問答は続いていく。
「何はともあれ、今までご苦労だった………。
お前の戦闘記録は、今後の『糧』になるだろう」
「ふざ……け…る…な!!」
タンク野郎が最後の気力を
振り搾ろうとしていたが、
その前に、奴の上に載っていた
『カイト』が跳躍すると、背中に装備していた
『グレネードランチャー』を
タンク野郎に向けて発射した。
発射されたグレネード弾は、
タンク野郎の装甲を貫くと
内部で爆発………。
今度こそ疑う余地の無いくらい、
タンク野郎は完全に破壊された。
「(な!?)」
その光景に何度目になるか
分からない衝撃を受ける。
戦闘前から不穏なやり取りを
続けていたが、まさか自分の仲間を
殺すとまでは思わなかった。
衝撃的と言えば衝撃的だったが、
何時までも呆けている暇は無い。
どう打って出るかと、
戦闘態勢を継続していると
徐に『カイト』が、俺に話をふってきた。
「そう身構えるな………。
取り敢えずだが、我々の『目的』は達成出来た。
お前から手を出さないのであれば、
こちらとしても、これ以上の戦闘を
続ける意思は無い………」
「なんだと?」
突然の申し出に一瞬、
理解が追い付かなかったが、
頭を振って、意識を目の前の敵に集中する。
「そう言われて、『はい、分かりました』と
バカ正直に武装を解除する奴はいないだろ?」
「まぁ………。
確かにそうだな」
『カイト』も自分の言い分が
この状況下で通らないと思い直したのか、
俺の返答に軽口で答えたが、
本当に戦闘の意思が無いのか、
何時まで経っても、戦闘態勢に移ることは無かった。
「(本気で言ってるのか?)」
『カイト』の狙いが何かわからないが、
俺にはあまり時間が無い………。
『戦闘継続』にせよ『逃走』にせよ
成るべく早い段階で決断する必要がある。
「(なら………)」
そう思った俺は、『カイト』が言った
『目的』が何なのか探る為に
手短に質問することにした。
「………お前達は仲間じゃなかったのか?」
「ん?『クレース』の事を言っているのか??」
「そうだ!!」
これで、『カイト』の『目的』を
知る事が出来れば、今後の判断材料にはなる。
「何故お前が、奴の事を
そこまで気にしているのか分からんが
理由は、先程述べた通りなんだが………」
確かにこれでは、理由が漠然としすぎたな。
だったら俺が、最も気になっている事を聞いて見るか。
「じゃあ、何故『殺した』んだ?」
「そうだな………。
それに関しては、
上位者に対しての『暴言』や
『命令違反』からの『独断専行』等、
正直、我々も奴に関しては、
手を焼いていたのが理由だな」
「……………」
確かに、理由を聞いていると
然もありなんだ。
それだけタンク野郎の言動は
目に余る物があったと俺も思う。
「今回の作戦で、
奴を『廃棄』する予定だったのだが………。
これに関しては、お前に礼を言う必要があるな」
「別に礼を言われる、筋合いはないけどな」
この度は、最果ての世界を
ご覧頂きまして、誠にありがとうございます。
これからも、3分間から5分間の
ささやかな楽しみを
皆様に提供出来ますように
のんびりマイぺースながらも
精進してまいりますので
何卒最後までお付き合いの程
宜しくおい願いいたしますm( _ _ )m




