EPISODE 3 - 67
タンク野郎諸共、背後にあった壁に
『ムラクモ』状態の陽電子ブレードの
刀身を沈め、奴を壁に張り付けてやる。
「こ……ん……なと……
こ……ろ……で……
俺……さ……まが……負け……
る……わ……け……が………」
しぶとい奴だな………。
完全に機体ごと奴の体を
貫いている筈なんだが
まだ喋れるのかよ。
「(そもそも何でまだ『喋れる』んだ?)」
100歩譲って、陽電子ブレードの状態なら
当たり所にもよるが『喋る』事は出来るかもしれない。
だが今のモードは『ムラクモ』だ。
鉄ですら『溶かす』程の威力があると言うのに
それを『生身』で耐えるのは、流石におかしい………。
「(操縦者にも何か
秘密がありそうだな………)」
普段なら捕獲して、
色々調べたい所だが、
今は非常時だ………。
「(ここは、涙を飲むか………)」
それに、
陽電子ブレードも
エネルギー過多のせいで
そろそろ限界だな………。
「いい加減、死にやがれ!!」
そう言うと俺は、陽電子ブレードへの
エネルギー供給量を増やしていく。
エネルギー過多に陥った
陽電子ブレードは、刀身の熱量を上げて行く。
「ぎゃぁあああああああ!!!」
タンク野郎から断末魔の
叫び声が聞こえてくるが、
問答無用で陽電子ブレードを押し込んでいく。
暫くすると、奴の叫び声が止み
俺の左腕を掴んでいた奴の手が
力無く垂れ下がっていった。
念の為、数秒間様子を見ていたが、
再起動する気配もない。
「一体……撃破………」
タンク野郎の死亡を確認した俺は、
奴に突き刺していた、
陽電子ブレードの柄から手を放す。
八汰烏からのエネルギー供給が無くなった
陽電子ブレードは、残存エネルギーを消費して
見る見る刀身が縮んで行くと、
最後には粉々に砕け散った。
壁に貼り付けにていた、
タンク野郎だったが、
陽電子ブレードが消失した事で
今は自身の車体の上に、
うつぶせになっている。
それを見届けると俺は、
依然、ベフィモスの上に
陣取っている2体へと向き直った。
「さてと………」
始めて見た時から思っていたが、
残りの2体は、恐らくタンク野郎より
操縦者の『質』が高い気がする。
そんな強敵相手にこちらは、
武器は陽電子ナイフが1本と
ハンドガンが2丁と、マガジンが残り3本。
ジャックさんから貰った
ロケットランチャーも
残り弾数が9発と大分心許無い。
「(おまけに、
八汰烏のリミッター解除の限界まで
残り7分を切ったか………)」
流石にリミッター解除が切れた後の
八汰烏で、あの2体を相手に
勝てると思える程、俺もお気楽じゃない。
「(まぁ何にせよ、時間は限られている。
決断するなら早い方が良いな)」
このまま、戦闘を継続するか、
それとも逃走を選択するか、
数瞬、考えていると………。
「たの……む…カイ………ト……
たす……け……て……く…れ………」
「な!?」
後ろから声が聞こえて来たので、
振り返って見ると、倒したと思ったはずの
タンク野郎が再起動していた。
「(オイオイ………。絶対に死んでただろ!!)」
確かにちゃんと、
奴の『生死確認』をしなかった
俺も悪いがまさか、あの状況下で
生き残れるとは思わなかった。
だが実際問題として、
タンク野郎は生き残り、
仲間に助けを求めていた。
この度は、最果ての世界を
ご覧頂きまして、誠にありがとうございます。
これからも、3分間から5分間の
ささやかな楽しみを
皆様に提供出来ますように
のんびりマイぺースながらも
精進してまいりますので
何卒最後までお付き合いの程
宜しくおい願いいたしますm( _ _ )m




